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表題作踊る阿呆と腐れ外道 (上)

芳野英一朗
伊月の付き人
千代森伊月
杖つき様と呼ばれる千代森家の養子であり情夫

同時収録作品踊る阿呆と腐れ外道

千代森環
千代森家当主・伊月の養父
千代森伊月
千代森家の養子・環の情夫

同時収録作品踊る阿呆と腐れ外道

医者(モブ)
千代森伊月
杖つき様と呼ばれる千代森家の養子

その他の収録作品

  • 幕が上がった日

あらすじ

時は大正。千代森家の養子である伊月は、
裏では旦那さまの環と夜毎淫らに交わる情夫。
世間から家督目当ての“お寝子さま”と称されようと、
忠実な付き人・芳野に支えられ、
頭と体で千代森家を己のものにしようと強かに生きてきた。
ある日、環が毛嫌いする結城子爵のパーティに招かれるが、
伊月の秘密を知る医者に薬を盛られ快楽地獄に落とされる。
興奮がおさまらず密かに想いを寄せていた芳野に慰めを乞うけれど…


【収録作品】
踊る阿呆と腐れ外道 第壱話~第肆話
幕が上がった日(あの日、私に芽生えたものは…)[描き下ろし]

作品情報

作品名
踊る阿呆と腐れ外道 (上)
著者
あかねソラ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人uno!
発売日
電子発売日
ISBN
9784801971974
4.4

(205)

(140)

萌々

(34)

(20)

中立

(5)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
23
得点
901
評価数
205
平均
4.4 / 5
神率
68.3%

レビュー投稿数23

大正×耽美な世界観が堪らない(;///;)

愛憎浪漫譚。
タイトルのインパクトに反して純愛にやられました。
すっっっっっごい良かった……(;////;)

葬らなければならない恋心。
内に内に秘める心が燻り黒く流れ出す。
歯を食いしばって耐えて耐えて……。
時代背景が重なって昏い昏い影を落とす。

刹那的な時間がとても切なくて、すれ違いが痛々しくて、
めっっっっっっっちゃ萌えました(;////;)泣・泣

4人の男の因果と執着が絡み合って、
でもその中に浮かび上がる純愛が堪らなかった。
そして下巻では非常にやるせない気持ちが募ります。

ちなみに私のイメージと違った点は、
義息を愛人にするなんてキモいおっさんかと思いきや
下巻表紙の長髪男性が父親でビックリしました。
普通に見目麗しい父親なので歪な関係が耽美的な美しさに映りました。

さてさて。

主な登場人物は4人。
・千代森家に拾われ育てられた[伊月]
・千代森家で働き伊月の付き人[芳野]
・千代森家の当主で伊月の養父[環]
・環の旧友で子爵家[結城]

ストーリーはあらすじにもあるように
千代森家に拾われた孤児の伊月は義父・環の情夫をさせられています。
付き人の芳野がいつも傍にいてくれることで唯一の安らぎを得て、
いつか必ず家を乗っ取ろうと強かな一面も見せます。

本当に恋心を寄せる相手は芳野。
口に出来ぬ想いを抱えたまま父親に抱かれる。
芳野に情事の声を聞かれ、事後の姿を見られる。

伊月:「お前にだけは…こんな姿見られたくない…」
と顔を伏せる伊月が切なくてシンドイんです!!!!
(そんでめっちゃ萌えちゃうのよ…腐女の業なのよ…)

伊月視点だと芳野は淡々とお世話しているように見えるんですが、
芳野視点に切り替わると全く違うってのも(鉄板ですが)そそられますね…!
家の主(環)に対して口汚く諫めるのがカッコよきです。

芳野は伊月に惹かれ、あまりの愛らしさに自分を制御出来ない衝動に駆られながら
自分の心を「殺せ、殺せ」と言い聞かせる。

そんな中、肉体的接触をするキッカケが出来るのですね。
もしかしたら通じ合えるかもしれない、
1度でいいから好きな男に抱いて貰いたい、
と伊月は期待をし、芳野も応えようとするんですが…。

それが両片想いのすれ違いを生むのがまぁ~~~~~シンドイ。シンドイ。
芳野に抱いて貰えなくて傷ついてる伊月が痛々しくて、とにかくシンドイ。

ここも少し難しい所でして…。
伊月はずっと子供の頃から父親に抱かれているから、
逆に言えば父親好みに仕上がっている身体なんですね。
でも伊月自身はそれを自覚しておらず芳野を苦しめる。

