学院の帝王

gakuin no teiou

学院の帝王
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×26
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
41
評価数
11
平均
3.8 / 5
神率
18.2%
著者
花川戸菖蒲 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
高峰顕 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784576211022

あらすじ

薫を守るために、俺は王になったんだ

幼馴染の直紀を頼り超エリート校に編入したオメガの薫。
だが、優しく優秀な彼は学院生の畏怖の対象で…!?

オメガの薫は、授業中にヒートを起こしたことで居場所のない中学生活を送っていた。
救いの手を差し伸べたのは中高一貫の名門校に進学した幼馴染の直紀だった。
「薫、慧総に来い」力強い言葉を頼りに編入を決めた薫。
隔絶された学園コミュニティの中、片時も離れない直紀をくすぐったく思う一方、薫は他の生徒が直紀を王と呼び畏怖の念を抱いていると知る。
その違和感を正せないまま、恐れていたヒートが再び起こり…。
溺愛学園オメガバース!

表題作学院の帝王

月隠直紀,高校1年生,15歳~
甘利薫,高校1年生,15歳~

その他の収録作品

  • あとがきに代えて(編集部)

レビュー投稿数4

はなちゃん先生

本作、発売延期が何度かありましたね。
どうしたのかなと気になっていました。

花川戸先生の作品は、文章のどこか、セリフのどこかに、優しさが隠れていると思うのです。あとがきなどにも。
後発ファンの私は全ての作品を読めていないのだけど、手に取った作品らにそれを見つけると、感動のシーンやセリフってわけでも無いのに、涙が出る。
心に触れるってこういう事なんだろうなーと思う。優しいんだ、本当。

お話について(直紀×薫)
作品トーンとしては、一冊まるごとどこをとっても甘かった!に尽きると思います。
中盤から少しのすれ違いが重なり、終盤にかけては当て馬に掻き回されもしたのですが…その時ですら甘かったように思うので、もう、どんだけ甘いんだ!ってね。

ストーリーは、中高一貫校の寮もの。そしてオメガバ。
中高一貫校の寮ものと言っても、独自性が強く、現実感は薄めかな。学校の敷地内にはコンビニや教師の居住エリアがあったり…と、ひとつのコミュニティのようになっている。
作中の直紀のセリフ「ここは六年間だけ過ごす幻想の世界だ。現実世界から切り離されてる」を、まさに具現化した感じ。
その設定が、一般的な学生ものとは違ったミステリアスさを出していると思う。
幼馴染であり親友である直紀と薫。
中学で一度は違う進路を選択したものの、薫が直紀の在学する中高一貫校へと編入するところから物語は始まります。
お互いに性格はもちろん、食の好みから使っているハンカチの種類まで(マニアック笑)把握している仲なのに、学園内での直紀は薫が知る直紀とはどこかが違う。
また、直紀は他の生徒から王と言われており…と続きます。
あっまあまの作品トーンに対して、学園内での直紀に感じる違和感や王と言われる謎も気になりまして、ワクワクで読み進めました!!

私、溺愛・執着が大好きなんですが、直紀の執着具合は湿っぽいというか、一歩間違うと狂気というか(°▽°)
時々、薫ー!逃げてー!と思いながらもとても楽しめました♡

オメガバ作品としては、オメガに対する偏見が厳然とある社会で、オメガを「雌」と言う表現があったり、何かと辛い面もあるにはある。
無理矢理描写などは無いのでその辺は安心してお読みいただけるかと思います。

思いが通じてからのふたりの言葉には、好き好き、大好きとストレートな愛が溢れ、それをかわいいととるか、小っ恥ずかしいととるかは人により異なる気が。私には、あまりにも眩しく感じられ目も開けていられないほどでした(^◇^;)照れる。

直紀の全ては薫がいるからこそ成り立っている。人生の全てが薫のためにある。
あんなに誰かを思い、尽くし、自分の全てを捧げられる。そんな執着であって溺愛の物語ぜひ楽しんで下さい。

最後に少しだけ。
本当はこのお話には、プロット段階でまだ続きがあったそうです。
ふたりの変わらずな甘い甘い続きが。
それを読むことが叶わないのは言葉にできない思いがあるのですが…

はなちゃん先生!楽しく、優しい作品をたくさんありがとうございました!

