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表題作唇はエゴイスティック 下

カルロ・オルシーニ,世界的ブランド・オルシーニの社長
吉野直純,カルロの秘書

その他の収録作品

  • Giorni felici(描き下ろし)
  • あとがき(描き下ろし)
  • 初期設定ラフ

あらすじ

世界的ブランド・オルシーニの社長、カルロの強引な口説きで秘書になった吉野。これで、美杉カバンも安定し、吉野も安堵を得たかと思った矢先。今度はオルシーニ社内で問題が勃発し……!! そして、カルロと吉野の関係は……!? ついに完結!

作品情報

作品名
唇はエゴイスティック 下
著者
藤河るり 
媒体
漫画(コミック)
出版社
オークラ出版
レーベル
enigma COMICS
発売日
電子発売日
ISBN
9784775529607
4.4

(83)

(46)

萌々

(28)

(8)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
366
評価数
83
平均
4.4 / 5
神率
55.4%

レビュー投稿数10

大人の男の不器用な恋です

イタリアを舞台にした、甘く切なくしっとり読ませる大人の男のラブストーリーです。
上下巻合わせての感想になります。

こちら、8年前に連載を開始されたそうですが、途中で作者さんの闘病、雑誌の休刊を経て、このほどようやく完結。
上下巻同時での発売に至ったそうです。

で、私は元々藤河先生の作品が大好きなんですけど、今回は特に良くて、ひたすら萌えちゃうしうっとりしちゃうしキュンキュンしちゃうしで、最高でした。
もう本当に良すぎる。
そして、イラストが美しすぎる。
ついでにエロも色っぽすぎるー!

初出が8年前って事で、イラスト・作風共に結構雰囲気が違うんですよ。
率直に言うと、その最初の方は若干萌え不足なんですよ。
サラッと読めちゃう感じで。
ただ、尻上がりにどんどん良くなって行きます。
後半では、萌えすぎてゴロゴロ転がっちゃうくらいです。
上巻で止めちゃわずに、絶対下巻まで読んだ方がいいと思う。

で、内容です。
老舗の工房・美杉カバンの優秀な営業である直純。
売れ行き低迷に悩む彼は、世界的ブランド・オルシーニとの提携を目指して企画を持ち込むんですね。
そんな直純の姿に目をつけたのが、オルシーニの若きCEOであるカルロ。
美杉カバンへの融資を条件に、直純を自身の専属秘書へと就任させますがー・・・と言うものです。

こちら、カルロが自信家で華やかなまさにイタリア男。
直純が、生真面目で不器用なメガネ美人でしょうか。

カルロですが、仕事を精力的にこなす傍ら、女性との奔放な付き合いって感じで、何だろう。
こう、人生を謳歌してる感じなんですよね。
更に、わりと傲慢な所もあって、欲しいものは手段を選ばず手に入れるみたいな。

で、そんなカルロとは正反対の直純。
真面目で情にあつくて、でもどこか無防備で純粋な所もあってと、こう、一生懸命な所が庇護欲を誘う。

基本的には、社長であるカルロと秘書の直純。
職場での仕事描写を通して、二人の距離が縮んで行く様が語られって感じなんですね。
藤河先生と言うと、豊かな表情でキャラの心情を表現するのがお上手なんですけど、今回も、互いに無いものに惹かれて合って行く二人の姿と言うのが、とても自然に描かれています。
何気ない日常の触れ合いで、相手を男として意識してしまうー。
そんな主人公の戸惑い、気持ちの揺れなんかがとても丁寧に綴られていて。
しつこいけど、ホント表情で語らせる~。
って感じで。

で、こちら、ハーレクインBLを目指されたそうで、カルロがCEOを追い落とされそうになったり、日本人である直純が侮蔑の目を向けられたりと、ドラマチックで波乱の出来事なんかが訪れます。
愛し合いながらもスレ違う二人と、切なくも萌えさせてくれるんですよね。

実は私が一番萌えた所ですが、カルロの心情の変化なんですよ。
繰り返しになりますが、カルロと言う男はわりと傲慢な部分があった。
直純に対しても、美しい彼に興味をそそられたから。
ただ単純に欲しいと思ったから、多少強引に手に入れた。
それが、彼と共に過ごして色々な表情を知るうちに、どんどん本気になってしまう。
そう、本当の愛を知らなかった男が、受けと出会って初めて「愛する」と言う感情を知る。
でも彼は、その傲慢さ故に直純を深く傷付ける行動をとってしまうんですよね。

何だろうな・・・。
自信満々で強気そのものだったカルロが、直純に去られた事で、見る影も無くうちひしがられる。
すごく情けなくて格好わるいんですけど、こう、必死に過ちを謝罪し、許しをこう姿に、ものすごく高揚しちゃうんですよね。
ちょい攻めザマァの気持ちが味わえて。
何でこう、完璧な男の情けない姿ってのは萌えるのかと。
受けだけが、ヤツをそんな風に出来るって事に興奮するんですかね?
いや、自分でも何故なのかよく分からんけど。
まぁとりあえず、切ないけどすごくドラマチックでうっとりしちゃうんですよ。

ちなみに、上巻はほぼエロ無し。
しかし下巻はひたすらエロエロ。
藤河先生のエロシーン、ものすごくエロいし色っぽいのに、下品にはならない所が好きなんですよ。
くっ、互いに溺れるように抱き合う二人の姿に、もうめちゃくちゃ萌えまくりだよ。
これは大人の男同士でしか、出せない色気ですよねぇ。

と、そんな感じで、甘くて切ない大人の男の恋。
めちゃくちゃ良かったですよー!

