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表題作それは初恋すぎるでしょう。

阿川哲也,銀行員,35歳
迪彰文,グラフィックデザイナー,35歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

デザイナーの迪と銀行に勤める阿川は、二十年来の付き合いだ。高校生の時には、ドキドキしながら手をつないで歩いた。ずっと側にいて親友以上に大切、けれど恋人未満。そんな存在なのだ。大人になった今、胸に燻る想いを計るように、阿川は意味深なことを言う。迪もまた試すように彼を見つめる。十代の頃のように、恋の情熱で突っ走るなんて、怖くてできずにいたが……。

作品情報

作品名
それは初恋すぎるでしょう。
著者
花川戸菖蒲 
イラスト
ウノハナ 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829625705
3.4

(27)

(4)

萌々

(11)

(6)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
86
評価数
27
平均
3.4 / 5
神率
14.8%

レビュー投稿数7

何度も読みたい本♡

何回読んでも、キュンキュンします(人´ з`*)♪ 攻めの 受けへの一途な思いや、お互いに相手を思いやってるところがステキです♡♡(人´ з`*)♪

0

親友がバカップルになる

高校時代からの親友同士で20年来の付き合いの二人が35才という年齢になって
始めて思いを自覚仕合いバカップル気味な恋人同士になるまでのストーリー。
20年も親友として共にいたのに今更な話なのですが、読んでいるとなる程なと思う。

学生時代にこれから恋になるのかもと言う一瞬の青春みたいな輝きがあったが
それぞれの受験や忙しさで気がつけば1年が過ぎて初恋は淡く終わっていた。
そんなことをおくびにも出さないでつかず離れず、でも何かあれば1番に思い出し
互いに駆けつける相手。

それぞれに結婚を考える彼女がいて、年齢的にも様々な重みが出てくるお年頃。
受けになるデザイナーの迪は独立を考え、攻めになる阿川は生真面目人生設計で
学生時代から一貫して安定を求めた結果の銀行マン。
いい大人になった二人だからこそ今更な気持ちをあえて気がつかない振り。
でもいつもどんな時でも1番思い浮かべ頼りにしてしまう相手。

全体的な雰囲気はほのぼのしていて、二人の言葉の掛け合いも小気味よい。
それに迪の恋人だった女性が凄くすっきりして竹を割ったような性格で
BLに出てくる女性キャラなのに好感度が持てて良かったですね。
受け視点と攻め視点双方の気持ちが見えるのも読みやすくて良かったです。
後半の方でバカップルになる予感を感じさせる展開も楽しくて素敵な作品でした。

5

恋愛だけしなかった二人

少し読み進めるまで35歳同士のお話とは思わず(表紙イラストの感じから25歳ぐらいかなと思っていたので)、序盤は二人のくたびれ感に少々慣れない感じがしましたが、やがてその雰囲気がクセになり、最後まで楽しく読むことができました。

迪(受)視点:阿川(攻)視点=7:3ぐらいの分量で書かれています。二十年来の親友である阿川に感じている特別な気持ち…言葉にすれば「恋情」になってしまうそれを持て余す迪の視点で物語は進みます。結婚する見込の彼女もいるのに、一緒に居て一番居心地のいい相手は阿川。弱った時に最初に頼ってしまうのも、愚痴をこぼす相手も阿川。そばに居たい、ずっと彼の一番で居たい、彼を独占したい。この変な感情は何だろう、と。一方の阿川は、迪とは対象的に二十年近くずっと迪への恋心を募らせています。それでも伝えられない想い。何故なら二人は親友で、大人で、告白なんてできるはずがない。

友人になって、親友になって、恋愛だけしなかった二人。機を逸してしまった二人が初恋を成就させる――そんなお話でした。

学校にいましたよね~妙に仲の良い男子二人。自分の思い出話で恐縮ですが、クラスのNくんとMくんが学ランの下にお揃いのカットソーを着ているのを発見したときは仲間内で散々盛り上がったものです笑 あの二人も今頃こんな感じに……いや、なってるわけないですが、そんなIfの妄想が楽しくなるような作品でした。

迪の彼女がかなり存在感があるので女性がストーリーに絡むのが地雷の方は要注意かも。個人的には好きなキャラクターでしたし、ストレートの二人なのでこういう展開はリアルだなぁと思いました。迪は(阿川もですが)決して「友情>恋愛」と考えているわけではなく、ストレート故に男同士で恋愛というのに思い至らず二十年ずっとそばに居るんですよね~。いやはや、萌えました。

ウノハナさんの小説イラスト作品というのも珍しくて良かったです。

2

35歳ってそんな遅い?

ペンネームで敬遠していた作家さんですが、他の作品が良かったので。(そちらはステキなレビューがあったので、評価だけしました)。

17歳の頃にお互いが恋を意識したのに、つげることなく35歳にまでなってしまい、親友としてつきあっている。告白もできず踏み切れず、じれじれしつつ、でも互いに女より相手が大事~と最初からノロケてるような、甘い雰囲気の作品です。

親友の皮をかぶりつつの、くすぐったいようなやりとりはウフフと楽しめましたし、
攻めの回想部分、高校生の頃に恋におちる場面もステキvでした。

ただ、最初から、ずーっとひっかかったことが。
引用しますが
「(前略)今さら阿川にこんな気持ちをぶつけたところで、なにかが変わるわけではない。変えて欲しいとすがりつける歳では、もうない」
受けの、迪の語りなのですが。
冒頭から 何度も何度も、歳に言及してるんです。「もう35歳」だからと。
クドイなあと気になってしまって。

