――まつげ長いだけで、キスしてくれるの?

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表題作不埒なこじらせ ~好きで、好きで、好きで~

武石,刑事
吹雪,No. 1ホスト

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ホストと刑事として再会した吹雪と武石。
淡い想いを抱えたまま二人は保険金殺人の疑いがある女を調べはじめて……。


保険金殺人を疑われている対象を調べるために訪れたホストクラブで、刑事の武石は高校時代の友人である吹雪と再会した。
ナンバーワンである吹雪の下について潜入捜査することになり、かつてより磨きがかかったその色香から武石は目が離せなくなっていく。
一方、吹雪も焦れったい恋心を抱きながら、なんとか武石との距離を詰めようと捜査に協力しようとするが、客の女に連れ去られ前後不覚にされてしまい――!?

作品情報

作品名
不埒なこじらせ ~好きで、好きで、好きで~
著者
バーバラ片桐 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784576210247
4.1

(37)

(20)

萌々

(8)

(5)

中立

(4)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
151
評価数
37
平均
4.1 / 5
神率
54.1%

レビュー投稿数6

No Title

小山田あみ先生の絵につられて手に取ったんです。
バーバラ先生も好きだけど、ちくびが主食(ご本人談w)のエロ中心だよなぁ、と思ってたら!
まんまと裏切られて、まぁなんともどかしくそわそわ、気持ちを必死に隠している受けと無自覚・鈍感な攻めの心理描写が秀逸、先を読まずにはいられないストーリー展開でめっちゃくちゃおもしろかった!
がまんできずに先に挿絵を見てしまい、最後の幸せいっぱいのふたりを目指してイッキ読み。
初回のエッチシーンがとっても細かく書かれてるんだけど、ふたりの積もり積もった気持ちが滲み出てて大変よきでした◎

0

両視点によるモダモダ再会愛

再読。
両視点で綴られるのだけど、この攻め視点が本当に好きだ〜。
というのも、攻めは朴念仁で寡黙なキャラなので、もし攻め視点がなかったら武石は「何を考えてるのかわからない男」で終わってしまったと思う。
でも攻め視点があるおかげで、口には出さないけれど吹雪への「特別な想い」が嫌というほどわかる。

柔道一筋で硬派な高校生だった武石と、ずば抜けた美貌で人目をひく存在だった吹雪。
ある日、理不尽な理由で不良にボコボコにされている吹雪を武石が助けて以来、二人は一緒に行動するようになります。
その美貌ゆえに理不尽な厄介事を引き寄せてしまう吹雪にとって自分は単なるボディガードでしかないと思いつつも、「この顔は宝だから、殴られて損なわれる事は避けねば」と思ってた高校時代の武石。

10年経って、刑事とナンバーワンホストという立場で再会した二人。

捜査の為、武石は見習いホストをする事になり、「まずは女性客を褒めるつもりで俺を褒めてみろ!」と吹雪に指導されて絶句します。
「他にはない、得難い輝き」である吹雪をどう褒めればいいのか……「綺麗」だけじゃ到底足りない…と。
吹雪に見惚れながら「一瞬一瞬切り取って写真に撮り、額縁をつけて飾りたいほどの優雅さと輝き」だのかなり重症なことを思ってるくせに、口には決して出せないんです。
焦れったい(笑)

おまけに、吹雪のキスは1回200万と言われて、客とキスしちゃうのか?!と愕然としつつも、俺の貯金だと何回できる?と考えちゃったりして、ナチュラルにかなり重症。。。。
ただし、朴念仁ゆえに吹雪への思いは本人無自覚なんです。
だからこそ高校時代も、そして再会後もすんなりラブに発展できない。
頼むよ、武石ぃぃ。

そして受けの吹雪視点。
今や1億円プレーヤーのホスト様なのに、今も昔も武石のことが本当に「好きで、好きで、好きで」なところが、いじらしくてかわいい。
刑事である武石の役に立ちたくて、自ら進んで保険金殺人や薬物捜査の協力もするんですね。
とにかく必死で健気なの。

念願叶ってようやく抱いてもらえるんだけど、後悔した様子の武石から「すまない」と言われてしまい……
その後の武石視点を読むと、謝罪の理由も実に武石らしいんだけど……。
マジで頼むよ、武石ぃぃ。

とにかく両視点というのが最高です。
思い合ってるのに、「友達だから」「俺なんか‥‥」というド定番の理由で一歩を踏み出せないモダモダな二人を神の立場から読める。

書影が出た時から絶対に買う!と決めてた麗しさ全開の表紙だけど、中の挿絵も素晴らしいです。
タイトルもツボで、もちろん内容もツボで、神です。

1

これは『王道』というものでは!

だからベテラン作家さんは好きなんですよ。
次にどうなって行くか、大体想像がついちゃうのに楽しませてくれる。
これですよ、これ。
疲れ切った週末、金曜の夜21時から読むのにぴったりです。

典型的な両片思いの2人が高校卒業後会わなくなって、久しぶりに仕事を通じて再開する、事件捜査の刑事と被疑者が入れ込んでいるホストとして……っていう冒頭部分から、もう王道だと思うんですね。
で、事件を(ふたつも)2人で乗り越えるんです。
事件自体はちゃんと書かれるんですよ。
でも、ある意味そんなのどうでもいいの。
何かある度に、
「相手に迷惑をかけちゃいけない」とか、
「本当の気持ちを知られれば友達というポジションすら失う」とか。
ああ、BL読みになってから、これらの科白を何万回読んだことか!