芳野:「アンタを抱いているのは俺だ!!!」
これはキツかった。。。
伊月を責めたってしょうがない話しだし、
だからといって芳野の嫌さもわかる。。。

好きで好きで求めても傷つけ合って。
好きで好きで求めた結果すれ違って。

2人が拗れてまくってるタイミングで
父親の環が"伊月は俺のモノ"と牽制するのもゾワリ。
上巻では環は何を考えているのかわからなくて時々人形みたいな無感情さが怖かった。
(個人的にラストページはホラーだったわ…)


描き下ろしは7P。
芳野視点の過去回想。
最初は伊月を小馬鹿にするように呼び捨てしてたけれど、
"伊月様にお仕えしよう"と忠誠心が芽生えた瞬間のお話。
些細なことが本当に嬉しかったんだなぁとジンワリ温かくなりました。

12

絡み合う本音と建前

寸分の隙もない美しい作画。
それだけでも十分酔いしれてしまうレベルなのに、緻密な人物描写と繊細な心理描写まで加わってしまったら、卒倒しますよ。
各話で少しずつ変わっていく扉絵にもご注目を。

大正時代。
新しい文化と古いものが入り交じる中、貧富の差が歴然としてある社会で、貧しくも狡猾に逞しく生き延びてきた伊月。
朝から足を轢かれ、厄日だと思っていたその日、金持ちの懐からちょっと失敬しようとしたところを見つかって…。

その出会いから千代森家に連れて来られて躾けられ、次期当主を継ぐべく養子になった伊月。
主人であり養父でもある環は、読み書きも出来なかった薄汚い浮浪児だった伊月をどこに出しても恥ずかしくない少年に育て上げ、裏では「寝子」として慰み者にしています。
好きなように扱ってはいるけれど、環からは伊月に対して何の感情も感じられません。
それこそ気まぐれに拾った猫をその日の気分で可愛がるような感じです。

それに対して世話係の芳野は、自分自身も環に拾われた身。
過去の自分と重なる伊月に情を感じています。
一緒にいる時間も長い分、伊月の強い面も弱い面も知って、その情が違う感情に育っていくのも頷ける状況です。

ひとつの屋敷にいながら、3人それぞれの思惑の違いが交錯している様子が見事に描かれています。
ダンスホールへ赴いたものの、女性からの誘いを引きずる足を理由に断って、芳野に相手をさせる。
その夜に女性と踊る芳野を思い浮かべながら、ひとりで踊る伊月の姿は悲しいまでに美しい。見惚れてしまうような描写の中に、好きな人と踊ることのできない虚しさが滲み出ていて、胸を締め付けられます。

芳野もまた、伊月に対して湧き上がる感情を殺そうとするのですが、その描写が秀逸です。
これはぜひともご自分の目で見ていただきたい!
伊月への想いを殺すことは自分を殺すこと。
そうまでしてもそばにいたいと願う気持ちの強さが痛いほど伝わって来ました。

好きだから抱かれたい。
愛しているから抱いてはいけない。
根底にあるのが同じ気持ちだからこそ、このズレが切ないんです。

環は自分が拾った命に情けはかけないけれど、所有欲はある。
わざと意地悪く、旧知の結城の屋敷で行われるパーティに2人だけで行かせて罠を仕掛けて、2人を試す展開があるのですが、この場面の芳野が…、もう…、読者の心臓を撃ち抜く気かと。
伊月に不埒を働いた相手に容赦なく銃を向ける。
だけど錯乱状態の伊月がどんなに懇願しても、自制するんです。
そのときは伊月の言葉に嫉妬したのかと思って読み進めてしまいましたが、後から理由を知って痺れました。

ああ、まとまらない。

1巻終盤、誤解した伊月のせいですれ違いが起こりますが、それが引き金となって芳野のタガが外れます。
一瞬のしあわせと、そのあとに来るであろう恐ろしいことを予感させる終わり方に、下巻を読まずにはいられません。

自分の幼い頃と伊月が似ていると言った結城の存在も気になるし、伊月の肖像画を描きながら「目が違う…。髪も…」などと呟く環も気になる。

2巻へ行きますよ!