5

花川戸先生の初めてのオメガバ

新刊を予約する際に何となくあらすじに惹かれてこちらの作品を購入しました。

花川戸菖蒲先生の作品は「天使」シリーズや「ビスクドール」シリーズを読んで以来、久しぶりでした。
そして本が届いて何気なく帯を見て驚愕してしまいました。泣
まさかと思い検索もしました。
長年BL作品を読んでいると作家様の訃報を知る事も多くなり、今回も偶然ではありますが花川戸先生の遺作を手にする事になりました。

「あとがきに代えて」を読むとプロットにはまだ続きがあったようですが、後半部分に文字修正が編集部の判断で入ったとはいえとても完成度が高くて、先生が私たち読者に届けるために必死で書いてくれた事を思うと感謝でいっぱいになりました。


こちらは花川戸先生が初めて書かれたオメガバ作品でした。オメガバは自由度がありますが花井戸先生らしい表現も設定も沢山見受けられます。

こちらの作品の中ではオメガはまだまだ世間一般では差別や偏見を抱かれる存在のようでした。それも幼稚園から大学までエスカレーター式の一貫校という狭い世界での差別は、中学生だった薫に孤独を植え付けるのです。

そんな時に薫が求めてしまうのは幼馴染で、中学から違う全寮制の中高一貫校に進学した直紀でした。親友でライバルだった事が薫の誇りでもあったんです。
薫は直紀の薦めで高校から直紀のいる学院に編入します。

私は直紀の「薫の守るため」という言葉に、全寮制の方が危険では?と不思議に思いながら読みました。

ここに「学院の帝王」となった直紀の秘密があるのです。こちらの学院も狭い世界には違いないのですが、その背景を知るにつけ世界感の大きさにとても驚きました。
また直紀が薫を大事にする余りに、薫が思い悩んですれ違いが起こります。読者には直紀の気持ちは手に取るように分かるのですが、薫だけがオメガという事に囚われているんです。 
この辺りが花井戸先生らしいと思いました。

私は直紀が薫を守るために、ずっと頑張って来たんだと思うとその気持ちに萌えました。薫の天然で善良な王子振りも愛すべきもので、花井戸先生らしい良さだと思いました。

もっともっとこの作品のその後を読んでみたいと思ったのも確かです。泣
先生、素敵な作品ありがとうございました。

それからこちらの作品には出版社ペーパーがあります。先生が事前に書いていたのかとても気になりました。

1

今までになく切ない帯でした

追悼・花川戸菖蒲先生という文字と
「……幸せな夢を見た」という薄墨色の本文抜粋のセリフ。

先生の死を悼む現実と、甘いBLの世界で呟かれる夢という言葉の組み合わせは、対極なのにしっかりと調和していて、目にした瞬間にいつもの書店の空気がきゅっと厳かに感じられました。

裏帯にはこれまでのシャレード文庫での作品名がびっしり記載されていて、ますます想いを馳せざるを得ません。

今回に限ってはジャンルや設定、あらすじの好みからではなく、花川戸先生の最後の作品という理由から読ませてもらいました。

内容はタイトルからわかる通りのオメガバースもの+裏権力系プチサスペンス。

攻の直紀と受の薫は名門私立幼稚園からの同級生で幼馴染同士。
いつも一緒にいた二人だが、直紀は自らの希望で中等部へのエスカレーター進学をせず、薫とは別の全寮制中高一貫校「慧総学院」に入学した。
一方、薫は中学に上がると同時にオメガであることが発覚し、不運なヒート事件をきっかけに学校での居場所をなくしていた。
心配した直紀の声かけで薫は高校から慧総学院に編入することに。
密かに想いを寄せていた直紀との全寮制の学園生活に期待と不安が入り混じる薫。
3年ぶりに一緒に過ごす直紀は、片時も薫の元を離れようとせず過保護な一面を見せる一方、影では学院の帝王として生徒や学校を意のままのしている素振りがあった。
直紀の様子に違和感を持ちながら過ごしていた薫にある日ヒートが襲い掛かる。
やむを得ず直紀と一緒に避難した個室で、理性を失った薫は必死で耐えている直紀を誘惑してしまい……?

