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表題作視線の刻印~恋に堕とされて~

化粧品会社研究開発部/バリタチ 樫原暁・28歳
営業部/草食系のタチ 巡草介・26歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

化粧品会社のエリート営業・草介は、社食で一目惚れしたイケメンを眺めるのが癒しの自称「タチ」。ある日、「いつも俺のことを見ているでしょう」と声をかけられ!? その研究開発部のイケメン樫原と、お付き合いのような関係が始まる。真面目な印象の梶原は気もきいて、時々意地悪な眼差しで翻弄してくる。想いが実りいよいよベッドへ……と気持ちも昂ぶる草介。けれどいざベッドに入ると、草介はなぜか押し倒されて!! タチの筈が、まるで従順な犬への調教を受けてしまい!?

作品情報

作品名
視線の刻印~恋に堕とされて~
著者
花川戸菖蒲 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
ブライト出版
レーベル
ローズキーノベルズ
発売日
ISBN
9784861232725
3.2

(19)

(1)

萌々

(9)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
6
得点
58
評価数
19
平均
3.2 / 5
神率
5.3%

レビュー投稿数6

噛み合ってない二人に

主人公は受けの草介なのですが、所々唐突に攻めの心の声が入ってくる。
それが唐突で、しかも誰だかわからない相手に話しかけているような台詞口調で、それにものすごい違和感があり、最初なんだかはまれないかも…と思いました。
そして主人公のことを犬呼ばわりする樫原はなんだか偉そうだなあ~と。

でも、読みすすめれば、この二人のテンポのよいすれ違いが面白いのですよね。
割とすぐくっついちゃうのに、お互いが唯一の恋人だと認め合うポジションに収まるのは最後の最後。
互いが「居たいと思っているポジション」に収まらない…。
でもシリアスで重たいストーリーでなく、テンポが軽いんです。
そしてお仕事ものというのも好みだったので読みやすかったです。

草介は可愛い系に見えますが自身はタチ。でもM系のタチ。
樫原はどうみても肉食系なんですが、草介にベタ惚れなのに、草介を思い通りにしようとアレコレ命令してきます。
SMプレイ的なものはないですが、精神的な女王様と下僕の関係。
最初は樫原がえらそうだなあと思いつつも、実はなかなか思いどおりにならない草介に振り回されているのは樫原のほう。
最後までとんちんかんで噛み合わない二人が面白い組み合わせでした。

何でも思い通りにならないと気がすまない自分勝手な攻めが、実は大人しい受けのほうに翻弄さてている…という構図が大好きなもので、楽しめた1冊でした。
同じような嗜好の方には是非おすすめです。

4

無自覚Mをじっくり開発

タチ同士とはいえ、「攻×攻」を連想させるような攻防戦はなく、
強引でドSで、しかし優しいバリタチ攻めが、後ろ未経験の受けに辛抱強く奉仕し、
少しずつ身も心も開発していく…という話。

最後まで…は終盤の絡みまでおあずけですが、
攻めが受けをベッタベタに甘やかす関係は美味しいし、
イチャチャだけでなく仕事描写も多く、同僚や顧客との関わりが見えるところが好感触でした♪


主人公のエリート営業・草介は、研究開発部のイケメン・樫原に一目惚れ。
実はお互いゲイで、草介の熱い視線に気づいていた樫原が声をかけたことから、
お付き合いが始まる。
草介が「抱いて欲しい」と思うまで最後まではしないという樫原。
樫原の優しさや愛撫にどんどん惹かれていく草介だが、
元来受け身な性格のため、なかなか自分から抱いてくれとは言えず・・・


草介は「タチ=強い自分の意志」というより、「過去の恋人に求められるままタチを務めていた」という向きがある人物。
このため「攻×攻」作品でよくある『そんな簡単に受け身に回れるの?』的な違和感を感じず読めたのは良かった。そもそも樫原の声を聞いた瞬間から、尻がゾクゾクしてますしねwww
恋愛ではヘタレ気味だが、その優しく真面目な性格は、営業ではプラスに働いていることが窺われ、ただの天然君でない点がいいです。

樫原は、草介を手の中で転がしている(ようで割とウズウズしている)策士。
従順な草介を「犬」呼ばわりしたり、ラストの絡みではストッキングで縛って調教したり…
お前何様!?と言いたくなるのですが、
基本的には草介にベタ甘で、かいがいしく料理する姿などに愛があって嫌いにはなれない、むしろ結構好きな男前攻めでしたw

面白かったのですが、登場人物の視点が草介↔樫原とコロコロ替わり、少し読み辛い。
2つの視点から描くことで、互いにどれだけ好きか、伝わってくるのは良いんですが。
お互いの心中が見えすぎて、ストーリーとしては起伏に欠けるかな。
それでも、終盤の「抱いてほしい」→「メロメロだこの野郎」からのHは甘さ全開で良かったし、
攻め受け2人とも割と好きなキャラで、満足度の高い作品でした。
評価はやや甘いかなと思いつつ萌×2で(*´▽`*)

5

いけない。犬に使う魔法の言葉

ゲイで自称タチながらもいつも相手に迫られるように関係を持ってきた巡。
精神的にはいつもしっかり無自覚の受け身だったりするのですが、
自社の食堂で研究職員に一目ぼれして、姿を一目見れるだけで幸せだと思える、
筋金入りの草食系のタチなのです。
それでも入社4年目で2年連続で営業トップ、同じ年代の社員よりはかなり高給取り。

