【電子限定おまけ付き】【イラスト付き】
レビュー数と高評価と笠井あゆみ先生の絵にひかれて読みましたが、すっかり寺崎昴先生のファンになりました!
もふもふ好きにはたまらない♡っていう感想では到底足りない、心に染み込むお話でした。
獣人が病気である設定。
ゲイであることで殻に閉じこもっている哲平と獣人である生きにくさを抱える祭。
哲平の家庭教師をする中でお互い惹かれていく。
なかなか気持ちを伝えられない中でプラトニックにじんわり、ゆっくり、ふたりの距離が縮まっていくのがすごく良かったです。
初読み作家様でした。最高に胸に沁みるお話だった…!
あらすじは他の方が丁寧に書いてくださっているので、感想のみを。
胸が痛くなったり悲しくなったり怒りを感じたり、想いを確かめ合った二人に心からおめでとう!!良かったね!と言いたくなったり…もう、めちゃくちゃに心揺さぶられる作品でした。。
笠井あゆみ先生のイラストも本当に素晴らしくて。哲平が初めて笑顔になったシーンの挿絵が特に個人的に「神!」だった。祭じゃなくても恋に落ちるわ。。
病気で獣人姿である自分が、想いに応えてもらえるわけなんてない、とはなから諦めている祭の気持ち。
家庭教師が終わったら哲平と離れてしまう…離れたいけど、離れたくない。誰かと幸せになって欲しいと願うけど、ずっとずっと一人でもいて欲しい。寂しい。
そんな、片想いの切なく矛盾する苦しみや葛藤がもう、刺さって刺さって仕方なかった…
ありのままの自分を好きだ、と本心から100%言い切れる人なんてどんな人でも、いわゆる「普通」の人でもきっと少ないだろうけれど、応えてくれる人に出会えた時、無理なく自然に自分を受け入れることができるようになるんじゃないか、と希望が見出せる、そんなお話でした。
本のタイトルでもあり、レビュータイトルにも書いた「ギフト」に関する、祭の就職先の塾長の言葉もとても良くて、じーんとしました。
物語として心動かされる最高のものだったんですが、獣人の特徴を生かした二人のエッチもね。最高だった…!えっち以外にも、ふさふさ、もふもふも、尻尾ふりふりの獣人特徴を存分に堪能でき、萌えの宝庫だった…と最後に付け加えておきます(*´˘`*)
半額セールだったので電子版で読了。絵師買い。
▶先天性獣化症:架空の病名だと思う。全身獣毛、尾もある。遺伝疾患。
▶ギフテッド(英: gifted):先天的に顕著に高い知性と深い共感的理解、高い倫理観、強い正義感、博愛精神を持っている人々を指す。
★この作品では、意味合いが違う「ギフトを与えられた者」と言う意味。
特設頁 https://bit.ly/3K4FWqt も読んだけど、
題名に二つも、ギフテッド+獣人と「先天性の異常」を題名に含むので、萎えて読む気になれなかった作品。
一読後の感想。
著者の過去作をチェックして感じたのは、「一般的なもの、普通」を逆転したかったのかな。
「愛しのChat Noir」は、Dom/Subユニバース
「獣人王子の花嫁」は、ケモノな絶倫王子の一途な溺愛。
「ヴァンパイア社長は大和撫子をご所望です!」では、吸血鬼。
「トランスバース~完璧なαの抱かれ方~」では、抱かれるα。
・・と、書いてきて、
今作は、「ギフテッド~狼先生は恋をあきらめない~」
「普通」ではないけど、みんなとそれも違うそれも多様性の一つで個性である・・というテーマ。
奇病の為に差別されることにうんざりしている主人公。
家庭教師で担当する教え子は、ゲイばれ+虐めにあい、不登校になった美少年。
ハピエン。
明るいタッチの文調だけど ・・なんだか違和感。
差別と偏見ではなく個性とするなら、差別ありきの奇病設定は、どうなんだろう??
可哀そうを引きずるような「奇病」という設定で、何度も差別を愚痴る主人公。
当たりまえに獣人が登場する世界観にしたほうがすっきりするのじゃないかと思った。
獣人と人のお話かと思って購入したのですが少し違いました。
獣人と人が共存している世界のお話ではなく、
基本的には人ばかりの世界なのですが
『先天性獣化症』という症状で、狼のような姿で生まれてきた祭(攻め)。
そんな祭と、とあることが原因で引きこもりになった哲平との恋のお話。
祭の母の上司の家に家庭教師として働くことになった祭。
その教え子が哲平です。
二人共トラウマや暗い過去を抱えていて、
その中で一生懸命前をみて生きていくお話でした。
(すっごく大雑把な説明になります。)
ゆっくりゆっくり進んでいく二人の恋。
読んでいてもどかしくもありましたが
確実にお互いの心を溶かしていくような甘い恋です。
将来のことを考えると問題はまだあるので、
今後どうなっていくんだろう…続編が読みたいなぁ…と思いました。
祭の家はクリアしてるようなものですが
哲平の家は親が過保護なところがあるので
絶対に賛成はしてもらえないだろうな…と。
そんな問題を乗り越えた先の二人もみたくなりました。
私は初出版のこちらではなく、短編売りだった『トランスバース~完璧なαの抱かれ方~』を先に読みました。どちらの作品にも一本、太い芯が通っていると思ったんですね。それは『自分らしく生きる』っていうテーマなんだろうと思います。
でもね、お話のテイストとして、大きく違う所があるのよ。
こっちのお話の方が、作者の語り口がウキウキしている様な気がするのよね。
いや、お話は『先天性獣化症』という、獣に近い見た目でで生まれた露崎祭くん(彼の場合は狼です)とゲイばれした所為で不登校になった宇野哲平くんが、家庭教師と生徒という立場の中で心を通わせ恋を成就させるまでを書いたもので、間には『マイノリティとして生きることのつらさ』が繰り返し繰り返し出て来るので、決して楽しいばかりの話ではないんです。
キャッキャウフフモードではないんですよ、確実に。
でもね、なんか筆が躍ってるの。
文章に熱があるっていうか、書いていて楽しそうなの。
あとがきを読んで解りましたよ。
寺崎さん、獣人フリークなのですね。
好きで好きでたまらないものを書いた文章は、もうそれだけで読み手に喜びを与えるのだと思います。外見だけではなく内面も、獣人の描写が楽しくてたまらなかったのだろう寺崎さんのことを好きになっちゃいました。