19

エゴイストが本気の恋をする時

欲しいものは必ず手に入れてきた帝王然なイタリア老舗ブランドの若社長カルロ(攻)と、カルロの用意周到な手管で専属秘書にされてしまった日本の小さなカバンメーカーの営業の吉野直純(受)の、本気の恋を探すロマンチックでドラマチックなラブストーリーです。ちなみにこちらは上下巻の下巻になるので、まずは上巻を読了ください。
ネタバレ込みで感想を書いていこうかと思います。

下巻、読みました。ストーリーが面白かったですね。もうクライマックスが劇的で見ごたえがありました。

カルロが叔父から社長の椅子を守るために結果的に吉野を失い、自棄からの失態に気づいてからの後悔からのラストの告白までに行きつくまでの心情の変化がすごく面白かったです。

吉野もまた、始めはどうあれ、徐々に心を寄せ、己の想いを認め、カルロのことを公私ともに支えたいと思い、窮地を救うため粉骨砕身した挙句にカルロ本人に出し抜かれてしまって。プライドも何もかも傷ついたのが手に取るようにわかってしまったので、そこに全く気が付かずにご機嫌に宝石を眺めているカルロを歯痒く思ってしまいましたね。案の定、吉野に去られて呆然自失になるわけですが…。

私的にはハイスぺだけど傲慢なカルロがきちんと挫折して、省みて、吉野を思いやりきちんと立ち直る流れがすごく好きでした。
あと、要所要所でキスをする場面があるのですが、それぞれにいろんな感情が乗っていて、特にクライマックスでの想いの溢れたキスはたまらなかったですね。まさに「唇は正直」なのかもしれない、と思いました。

慢心していたら見失い、失くして初めて大切だと気づく物だったり。
なりふり構わず逃げてそれでもなお捨てられず、いざ本当に無くしたと思った瞬間に失いたくないと気づく物だったり。

本気の恋に出会った二人のお話、とても素敵でした。

2

最高…!

下巻は切なくて甘い内容になっていました。

下巻では仕事関係で吉野がカルロの地位を守る為にすごく頑張るんです。
でも、そんな吉野の頑張るも報われないまま株主総会を迎えてしまいます。
心配する吉野だったのですが、カルロは吉野にも秘密にしながらとあることを進めていて結果として難を切り抜けます。
でも、吉野は何も知らされていなかったので深く傷つきます。
そして吉野は雇用契約を延長せずに帰国します。

その後の吉野がすごく見ていて辛かったし
カルロも荒れててあぁ…と思いました。
まぁ、カルロに関しては自業自得なのですが…。
吉野がともかく可哀想でした。
あんなに頑張ってたのに…。

最後はちゃんとハッピーエンドになります。
すれ違った二人からハッピーエンドになるまでのお話が
私はすごく好きで出来ればネタバレ無しで読んでいただきたいので
あえてそこは触れずにいようと思います。

傲慢だったカルロがあんなに変わるなんて…(*´▽`*)
これから吉野は溺愛されながら生きていってほしいです。

0

唇はエゴイスティック下

上巻からそのまま読むと、ハーレクイン感増します

とにかく、ストーリーが大きくてザ・ラブストーリーという感じ

攻めが仕事一筋、受けも仕事が大切
そんな二人のズレが胸に刺さります
攻めの攻撃はイタリアンだから許されることかなあ

そういうところも含めてキャラクターの設定が良かったです
これから二人はイチャイチャし放題なんだろうと思うととにかく甘々、それが似合う二人でとても良かったです

JJも気になるキャラでした
彼のお話はそのうち読めたりするのかなぁ

10

めっちゃ切ない

カルロが吉野に夢中になって行くのに比例して、2人の仲は甘々でセックスシーンがとてもエッチです。修正甘くない?ってちょっと心配になりました。

下巻ではカルロの地位を脅かす最大の危機が迫るんですが、吉野は秘書として凄く頑張るんです。それは経営者としての情熱と考えを尊敬して、彼を愛しているから何とか力になりたいと思ってるからなんです。

そして何の成果もないままに取締役会を迎えるんです。心配する吉野でしたがカルロは秘密裏に切り札を用意していて、逆転劇で見事ピンチを切り抜けるんです。
でも何も知らされて無かった吉野は無力感を味わって傷付くんですよ。

そしてカルロはそれが理解出来てないんです。吉野は雇用契約を延長せずに帰国します。

帰国してからの仕事を頑張る吉野がめちゃくちゃ切ないです。それから吉野に去られたカルロもめっちゃ切なかったです。
吉野を秘書にした時は強引だったのに、再び失うのが怖いからゆっくりと距離を詰めて来て、吉野に愛を乞うんです。
あの強引な男が愛を乞いに日本にやって来るんですよ。

本気の恋を知らなかった2人がお互いを愛するようになって、ゆっくり変わって行く様子が上下巻を通してじっくり描かれていました。

下巻の3話辺りから絵が変化したように感じましたが、その辺りがあとがきで触れていた事情の期間だったのかなと想像しました。

元気になって素敵な作品を届けて下さりありがとうございました。泣

5

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