なんと素晴らしいことに、この飽きるくらい読んだシュチュエーションがめっちゃくちゃ面白いのです。
年寄になっちゃった私の保守性がそう思わせているのかもしれないけど、それだけじゃないと思うんですよ。だって「つまらない」と感じる王道もあるんですもん。
これぞエンタメ作家、バーバラさんのお力だと思うんですね。

私、バーバラ片桐さんは『極上のコメディ作家』だと思っているんです(『愛讐の虜』は神が創りたもうたトンチキだと思う)。
今作でも、起きる事件はハードなのに、何故か可笑しみが滲みだしちゃう。
スラップスティックな笑いではなくユーモアっぽい可笑しさなんですけれども。
リアル寄りでカッコいい小山田画伯のイラストが逆バネっぽく働いて、可笑しさを助長している様に感じたんですけど、これはあまりにも斜めな見方ですかね?

2

バーバラ片桐先生らしいエロさとキャラの良さ

刑事×ホスト
高校時代の友人同士
再会モノ

刑事モノではないしサスペンス要素もそこまでありませんが、甘く柔らかい恋愛模様がしっかりと描写されていて大変好みでした。

バーバラ片桐先生安定の長くしっかりとした満足感のあるHシーンと、攻めによる受けのtkb弄り。
怒涛の好き設定に悶えながら読ませて頂きました。

好きだからしたいっていう受けの一途で臆病な様子が可愛かった。
カラー口絵の吹雪が素晴らしい。
アングルが素晴らしく、口でしてるシーンで大変幸せです。

攻め厨なんですが受けの吹雪の言動が可愛くて仕方なかったです…攻めの武石も笑い方とか誠実さがあって好きだったなぁ。
武石の視点もとても良い!
ホストの世界に入ってきて戸惑い、受けのことを変わったなあと思ってしまうその思考回路が可愛らしかったです……見た目がゴツいだけにギャップ萌えですね!
再会して、昔の答え合わせしてるシーンは「再会モノといったらこれが読みたい」の宝庫で素晴らしかった。

バーバラ片桐先生といったらすけべシーンだよな、と思っているのですが、今回二人が交わると仲も進展していく…大変読んでいて微笑ましい部分もあり良かったです。
1シーンでしっかりと心理模様も堪能できる、積極的だけどウブな受けと逞しいカッコいい攻め…二人でする行為にハマっていく受けの描写が見事にキュンときました。

3

可愛い…!

バーバラさんというとシリアス寄りで、ハードな濡れ場のある、そんな作品を書かれるイメージがありましたが、ここ数年は甘々な作品も多く書かれているように思います。

今作品は刑事×ホストということで、もしかしたらシリアス寄り…?と思いつつ手に取りました。

が、うん。
めっちゃ可愛い…!
王道の両片想いのストーリーなのですが、バーバラさんらしいエッセンスが加わって一捻りある、味のある作品でした。




主人公は刑事の武石。
保険金目当てで夫を殺した疑いのある女を調べるうちに、彼女がホストクラブにハマっていることを突き止めた武石。そのホストクラブに捜査に赴くが、そこで彼は高校時代の友人・吹雪に再会し―。

というお話。

高校時代からキラッキラのビジュアルで目を引く容貌をしていた吹雪だったが、その美貌に磨きがかかりますます美人さんになっていて。

対して武石は交番勤務をしていたところを捜査一課にスカウトされたという経歴の持ち主。しかもその理由が、見た目が怖そう、という。

全く反対のビジュアルを持つ二人だが、吹雪のバックアップもあって武石がホストクラブに潜入捜査に入ったことで一気に距離が近づいていく。

これね、武石視点でストーリーが展開していきますが、交互に吹雪視点に切り替わるので二人の感情の機微が分かりやすい。はじめは武石が吹雪に想いを寄せていたのかなー、と思ったんですよ。でも、今作品は吹雪の恋の成就のお話です。

三十路を過ぎた、いい大人の恋。
高校時代から引きずった、忘れられない恋。

甘酸っぱいんです。オッサンなのに。
吹雪という男性のキュートさに、胸をズッキュンと撃ち抜かれました。

好きで、好きで、好きで。
でも、素直になれない。武石は、ノンケさんだから。綺麗な顔で、ホストクラブで頂点を極めた男の、そんな秘めた恋心に萌え滾りました。

で、今作品が面白いのは二人の恋愛のゆくえだけではない、という点。

ホストクラブを舞台に繰り広げられる犯罪を、吹雪が武石のサポートをしつつ解決に導く、というミステリの要素を兼ね備えています。本格的なミステリではないのですが、吹雪が巻き込まれることもあってハラハラしつつどうなってしまうのかページを捲る手が止められませんでした。吹雪が捜査の手助けをする理由も、めっちゃ可愛い。

ストーリー良し、キャラ良し、なのですが、そこに華を添えるのが小山田さんの挿絵。めっちゃ綺麗です。吹雪の匂い立つような色気と、武石の武骨で、けれど誠実なさまがイラスト一つで読者に流れ込んでくるって、これ凄くない?

女性にしか見えない受けさんも多くいらっしゃる中、小山田さんの受けさんてほんと美人さんでありながらしっかり男性に見えるのも良き。ひたすらカッコいいです。

バーバラさんらしいこってりなエロと、グイグイと引き込まれるストーリー展開、そして魅力的なキャラ。どれをとっても素晴らしかった。

文句なく、神評価です。

13

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