9

余韻が長く感じられる作品

絵がとっても見やすいです、物語も時代があるので世界観がとても素敵なお話でした。
きゅんとできるし、しっかりお話として満足以上の感覚を得ました。
何より登場人物を好きになれますし私は1週間ほどこの作品の余韻がとれませんでした(笑)
登場人物の気持ちも辛いほど伝わってくるので本当に購入して良かったと思います。言葉選びが時代に合った素敵な言葉になっていたりするので絵と文章を見るとこの世界に産まれてみたかったなあとつい考えてしまいました·͜·
儚く綺麗に描かれたお気に入りの作品です

9

壊れてしまうのは、身体か。心か。

うーん。他のサイトで「中二病の様なモノローグ」と書かれていたのですが、確かに。
大正ロマネスク調の主従愛かと期待したんですけれども。それはそうかもしれないけれども。うーん。伊月の痛々しさったら無い。
孤児の伊月は、千代森の美しい主人に拾われ、不自由の無い暮らしを与えられ。美しい従者を与えられる。子供のいない主人はいつか伊月に家督を譲るだろう。伊月はそれくらいの野心は持っている。持っているからこそ主人に抱かれる事も厭わない。
そもそも。何が不満なのか。男に股を開く男娼の様だと自嘲しながら、ただ優しく側に仕えている芳野に抱かれたいと惨めに願っている。
芳野は芳野で、伊月がほんの幼ない頃から側に仕えているのに関わらず、情が移ったのか。この子供を愛している。側で他の男に抱かれているのをただ見つめるしか無い。側に居られるだけで良いと、結構な無理を自分に強いている。
強いて言うならば。全員がドMなのだ。主人は、心までは手に入れたいとも思っていない、伊月を自分のモノにしてはいるが、彼の気持ちは多分結城子爵に叶わぬ恋をしているのだろう。
伊月は脚の悪いふりをして、芳野の気を引く癖が付いてしまった。何もかも見抜いているが、ただ側に居たいと願う芳野。

危うい均衡を破るバイオレンスには驚いた。結城子爵のパーティというのが、また怪しい。千代森の主人は危険だと分かっていて伊月達を行かせたのか。薬を盛られて犯される伊月。芳野は伊月のピンチに全く間に合っておらず、伊月は下衆に好きなようにヤラレまくる。
元ならず者だったという芳野が、怒りに任せて発砲するのも血生臭い。
この事件自体が、金で解決してしまうのも。何もかもがどす黒いのだ。
闇の中で。恋人たちに救いはあるのか。
絵が美しいのだけが、ホッとさせてくれるんだけども。
大きな屋敷の中とはいえ、主人に釘を刺されているのに。芳野が伊月を抱くのにも驚き。
ここは、主人の家ですよ‼︎
主人も美しい男であるのに。伊月が全くと言って良いほど、芳野しか目に入って無いのにも驚き。まぁ、主人が伊月を愛してはいないことを、幼ない伊月は感じていたのでしょうかね。

修正はトーンに細線。細い身体の伊月がヤラレている様子は、誰が相手でもただ痛々しい。
だから抱きたく無いと思っていたという芳野も。大切な筈の伊月に可哀想に『自分は穢れている』と思わせていては、男としてダメ過ぎる。
ダメな男たちだらけの彼等にどうか救済を。次巻へと続く。

8

読まないと人生損

あかねソラ先生の作品は本当に 優しい地獄 が似合う作品です。
環の台詞ひとつひとつが本当に胸を打たれ、特に下巻は涙無しでは読めない作品です。
1番印象に残っている台詞の 「流産だ」 は本当にこれでもかと涙が溢れましたし 妊娠するわけないと頭では理解しているのに中のものを出したくなくて腹痛に耐えようとする環の姿にも涙が溢れます。ただただ環には素直に、幸せになって欲しいという気持ちが強いです。
もっと沢山の方々に本を手に取ってもらい読んで欲しい作品です。
この作品に出会ってから私はソラ先生の地獄で生きてます・・・・・・
環と結城メインのお話の続編も決まってますのでこの機会に 踊る阿呆と腐れ外道 是非呼んで頂きたいです!!

7

この作品が収納されている本棚

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