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獣神様とは番えない~アルファの溺愛花嫁さま~

juushin sama toha tsugaenai -alpha no dekiai hanayome sama-

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表題作獣神様とは番えない~アルファの溺愛花嫁さま~

オーウェン・ブラックウェル、黒狼の祝福を受けたパラピストの獣神
ルーク、オーウェンの花嫁とされるサーゲルのオメガ

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

獣神の呪いを防ぐために、花嫁にされたオメガのルーク。だけど、どうしても番になれないわけがあって!?

作品情報

作品名
獣神様とは番えない~アルファの溺愛花嫁さま~
著者
村崎樹 
イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784576230665
4.2

(42)

(28)

萌々

(7)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
9
得点
175
評価数
42
平均
4.2 / 5
神率
66.7%

レビュー投稿数9

〝魂の番〟な2人に、思わず涙腺が緩んだ……

Ωバースの〝番・発情〟設定を盛り込みつつ、独自の世界観で一般的なΩバースとは一味違う、読み応え抜群な作品でした!

強気でサバサバ系の受け様が良いですね。
Ωなのに発情しない為、Ωのコミュニティにも属せず、窃盗でその日暮らしをしている逞しい受け様です。

一方、寡黙で威圧感のある大型獣人の攻め様。
オメガ狩りに追われる受け様を攫って、番にしようとする横暴者かと思いきや、「自分、不器用なんで…」を地で行く、心優しい〝寡黙不器用男子〟でした。

そんな、お国の為に戦う〝獣神〟として感情を失っていた攻め様が、強気だけど面倒見の良い姉御肌な受け様と出会った事で、人間らしさを取り戻して行く……(好き)

大好きな、
「こんな時、どんな顔をすればいいか分らない」
「笑えばいいと思うよ」
シチュもあって、大変滾りました……!(某エヴァ)
(実際には「ありがとう」って言うんだぜ!展開です)

【寡黙不器用男子→ゾッコン溺愛男子】へ変化し、サブタイトル通り〝溺愛〟へと無事に成長を遂げた攻め様。
しかし、攻め様の〝完獣化〟を防ぐ為にはΩとの番が必要で…。発情しない自分では、攻め様を救えない…と、他のΩを宛てがう為に、密かに奔走する受け様の心情が切ない

せめて、形だけでも〝番〟になりたい、と未発情で頸を噛むシーンに「本当の番になれなくても、2人の魂は番だよ…!」と、思わず涙腺が緩みました。

サブキャラ達も魅力的で、子熊のテッド君には無限の可能性を感じます……!
2人の赤ちゃんが産まれる前から「たくさん可愛がります!」宣言していて、ゆるふわ優しいお兄さんになる未来しか見えないテッド君……
是非とも、成長したテッド君とオーウェン&ルークベビーのスピンオフが読みたいです……!!(頼む!編集部!!)

見事な伏線回収と幸せ一杯の大団円で、とっても満たされる楽しい読書時間でした◎

7

運命の番ってこういうことなのよ

これは面白い。
こういうアプローチのお話は初めてです。

私がこの作品を読み始める時点で、神評価としゅみじゃない評価の2つに振れていて、正直読むのを悩みました。作者さんの作品は初めてなこともあったし、自分はどう感じるのだろうと不安もあったけど、あらすじと勢いと直感でえいやっと購入。
結果は先に述べた通りです!


私は神評価に1票です。
読後感と多幸感、これによるところが大きかったってのもありますが、物語の展開や構成もすんごく良かった。
ストーリーは割と重みがあるのに、2人のイチャラブや町人たちとの関わるシーンはほっこり。この緩急のバランスがとてもいい具合で、出会いから結末までのオーウェンとルーク2人の気持ちの寄り添い合いがすごく良かったです。
どっちも最初は心象が悪いのですが、一緒に生活を共にするにつれてトゥンクが増えていくんですよね。

ツーンがデレに変化していく過程がすごく素敵で、愛することを知らない獣人と孤独なオメガが本能的にも理性的にも求め合っていきます。
ルークはオメガでありながらもまだ一度も発情を迎えたことがなく、オメガと番うことで獣人としての力をコントロールしたいオーウェンの利害が最初は一致しなくて、ギスギスします。
それでも2人は愛し合うようになる。
発情しなくても番えなくても、気持ちが運命の番の2人なんです。

「運命」とは先に決まるものではなくて、後付けにしか過ぎないと私は思っているので、2人が番えないというハードルを乗り越えた先に見える景色が、まさに運命の結果なんじゃないかと…。
もうハッピーエンドだとネタバレしちゃいましたが、この物語がハッピーエンドと言うのは簡単な説明に過ぎません。その結末に至るまで色んな困難や課題、葛藤がたくさんあってのことなので、そこに至るまでの濃厚ストーリーをぜひ読んでみて欲しいなと思います。


ストーリーの背景にある物語設定がすごく凝っているので(ここで説明しちゃうと凄く長くなりそうなのでハショります)、登場人物たちをとりまく環境や制約、人間模様などなど楽しんで下さい。
もちろんイラストも目の保養です。ルークとオーウェンの美しい立ち姿にホウッ…となりながら舐めるように見まくりました^ ^

