• 電子書籍【PR】

表題作不慣れな恋のゆくえ

佐竹耀司,26歳,惚れっぽいリーマン
吉岡雅貴,26歳,タチ専のリーマン

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

今度はもう少しかわいい声出してみて

俺、お前のこと大事だし――ゲイバーを舞台にした不器用な男達の恋模様

二丁目にあるゲイバー「ズブロッカ」。タチ専の雅貴は、同じく常連客である耀司にひそかに想いを寄せていた。互いに抱く側ということもあってか飲み友達という関係に落ち着いて久しいある日、耀司がノンケへの片想いを実らせたと報告してくる。今回も長くは続くまいと高をくくるが、耀司の足はバーから遠のいていき、虚しい懸想に囚われる雅貴。しかし、幸せ絶頂なはずの耀司もなぜか浮かない表情でバーに現れ…。

書き下ろし、電子書籍限定配信!

作品情報

作品名
不慣れな恋のゆくえ
著者
小宮山ゆき 
イラスト
斧田藤也 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレードパール文庫
電子発売日
1.2

(4)

(0)

萌々

(0)

(0)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
2
得点
1
評価数
4
平均
1.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

お前がケツを差し出せよ!!!

あらすじにある通り、ゲイバーを舞台にした不器用な男達の恋模様って感じのお話です。

タチ専のゲイである雅貴。
馴染みのゲイバーの常連で友達でもある耀司に、いつしか恋をしてしまったんですね。
しかし、惚れっぽい耀司はいつも惚れた振られたの騒動を巻き起こし、同じ抱く側である自分には望みが無いと飲み友達としての立場に殉ずる日々。
そんな中、耀司からノンケに惚れたと打ち明けられますが、今度はどうも今までと違ってー・・・と言うものです。

えーと、こちらですね、個人的に大好きな設定の宝庫なんですよ。
タチ専×タチ専だったり、友達から恋人へと言う二人の関係だったり。
こう、攻めの好みとは全然違う自分だから・・・的な主人公のほろ苦い片思いだったり。

実際、お話としても、主人公の心情が丁寧に描写されていて共感しちゃいますし、友達だった二人が恋人になると言うその流れがとてもドラマチック。
また、エッチシーンでの会話なんかが、いかにもタチ×タチ+友達同士のものって感じで腐心を刺激してくれちゃうんですよ。
めちゃくちゃ好きなお話なんですよ!
ただ、めちゃくちゃ好きなお話なんだけど、どうにも攻めが受け入れ難い!!

いやな、これ。
攻めである耀司ですが、明るくて裏表が無くて若干惚れっぽいワンコ系と言いますか。
能天気系と言いますか。
実は彼は自分でも自分の気持ちに気付いてないだけなんですよね。
その証拠に、恋人よりただの友達であるはずの雅貴の方にベッタリで、超短いスパンで付き合う別れるを繰り返してたりする。
で、彼がこんな事をやらかしてた理由もちゃんとある。

これね、良く言えば拗らせてただけど、悪く言えばただのアホだからだと思うんですよ。

何だろうな・・・。
彼が今回惚れて付き合う事になったノンケですが、すごくいい青年なんですよ。
見た目はシュッとした色男なんだけど、中身は不器用で真面目みたいな。
個人的には、彼が主人公でもいいぐらい。
そんな彼が耀司に振り回された挙げ句、傷つく事になる。

なんかね、自分で気づいてなかったとは言え、全く関係なくそれどころか本当は彼自身でさえ見てなかったであろう耀司に、このノンケ青年が傷つけられるのがすごくやりきれなくて。
めちゃくちゃいい子なだけに。
耀司が延々とこれまでも同じ事を繰り返してきた事に対しても。
耀司、鈍いでは許されないと思うんですよ。
こいつ、アホだなぁと笑って許せればいいんでしょうけど、アホって事を免罪符にして人の気持ちを踏みにじっていいワケでは無い。
うっすらと違和感に気付いていたなら、尚更。

また彼はですね、自分の気持ちに素直と言えば聞こえがいいですが、単純にワガママだとも思うんですよ。
えーと、今回は二人ともタチな為、ベッドで上下の攻防戦になるんですよね。
で、耀司がほざいたセリフが「俺が好きなら譲ってくれよ」。
そのセリフ、そっくりそのまま返してやりたいわ。
お前がケツを差し出せ!!みたいな。

もうね、読めば読むほど耀司がしょうもないダメ男にしか見えて来ない。
雅貴、何でこんな男が好きなのよ?と。

ちなみにですね、雅貴に対してもちょいモヤモヤする部分があって。
耀司と離れてしまった後、酒に溺れてグダグダになる所とか。
親身になって面倒を見てくれるバーのママに対して、恩を仇で返す所とか。
ガラの悪い男達にワザとバーで暴れされるとか、無いだろ!
切羽詰まってたのは分かるけれども!

これは完全に好みの問題なので、このタイプの攻めを可愛いと思う方も多いと思うのです。
ただ個人的には、どうにも受け入れがたくて。
ストーリー自体は本当に好みなんですけど、攻めのキャラで読後感としてはモヤモヤなんですよね。
申し訳ないです。

8

あたしはこの受けさんが苦手だ

ぴれーね様(勝手に名前を出しちゃってすみません)を「うんうん、そうなのよ」と読ませていただきました。
そうなんです。
私もこのお話の出版社あらすじにある『タチ×タチ』とか『飲み友達という関係に落ち着き』とか『幸せ絶頂なはずの耀司もなぜか浮かない表情でバーに現れ』とかを読んで「いゃぁ~ん、これ、絶対好きなヤツじゃん」と購入したんですね。
それがねー、なんか読んでいる途中でムカムカしてきちゃって。
私が腹を立てたのは、攻めさん耀司ではなく受けさんの雅貴になんですけれども。

耀司の恋人のノンケ青年(環くん)に対する雅貴の態度が嫌なんですよ。
環くんは耀司にぐいぐい押されて、絆されて恋人になることを承諾した人。
で、実は耀司への恋心を自覚している雅貴が、2人が上手く行っていることを知っての上で環に会いたがるんです。
「何故に?」って思いません?
おまけに雅貴は耀司が席を外している時に、挿入を含む性行為に躊躇していることを相談した環を「愛が足りない」的なことを言ってなじるんですよ。
環としては勇気を振り絞って雅貴に聞いたんだと思うんです。
これ、ひどい仕打ちじゃないですか?

2人は女性じゃないんですが、ここの描写がキャットファイト的な書き方に見えちゃいまして、大層いただけないと思ったんですね。
耀司のいない所で耀司の恋人を「お前はいたらない奴だ」と非難するのではなく、耀司が好きでたまらないから、恋人がいたとしても振られるのを覚悟で告白するというなら解るんですけれど。
あまりにも雅貴が潔くないですよ、これじゃあ。

「耀司に腹は立たないのか」って?
……すみません、私の好みのど真ん中タイプは『負け犬』でして。
ええ、つまりダメンズ好きなのですね。
なので、この手のダメさはタイプなのです(笑)。

2

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP