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異世界の王に愛の花はほころぶ

isekai no ou ni ai noahana wa hkorobu

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表題作異世界の王に愛の花はほころぶ

オズターク,魔法の国ユナ=セラの国王
リュシアン・ベルナール,18歳,施設育ちの手品師

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

手品師として世界中を旅していた青年リュリュ。ある日、友人に裏切られ失意のなか丘にいると、突然不思議な手に引きずり込まれて異世界に召喚されてしまう!! そこは山羊の角を持つ黒髪碧眼の王・オズタークが統べる魔法の国ユナ=セラ。その日は繁殖期に入った王が、異界から花嫁を呼び子孫を残す大事な儀式の日だったのだ。花嫁としてオズタークに熱烈に歓迎されるも儀式は失敗。言葉も通じず、リュリュは城の客間で一人途方にくれる。そこへ突然、光につつまれた子猫が現れ、「繁殖期間中に子孫を残せなかった王は、やがて世界から消滅する」という事実を聞かされて…!?

作品情報

作品名
異世界の王に愛の花はほころぶ
著者
鏡コノエ 
イラスト
カズアキ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
電子発売日
ISBN
9784344848634
2.6

(8)

(0)

萌々

(1)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
18
評価数
8
平均
2.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

キャラ良し、バックボーン良し、でももう一捻り欲しい。

作家買い。
しかも挿絵がカズアキさん。ということで発売を楽しみに待っていました。





とある人物が、異世界から伴侶を呼び出すシーンから物語はスタートします。

この作品はかつて王が魔法で作った国・ユナ=セナが舞台。
以来、ユナ=セナというこの国と同じ名を持つ花に、代々の王が伴侶と共に祈ることで花が結実し、その実が子となる。そうやって成した子が次期国王になるのだ。

ユナ=セナの現国王となった若き王・オズタークは、ともに子を成してくれる彼の伴侶を召喚すべく祈りをささげるが、彼のもとにやってきたのは一人の男の子。普通なら王の魔力によって召喚された伴侶は王を自動的に受け入れるはず。

だった。
が、彼のもとに召喚された男の子と言葉は通じず、さらに拒否されて―。

というお話。

出だしこそオズタークの視点で物語は始まりますが、ストーリー自体は召喚された男の子・リュシアン視点で進みます。

リュシアンという男の子はめちゃめちゃ薄幸少年です。
両親がなく、施設で育ち、マジシャンとして働こうとするも、とある人物に手酷い裏切りを受けショックを受けていた。リュシアン(作中、彼はリュリュという愛称で呼ばれています)がオズタークによって異世界にトリップさせられたとき、まさにそんな傷心の最中にいます。

言葉も通じず、意味も分からず、リュリュは召喚されてしまうわけですが、一方のオズタークの方も困ったことになっちゃうんですね。なぜなら、召喚させた時点で、王の魔力によってその召喚した人物は言葉も話せ、王にすぐに夢中になる、はずだからなのです。これが、舞台が魔法の国だから、というちょい力業でのストーリー展開なのですが、その設定を読者もまた、素直に受け入れてしまう文才が、鏡さんならではか。

リュリュはオズタークを受け入れるのか。
二人で花に実をつけることができるのか。
二人の間に恋愛感情は育っていくのか―。

その辺りを軸に物語は進んでいきますが、さらにもう一人(というか、もう一匹といった方が正解か?)のキャラが登場します。

リュリュのもとに現れた一匹の子猫。
この子猫ちゃんが、この世界に馴染みがなく無知なリュリュの指南役として様々な状況下でサポートしてくれます。「ルーカス」と名乗る猫が、いったいどんな存在なのか。その謎解きも兼ねつつ進むストーリーです。

が、うーん。
なんて言うんだろうな。すごくご都合主義的な感じがするっていえばいいのか。

基本的に「魔法」で何でも解決しちゃうんですよね。
リュリュは人間の世界にいたときにマジシャンとして生きていましたが、その設定も上手に生きてはいるんです。魔法国であるユナ=セナと、そこにやってきたマジシャンのリュリュ。が、物語が非常にスルスルと進んでしまうためにちょっとしたあざとさも感じてしまう。

リュリュは人間の世界にいたときに過酷な環境に身を置いていますが、ユナ=セナの人たちはみんな優しい。「こういう風にストーリーが展開していくんだろうな」という予想をそのままなぞる、そんな展開でもあって、今一つ心に突き刺さるものがない。個人的にはもう一捻り、二転三転、するお話が好きということもあって、今一つ萌えきれなかったのが残念。