攻めの銀行員の阿川のほうは、「(受けの)迪には結婚を考えてる彼女がいるから」と(このままのコトバではないですが)自分にブレーキをかけている。こっちの気持ちには納得できました。
っていうか。。。どっちかというと組織にいる阿川のほうが、迪より歳を意識し気にする設定にしたほうが自然では?と思いました。
(受けの、迪はフリーのグラフィックデザイナーなのです。作中で事務所から独立し、フリーになってゆく)。
それに迪のほうでは歳のことはやたら言うのに、付き合ってるカノジョのことはあんま考えてない印象なんです。不自然なような、女の立場から腹たつような。

カラダを悪くして倒れてカノジョにふられ、再度、倒れたのをきっかけに恋に進むなど 似た感じのエピソードの繰り返しもちょっと、芸がないかな?と思いました。

わたしは35歳なんてとっくに越えてますが、20代の終わりや40歳はインパクトあったけど、35歳ってピンとこなくて。「何年も親友をやってきたのに今さら」だけでは説得力が弱いと思っての「年齢気にする設定」かも? でもわたしには裏目に出た感じです。
…35よりずっと若い方か、そうよね、35ではいろいろ遅いわーと共感できる方なら、ひかっかることなく じれじれと甘さを楽しめるかな、と思います。

4

30代、ガンバレ!!

表紙がステキです!
ウノハナさんの、ブルーを基調にしたデザインと
二人の表情がとっても爽やかで、期待値がグンと上がりました!
そして1頁めくって、扉絵に(;゚∀゚)=3ムッハー!!

高校時代の初恋を、35歳まで引きずったまま、
二人とも、お互いへの想いを胸に秘めた状態で、
とりあえずはイイ関係を築いている、阿川(攻め)と迪(受け)。

序盤から、二人の心の声が具体的すぎる親切設計で、
35歳の今でも、両想いであることが読者にバレバレだと思います(笑)

狭いソファにギュウギュウに座っちゃったり、
「妬ける」とか「襲われたい?」とか「俺の嫁になる?」など、
これが恋人同士のやりとりでなくて何ナンダ~??

言動や会話自体は、可愛げがあって良かったと思いますが、
あと一歩踏み出す勇気をお互いが持たないのに、
それでも、ギリギリの言葉遊びを楽しむあたりが、うーむ。。。

なぜ踏み込めないのか勇気がないのかという、明確な理由がないと、
単なるヘタレ二人組(でも恋愛ごっこはしたい)で終わってしまう気が…。

オッサン=冒険出来ずに安定を求めるとか、
35歳=もう後がないなど、安易に年齢のせいにするのは頂けません。
年齢の壁をテーマにするなら、予定調和的に流さずに、
二人の思いや考えをもっと深く知りたかったです。

読みながら、一番ビクビクしていた、
迪の元カノの恵理奈の別れ際の捨て台詞ですが…。
レビューを拝見していたので、本を取り落とさずに済んで良かったです☆
「死ね」は正しい意味で使っちゃダメなセリフ!!

ちょっと辛口ですが、恵理奈の性格も衝撃でしたが、
何年も付き合っているのに、こんな一面も見抜けずに、
婚約寸前という状態って…。
迪が、見る目なさすぎのマヌケすぎで、なんか悲しくなった(;_:)

迪の次の彼女の千鶴は、気風の良い好人物でした。
ただ私も「世界一素晴らしい女」とか「結婚するなら千鶴しかいない」とか
千鶴の目の前で、迪が口に出して言うのはどうかと思ってしまいました。
そういうことは、本当に結婚出来てから言ってあげたらいいのに。

それに、阿川に想いを残しているという描写が多いので、
なんだか二股のような、調子の良さを感じてしまいました。
(もちろん、迪は真剣に口にした台詞だし、
意図して二股をかけるようなキャラではないです)

そして案の定別れることになりますが、
別れを切り出すのは千鶴側で、
本来迪が伝えなくてはいけないことを千鶴が全て言い切った上で、
後腐れなく颯爽と去って行きます。

千鶴さん、カッコいい!!
…迪、ナサケナイ!!

千鶴さんには絶対幸せになって欲しいな~。
千鶴さんのスピンオフが出たら読みたいくらいです(笑)

色々ブーブー言いましたが、中~後半は良い場面が多かったです。
高校時代の二人が線路沿いの道を、手をつないで歩く回想シーンは
初々しい阿川と迪の表情が目に浮かぶようで、胸がほんわかしました。

特に、阿川が迪の横顔に見とれ、それに気付かれた阿川が
「花を見てただけ」と誤魔化すシーン。
「花なんか…(ないじゃないか)」と迪が振り向いたら、
線路際に、赤い綺麗な花が咲いていて、迪がさらに赤面。
そんな迪を見て、可愛いな、愛おしいな、と思う阿川がまた可愛くて…。

全体的に二人の会話のテンポが非常に良く、現代的で、
笑える部分も多く、そういう面ではとても楽しめました。
予想外のところからオチが来たり、会話の切り返しが上手だったり、
文章的には、自分の好みに合っている作家さんだと感じました。
キャラの言動に、もう少し筋が通っていたら…と残念ですが、
ウノハナさんの絵柄も大変好みだったので、オマケで萌評価とします。

最後に…
35歳はオッサンではないと思うし、
まだまだ色々な夢を叶えられる素敵な年齢だと思います!

諦めてしまいそうな時も、壁にぶち当たった時も、
BLの中の30代には、ずっと前向きで元気でいて欲しいなぁ~。
ガンバレ30代!!\(^o^)/

4

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