イラスト入り
不自然ではありません。我々は セックスするべき関係です
面白かったー!表題作はさくっとあっさり風味な短編だけど、ラストのリアム視点で泣かされる。後半の書き下ろしでは、侵略戦争がこんな形で異星人同士を結びつけるのか、と感動した。機械であるリアムの幸せを祈りたくなった。
リアムは恩人のジェフリーを幸せにしようと暴走気味に頑張っていて、ちょっと保護犬を思い出す。一人称が「本機」で、妙な萌えを覚える。表情は変えられないので無表情で、嫉妬深く独占欲強めなところを行動で示してくる。
ジェフリーの動画と画像を全て保存してるらしい。容量は大丈夫なのか。
ジェフリーは口調のせいか、たまに縁側のおじいちゃんっぽい印象になる。が、ピンチになればリアムの名を叫び、二人になればリアムに甘える乙女な面も。後半はやけに卑屈さを出しまくって悩んでいた。
表題作は、無職のジェフリーがスクラップ場で戦闘用アンドロイドを拾い、恋に落ちて体をつなげるまで。戦争が終わって必要とされなくなった者同士の出会いで、なんとなく哀愁が漂う。
くっついた後の二人には、さまざまな問題が。ジェフリーの元妻と子供に関する悩みや、寿命の違い、ジェフリーを狙う当て馬などなど。
この当て馬イーゴとジェフリーの、間接的に交わる過去の話がとても好き。戦闘用アンドロイドについてもやもやしていた点を、イーゴがはっきり言ってくれたのもすっきりできて良かった。
そしてリアムはまたも暴走するかと思われたが、今度はやってしまう前に止められて、話し合えたので一安心。ジェフリー以外の人間とも触れ合い、少しずつ感情を知っていく様子は可愛らしい。
アンドロイドのわがままなんて、どこから生まれるものかよく分からないけど、修理の際にジェフリーがイジった時点で何らかの奇跡が起こったのかな。ってくらいの適当な感じで読むと良いのかも。
幸せな読後感に浸れる作品。
SF系作品。
地球から4光年のプロキシマbに移住しようとした地球人と先住星人との宇宙戦争が終わり、プロキシマはテラⅡとなった。
そして戦闘用アンドロイドと、同時にアンドロイド修理のメカニックは用済みとなった…
…という世界観。
メカニックから失業した40代のジェフリーが、スクラップ場でまだ動くアンドロイドを拾って家に連れ帰り、修理をするところから始まります。
そのアンドロイドは戦闘用なのに家事や料理がとても上手く、ジェフリーはリアムと名付けてそのまま一緒に住み続け…
このリアム。
人間に見えるアンドロイドではなく、もろロボット的な。
からだはスチールかステンレスか強化樹脂か、色も黒か銀か。
そんなリアムは、生真面目で無機質で、でも何故か愛情深い。
家事完璧、お菓子つくりなんかもできちゃって、力持ちで、スパダリなリアム。
…はとっても良かったんですが、ジェフリーがちょっと…
口調が。すっと入ってこない。「僕ぁ(ぼかぁ)」とか「なのぉ?」とか、なんかヘンな感じがしてしまいました。
性格的にもクヨクヨ、イジイジしてる。
リアムはジェフリーの命令を無条件に聞くわけだから、そのジェフリーが揺れまくる所が「誤解とすれ違い」になってジレジレします。
書き下ろしの「機械兵士と愛あるプレゼント」の方では、ジェフリーの職場にプロキシマ星人が入ってきて当て馬になる展開。
ここでも、ジェフリーはイジイジ。
でもリアムがアンドロイドと思えないほど心がアツい!
機械の顔も体もカッコよく見えてきます。
総合「萌」で。
このアンドロイド兵器が作られ使役された背景はサラッと流してます。 機械なので意思がないのはのはわかってますが、人間のエゴで雑に処分されるのは悲しいことです。 特にここに出てくる戦闘用アンドロイドにはなぜか意思があり、いろんな感情を吸収、記憶しているから余計に悲しく思います。 戦争が終われば用がなくなり廃棄処分。それと同時にその機械のメンテをおこなっていた人間もお払い箱。 そんな2人が出合い恋していくお話です。 言葉通りの意味でしか受け取らないピュアなアンドロイドですが相手の行動や感情でいろいろと人間らしくなっていく途中途中でなんか泣けてくるなぁ。 これからも2人でゆっくり成長していってほしいです。 最近昔のアニを見てたのでついついこのストーリーの背景がなんとなく宇宙戦艦ヤマトを思い出したよ。 青白い肌、デスラー総統しか頭に浮かばん(笑)
初読み作家さんでしたが、冒頭から惹き込まれ一気に読了しました。
人物の内面や情景描写が、とても緻密に描かれてました。
やはり人外×人間のSFモノというと哀しく切ないイメージを持っていたのですが、
でもこの物語は前向きというか
終始その隔たりを感じさせない空気感と、すごく純愛で希望が見えてくるような爽やかさがあるんですよね…
甘えたなジェフリーの、フワフワユルユルほだされ具合はクセになります(^.^)
気持ちが通じ合ってからのエチほど素晴らしくて愛おしいものはありません(/ω\)
幸せな気持になれる満足な一冊です!
中立評価ごめんなさい。
まず一番の理由として、受け(40代)の喋り方に引っ掛かってしまいました。
一人称の僕ぁ(ぼかぁ)。
~でさぁ、~なんだろうねぇ、~じゃないよぉ…といった小文字。
表紙のイメージから勝手に、穏やかで年相応に落ち着いた機械整備工なおじさまかな?と思っていたんですけど、読み始めてすぐに、違うわ、こりゃ可愛いおっさんだわ…と少し本を閉じたくなりました。(好みの問題)
この作品一番の見所であろう攻めのアンドロイド。
彼に関して受けは初っ端からやけに人間味を感じてるんですよね。
量産型でも個性があり意思があると思っているのは分かったのですが、傷付いた体で家事をしていることを健気と思ったり、我儘を言わず全ては受けの思うがままということに罪悪感を感じるのも謎です。
だって全てはインプット(?)されたプログラム通りの行動じゃないですか。
アンドロイドとして定められたままに行動していることに心を揺さぶられる受けに、ちっとも共感できずしんどかったです。
何か特別な仕込みがあったなら別ですが…家事スキルだけじゃないですか。
アンドロイドならではな言動はそこそこ楽しめるのですが、戦闘スーツ着た半人間と言われてもしっくりきそうな気がしてしまいました。
ただ可愛いところもたくさんあって。
とんでもない地獄耳なので、名前を呟いたらスリッパとエプロン姿で受けを迎えに来てくれたところは思わず笑ってしまいました。
あまり深く考えずに、珍しい組み合わせ二人の甘さを純粋に楽しみたいという人にはオススメかもしれません。