が、反対に言うと、痛い展開にはならないんですね。終始ほのぼのっていうか。なので薄幸少年だったリュリュが、自分の意志とは無関係に召喚されてしまったけれど、その地で幸せになりました、というおとぎ話的な雰囲気を兼ねていて、甘くて優しいストーリーが読みたいときにはぴったりな作品かと思います。

何よりオズタークのスパダリ感が半端ない…!
彼はユナ=セナに実がつかないと困ったことになる宿命を背負っていますが、実を成すことだけに終始していない。彼のすべてはリュリュのためにある。召喚して初めて出会った二人なので、なぜそこまで執着するのかわかりませんが、オズタークの優しさとか、思いやりとか、文句なしのカッコよさです。

あ、あともう一点。
この国ではユナ=セナが結実して、その実が子になる、ということで、子を成すための性行為は不要なのです。不要なので、攻めさんのとある部分も、これまた不要。

これ、笑うシーンではないのですが、設定が斬新で笑いました。ああ、なるほどねえ…、みたいな感じ。

設定も良いし、キャラも良し。
痛い展開になることもなく彼らの周りの人たちも皆さん優しく温かい。

めちゃめちゃ良いんですけれど、もう一捻り欲しかった!
ということで☆3つで。

3

貴方だからこそ

今回はユナ=セラ国王と異世界のマジシャンのお話です。

攻様の繁殖期に召喚された受様が儀式を成功させるまで。

攻様はユナ=セナ王国の若き王です。

ユナ=セナ国王は城の地下にある池浮かぶ小島に咲く
国に同じ名をもつ王花から生まれます。

王花は世界であり、世界が王を生み出すがゆえに
王はこの世界で父祖意外に同じ生命体を持たず
召喚の儀式にて生涯を共にする伴侶を得ます。

攻様がこの召喚の儀で招いた相手は
プラチナの髪に白皙の容貌に緑の瞳を持つ青年で
彼が今回の受様になります♪

大柄な攻様が抱き留めた受様の躰は軽くしなやかで
少しでも力を入れたら壊してしまいそうでした。

召喚の儀で招かれる伴侶はこの世界に招かれた瞬間、
愛の魔法にかかり王と共に王花を結実させて
次代の王を生み出すのですが

攻様を認めた受様はみるみる青ざめ
攻様には通じない言葉と小さな手で拒絶します。
そんな受様が攻様に協力的なはずもなく
王花を結実させる事は出来ませんでした。

受様は本当に攻様の伴侶なのか!?
そして次代の王を授かることができるのか!?

生涯一度の繁殖期に伴侶を求めた攻様と
攻様の相手として召喚された受様による
異世界トリップファンタジーになります♪

受様は孤児院育ちのマジシャンでしたが
長年書き留めたトリックノートを盗んだ男が
受様のトリックで人気を博す姿を見てしまい
失意のどん底にいました。

大声で泣くために向かった町外れの丘で
弱弱しい呻き声を上げると余計に悲しくなりますが

目の前に広がる星の1つになりたいと
空へと手を伸ばした瞬間、
指先に触れた何かにいきなり手を掴まれます。

それこそが召還の儀の攻様でしたが
受様には何が何だかわからず
自分を引き寄せた攻様を拒むりですが

地下から連れ出された受様が連れて行かれたのは
眼に眩しいほどのきらびやかな部屋であり
そこで受様は1匹の白い猫と出会い
心を通じ合わせます。

白猫はこの世界のことに詳しく
受様が攻様の伴侶として召喚された事から
結実に失敗したら攻様が死んでしまう事まで
教えられるのです。

王花が咲いている7日間の間なら
何度でも儀式に望めるとは言いますが
最初に失敗した受様には不安しかありません。

2人の残された時間はたったの7日間であり
7日の間に2人は少しづつ心を通わせていく展開は
王道な規定路線で

受様を大切に思う攻様とのすれ違い、
臣下達による媚薬投与の意味、
受様に懐く白猫の正体なども
読者には先の展開が透けて見えます。

それを安心して読めて良しと思うか、
捻りがなくて物足りないと思うかは
読みて次第で微妙なところですが

王は絶対の存在で、7日という期限付きなので
アッというドンデン返しが起こる事もなく

攻様がひたすら受様を大切にして
受様もそんな攻様を徐々に受け入れていく過程を
安心してドキドキできるストーリーではありました。

不憫受が優しい伴侶に見いだされて幸せになるお話は
好きなので「萌」評価といたします (^-^)v

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