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攻に必須の×××がない――!?
ワンコなスズメ×美人ヘビのCP。
動物の異種間になると、捕食者・被捕食者は比較的BLでよく見るCPですが、こちらはまたもう一問題あって、ほほぅ…なりました。
タイトルも「スズヘビ求愛論」となんだか可愛いし、
表紙からは美しい自然と柔らかく温かな空気感が伝わってきてるのに、
電子のあらすじが「攻めに必須の×××がない……!?」から始まっているので、一体どういうテイストの作品なんだと読む前から迷子の気分。笑
全体的にほのぼの温かいテイストで、スズメとヘビの2人の関係も仲良くなっていく過程や好きに気づくまで、成就してからとじっくり楽しむことができました。
自分にない性器を悪気無くモミモミしたり、欲しいと言ったり、交尾したり…恋愛感情ありきの行為で描かれていますが、動物の本能ゆえという点もあり、趣深かったです。
人間に変化(?)できる動物のお話。
絵柄もキャラクターも可愛かったです。
しかしストーリーや世界観にはモヤりました。
肉食と草食の異種族ものとしては王道のテーマを持つストーリーだと思います。
しかしこの作品の動物たちは皆人間の姿があり完全に意思の疎通がとれる者同士なので、完全に異種族とは思えませんでした。
そのせいで普通の捕食者と被食者の話には違和感がありました。
そしてエロ要素。蛇の陰茎うんぬんは白抜きで何も見えませんでした(シーモア)。
ほんわか可愛い雰囲気だったのでエロは無い方が良かったかもしれません。
お転婆(男)なすずめと、しっとりしたヘビ(男)の恋。
最初は捕食者であるヘビを恐れいているすずめですが、生あるものを食らうことに罪の意識を持ち、食を控え、1つの命を頂くたびに1つ種を蒔く庭を作っているヘビ。
動物ものだと割とあるテーマかもしれません。自然界では当たり前に行われている肉食ですが、友情や愛情関係が入ってくると、この捕食の問題をどう解決するか避けては通れない道かなと思います。
生物としてはそうでも、個体同士では違った関係があり得る、というのだったら分かるのですが、ヘビさんがあまりにも自己否定的なのでちょっと現実感が乏しかったです。
カップル自体は可愛らしく、生態を押さえたHも⚪︎なだけに、ストイックすぎるヘビさんの部分が引っかかってしまいました。
異種間、捕食する側とされる側という攻め受けは珍しくはありませんが、ヘビとスズメという組み合わせで、尚且つ強者であるヘビの方が受けというのは斬新でした。表面的な見た目だけでなく、生殖器についてもヘビとスズメそれぞれの特徴をそのまま当てはめている所も面白かったですね。攻めとはいっても被捕食者であるコマヅは白什以外の捕食者の前ではびくびくしがちで、何とも可愛げのある攻めでした。ヘビでありながら食べられる者のために涙を流し花を植える優しい心の持ち主白什は、ファンタジーでしかないキャラクターですが、その表情に思わず同情したくなる魅力的な受けでした。