そしてそんな巡に一目惚れされる樫原は一見大人しくて優しげなクール美人。
しかしその実態は腹黒で筋金入りのS属性の理系男。
半年も前から熱い視線で見られている事を知りながら、獲物から寄ってくるのを
捕獲しようと待っているような人物で、本性も何も知らない巡は突然樫原に話かけられ
樫原が気にかけてくれたことに舞い上がり気味であらためて優しくて素敵な人だと
誤った認識をしてしまう。

樫原は待っていても、余りにヘタレで遠慮深い犬だからと自分から捕獲に乗り出す、
見えない首輪と鎖を持って、餌付け作戦スタート開始。
でも気持ちはいたって本気なのですが、親しくなってHの段階になり、
巡は一応タチの経験しかない為に押し倒された事で動転してしまうが、
何故か樫原の「いけない」って言う一言で動けなくなってしまう。
でも簡単に最後まではいかないのも、樫原の初期の躾けの一環なのかと思ってしまう。
徐々に慣らし芸を覚えさせ完ぺきなM犬を育てるストーリー。
でも内容的にはSMの類は一切ないし、清廉潔白で、営業面や対人面では意外に大人で
出来る男の巡だけど、その手の恋愛にはかなり奥手で可愛らしい。

一目ぼれした相手が、かなりの曲者で自分を飼い犬にしようとしているなんて
夢にも思わないながらも、次第に性格の悪さや意地悪さを知ることになっても
好きな気持ちが冷める事はなくて、樫原から遊ばれていると誤解してしまい、
一人グルグルしている姿はMワンコちゃんかもと思える感じです。
無自覚で飼い主を捜していた巡とM犬を欲しがっていた樫原とのお話です。

5

研究員による無自覚M犬調教プロジェクト

花川戸菖蒲さん初読みです。
イラストが大好きなみずかねりょうさんだったのであらすじも読まずに購入してしまいました。
帯の『優しくご奉仕しますよ、お姫様。狂おしく乱してあげる…。』から、下克上か!?と思いましたが全く違いました。

次に、かわいい純情男を手にかける腹黒ビッチ受けかと思ったらこれもまたはずれ。

視点が受け攻め混在しそれぞれの思惑や心情がよくわかって面白かった。
そんな場合よく、視点がわからなくなったり(水上ルイさんのように章の初めに視点の名前があるとわかりやすいですけど)誰が言っている考えてしまうことがあってイラつくことがあるのですが、混乱することなく楽しめました。
文章力のある作家さんだと思いました。

草介は仕事では爽やか笑顔のトップセールスの営業マンですが、
素では押しが弱くタチだと思い込んでいるネコ。
初めの相手からその後に付き合った相手も
女王様タイプの騎乗位上手なアネさん女房ばかりがお相手だったらしく
いまだかつて告白されたことはあってもしたことはないらしいんです。

そんな純情な豆芝ちゃんを見初めたのが研究室の優秀な研究員の樫原。
草介は樫原を一目惚れしてひたすら眺めるだけのアイドルを崇拝するファン状態でしたが、実は樫原のほうがその1年以上前から目をつけひたすら待ち状態だったそうです。
いくら待っても声すらかけてくれないので焦れて行動に出たらしいです。

樫原が草介のことを憎からず思っているらしいことはわかりましたが、
何かと意地の悪いことを言ったり口に出さない本心を語っているのでてっきり堕とすゲームか競争でもしているのかと思い、草介が傷つくなあとハラハラしてました。

中盤、樫原が結婚を意識したり本気のパートナーを欲しがっていることがわかると
そんな遠回しなことをしないで直球でいったらいけないのかなと思いましたが、
無自覚でM、その上命令されたい犬だと見抜いた樫原がそれを自覚させたうえでパートナーになりたかったみたいですね。

二人の仲をかき回す役の樫原の同僚で元セフレ。
草介に手をだしかけ、恋人がいながら…と草介に指摘されると
カレーを食べながらラーメン食べるようなものだときっぱりおっしゃる。
それはそれこれはこれ、ですか。
憎めないいい性格です。引っ掻き回し役にピッタリな面白い人物設定です。

0

自分を見誤っては「いけない」!?

自分のことをタチだと思ってきたけど、潜在的にネコでM属性のかわいい系サラリーマン・巡さんを、上から目線のバリタチイケメン・樫原さんが意地悪く調教するお話しでした。調教の決めワードが「○○しては"いけない"」。これを聞かされると巡さんは、腰が砕けちゃうんですよね。

この作品はコロコロと視点が変わる(半)一人称で進行します。今、誰の視点なのか?と迷うようなことはありませんが、ちょっと読みながら流れがつっかえるような感じはあります。(これは個人的な好みもあると思いますが)

思考は自虐的だし、どこからどう見ても、今までタチだったのが信じられないくらいの巡さんが、素質を発揮してしていく様を楽しむお話ですね。痛いシーン、辛いシーンは特に無いので気軽に読める作品だと思います。

これはとっても余談ですが、ストーリーの冒頭で登場人物の容姿を事細かく描写するの少しさめるんですよね。そこは出来れば話の進行の中で自然に描写してほしいなぁ。

0

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