ラブストーリに関しては既存のオメガバース作品に近く、ヒートを鍵として関係性の展開が訪れるいつもの仕様ですので、一般的なオメガバース知識さえあればスラスラ読み進められると思います。

一方、もう一つの本筋でもある「直紀が学院の王である」という謎。
本来中高一貫校のただの4年生である直紀が、最高学年の6年生や学校長にまでも意見を通す権力を持っている違和感。
背景にチラつく「俺はお前らの将来を潰すことができる」という脅しのメッセージ。

こちらに関しては花川戸先生らしい力強く個性的な設定と展開で中々読み応えがありました。
医者、弁護士、ヤクザ、政治家、社長、芸能人と様々なBLジョブがある中、将来の職業:黒幕って多分初めて読んだな……。
その重い職業選択を中学時代から背負う闇の深さと、でもそれは結局薫のためというBL的一貫性が良かったですね。
しかし、どうでも良い他人には堂々と権力を利用して付き合えるのに、格好つけたいばかりに大好きな薫には裏事情の説明も、好きだという告白もきちんとできていなかったため2回目のヒートでは薫に拒絶されてしまった直紀くん。
強めの攻様が狼狽える姿は王道に盛り上がり、ツボでした。

そうして最後に全てを伝え合って、結ばれて。
朗らかな日常を過ごして――
しかし作品はラストシーン不在のまま終了します。

先生に代わって編集部が作成したあとがきに、その理由が記されています。
素敵な物語の世界から、これが遺稿だったという現実に戻されてもう一度切なくなりました。

全てを含め、胸がいっぱいになる1冊かもしれません。

最後までBLを書き続けてくれた花川戸先生、書籍化してくれた出版社様・関係者様、本当にありがとうございました。

2

帝王

高峰先生の挿絵を見たくて待ち続けていたら、花川戸先生の遺作になってしまいました。ツライ。お話としてはとろとろ系オメガバなので、オメガバ好きな方には良いのかも。私は高校生にもオメガバにもあんまり興味ない方なので、本当に申し訳ないですが、中立にしました。本編ページ。あとがきもない。涙。

幼稚舎から、仲良しだった直紀と薫。ずっと一緒と思っていましたが攻めは中学から別の学校に進学してしまいます。オメガというバースに覚醒した後、学校に居づらくなって攻めの進学先に高校から編入することになり…と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
飛鳥(攻めスキスキ♂)、吾田、ソノさん等学院の同級生、後輩、先輩などなど。

++攻め受けについて

攻めは何考えてんだがさっぱり不明だけど、受けの事を大事に思っている超過保護帝王系イケメン。受けを一生懸命守るんでカッコいいんだろうなあとは思うものの、キュンとくる瞬間がなくて惚れられませんでした。

受けは天然天使系王子。性善説しかないと微塵も疑ってない印象でした。いい人なんだけど、攻め同様、何か「おお!」と思う場面がなくて萌えられず。
ヒートでとろとろになるシーンはあるので、オメガバのとろとろ大好きな方にはたまんないのかも。最後の最後に結局は受けが攻めを支配してんだよという印象はあったものの、その線で行くなら受けがもっと神がかった王子であってほしかったと思いました。

きっと納得するまで見直しをして本を出したかったのではと本当に残念でなりません。今までありがとうございました。先生の最後のご本、とろとろ好きな方でしたら、一度チェックいただければと思います。

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