5

獣神の一途さに萌えるお話

他レーベルですが3月に発売された「人生七周目の予言者は王弟殿下の寵愛を回避したい」が凄く面白かったので、こちらの作品も楽しみにしていました。

読み始めて最初はルークの性格が好きになれずに戸惑いました。彼のオーウェンに対する態度が嫌だったんです。

ですが読み進めて行くうちに自分の悪いところは反省出来るとても素直な人物だという事が分かってからは大好きになりました。

そしてオーウェンも不器用ながらも愛情深い人物だと分かってからは、彼が呪いから逃れてルークと幸せになって欲しいと思うんです。

あらすじにある番になれない理由は読み始めて直ぐに理由が分かります。ではどうしてルークがそうなってしまったのかは、勘の良い方ならなんとなくアレが原因ではと思い当たると思います。私は当たっていました。
ただ、その事は全てが済んだ後に判明するので、終盤はオーウェンの危機にかなりハラハラさせられました。

どうしてルークが獣神であるオーウェンの呪いを防ぐために必要なのかの謎が最後に解き明かされているのですが、こちらの方は全く予想していなかった理由でした。村崎樹先生はこういったお話か上手いですね。

オーウェンの一途さとかルークが獣の神子であるシェリーとテッドを大事に扱う様子がとても微笑ましい作品でした。
奈良千春先生のイラストが世界観にとても合っていました。とくに結婚式のシーンが素敵なのですが、オーウェンがどうして結婚式を急いだかの理由を知ると彼が大好きになる事間違い無しです。

5

キャラ良し、ストーリー良し、挿絵良し。

作家買い。
村崎さんの新刊は、タイトルからも推測できるようにオメガバもの。そこにさらに「獣神」というファンタジー要素が加わったお話でした。村崎さん作品はバックボーンがきちんと練られているというか緻密なので、非常に読み応えのある一冊でした。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





主人公はオメガのルーク。
オメガは希少な存在だが、ルークはさらに希少性の高い「薬花」と呼ばれるオメガ。薬花のオメガたちは、オメガ狩りに遭いアルファに売られるという出来事から身を守るために「サーベル」という集団をつくりそこで暮らしている。

ルークはとある理由からそのサーベルを抜け出し一人で暮らしているオメガだ。
窃盗でその日暮らしをするルークだったが、オメガ狩りに見つかり襲われることに。が、そのピンチを救ってくれたのは隣国・パラビスト国で獣神と呼ばれるオーウェンだった。

オーウェンが薬花であるルークを助けたのには、実は理由があって…?

というお話。

彼らの住まう地は、人と、獣人とが混在する世界。
獣の様相を持って生まれた子は獣神となり国を守るという使命があり、戦が起こるとその身体能力を駆使して国を守るのだ。

そして戦いで傷ついた体をいやすのに必要なのが、薬花の体液を飲むこと。
というのが、オーウェンがルーク、というか薬花を探していた理由なのですが。

読み始めた時、オメガであるという体質、そしてサーベルを抜け一人で生きてきた薄幸・ルークが、スパダリに愛され愛でられ、そして幸せを手に入れたお話、だと思っていたんです。

が。
いやいやいや、さすが村崎さんです。そんな浅いお話ではありませんでした。オーウェンはめっちゃスパダリ。寡黙ではあるものの、「神」としての立場を持ち、国を守り、優しいし、もう言うことなしのスパダリだわねえ。とか思ってましたが。

いやー、そう来るか。
オーウェンもなかなかに薄幸です。
彼は己の運命を受け入れ、己の使命を果たすことだけを思って生きてきた青年なわけですが、ルークと出会い、彼に恋をし、やっと「人」として生き始めたのだと。獣神ではなく、オーウェンという一人の青年として、彼は初めて自分の足で立ったのだと。

ルークとオーウェンは、ピースがピタリとはまるように、鍵が鍵穴にすっと入るように、まさに唯一無二の存在。出会い、そして少しずつ寄り添っていく姿がムネアツでした。

そこに華を添えるのが奈良さんの挿絵。
美しいです。
ルークもオーウェンも。
獣の姿も、人の姿の時も、彼らの魂の気高さまでも描き切ったイラストで、もう萌えしかない。
どのイラストもズギュンときましたが、個人的に一番素敵だなと思ったのは口絵のイラスト。なんて優しい絵なんだろう。

評価でちょっぴり悩みましたが、奈良さんの挿絵にしてやられてしまったので、ちょっぴりおまけして神評価で。

4

出会ってくれてありがとう!!!

最後までとーーーーーっても良いお話でした。もうオーウェンとルークのお互いへの愛情に泣けて泣けて。

オーウェンがルークと過ごして人間らしい感情や情緒を知っていくところ。
ルークの思惑をお見通しで先手を打つところ。
自分で退路を絶ってルークだけを愛しぬくのを誓うところ。

そしてルークもそんなオーウェンを守ろうとするところ!

お互い願ってしまったんだよね!そばにいるのは自分だ!って。失いたくないって。

オーウェンの独占欲や嫉妬や意地悪口調も萌えの宝庫でした。
いつもはやっとなエッチで攻めが意地悪な言い方をしだすのが興醒めなのに、オーウェンは良い!!だって嫉妬の相手が(笑)

タイトルがタイトルなので最後までどうなるの?そうなの?そうじゃないの?とハラハラでした。

2人が出会ってシェリーやテッドも含め家族愛がみんなを満たし、侍女たちにも変化をもたらして。
耳飾りの秘密も!
みんなみんななんていう奇跡!幸せです!

そしてなんといっても奈良さんの神イラストですよ!細部まで背景まで手を抜かない素晴らしさ。どの場面をイラストをつけるかは指定されてるのかもしれませんが、それでも素晴らしかったです。とくに表紙をめくったカラーイラスト。セリフがないので後で読んでて、ここかぁ!!とわかったとき。

挿し絵で背景はしょって人物だけな作品も多い中、ここまで描いてくださってありがとうございます!

2

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