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表題作ニコラと花咲く国の暴君

ランド・プロテウス,アマネアの三人の王の一人
ニコラ・ベンジャミン,ドナウルーダ国から亡命した王子,20歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

庶子のため王子でありながら修道院でひっそり暮らしていたニコラは、兄に命を狙われ国を脱出する。だが船が嵐に遭い、植物を操る力を持つ不思議な人々の島・アマネアに辿り着いた。王の一人であるランドは美しいが粗野で横暴な男で、ニコラにアマネアの植物を盗んだという罪を着せて島に足止めする。処刑されることも覚悟したニコラだが、意外にもランドは虚弱なニコラに薬や食べ物を与え、アマネアに馴染めるようかいがいしく面倒を見てくれて……。

作品情報

作品名
ニコラと花咲く国の暴君
著者
一滴しぃ(Si) 
イラスト
伊東七つ生 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784778131944
4.1

(28)

(13)

萌々

(11)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
4
得点
115
評価数
28
平均
4.1 / 5
神率
46.4%

レビュー投稿数4

面白かった〜

Si先生の作品は初読みでした。
2018年に商業デビューされたようですので、まだ三年なんですね。

とても読みやすい文章だったのと、Si先生があとがきで触れていたように◯ィ◯ニーアニメをイメージして書いたとありましたが、とても素敵なファンタジーでした。

あらすじに「植物を操る力を持つ不思議な人々の島・アマネア」とありますが、彼らの能力だけでなく人柄や暮らしぶりがとても魅力的でした。島自体も行ってみたくなる魅力に溢れていました。

そして、ランドがめちゃくちゃカッコよくて可愛いです。終盤に見せる彼の能力が物凄くてワクワクが止まりませんでした。乱暴に見えて実は優しい攻め大好物です。

ニコラが不遇で可哀想な身の上なんですが、王族としての誇りを忘れないところが健気なんです。彼の祖国とアマネアの民に対する深い思いに感動しました。そして無知を恥じて一生懸命学ぼうと努力する姿に好感を持ちました。

実はニコラはアマネアに深い縁があったのですが、そこを絡めてランドの過去を知り仲が深まって行く展開がとても面白いと思いました。

ニコラがとても初心なので、なかなかランドが手を出せないのも良かったです。でも気持ちが通じあってからはむしろランドを煽ってて、ランドのモノに対するニコラの例えに吹いてしまいました。濡れ場で吹いたのは初めてでした。それでいてエッチなのでSi先生は手練れだと思います。www

アマネアを構成するアルドラという不思議な植物が最後に実をつけるのですが、その実の中身を予感させるところで終わっていたのでもっと続きが読みたかったです。

ニコラの祖国のドナウルーダのその後も知りたいし、続編を是非お願いします!

6

知る人ぞ知る作品なのかも、ですが。

こちらの作品、ファンタジーになります。
不遇な王子ニコラが国を追われ、亡命を画策して出航した船が嵐に遭うものの、辿り着いた島で幸せになる、…というBLファンタジー王道の「王子のシンデレラストーリー」です。

このお話、すっごく良かった。
面白かったー。
もうね、痛快なんです、いろいろ。

嵐を抜け辿り着いたのは自然豊かな島国、アマネア。
温暖な気候と大らかな国民性に触れ、自国では次期国王である義兄からの冷たい仕打ちに打ちのめされていたニコラの心は慰められるのです。
上陸直後、ニコラはあらぬ嫌疑をかけられ、3人いる王様のうちの末っ子、ランド(攻め)から厳しい態度をとられてしまいます。
でも、このランドが、まーカワイイ(笑)。

厳しい態度はあっという間に引っ込めて、世話をするという名目で、ニコラを片時も離しません。
甘い。
溺愛。
あー…ランドったら、ニコラにひとめぼれだったんだね~と思わずニンマリ。
トカゲの求愛行動を説明するシーンなんて、ニマニマがとまりませんよ。
暴君?どこに?(笑)

ニコラも真面目で努力家な、真っ直ぐなキャラなんですよ。
時々暴走したり、毒を含んだ言葉を発しますが、それもご愛嬌。
憎めないんです。
義兄が、たとえ国を思うが故とはいえ、ニコラに悪意を向けることが、本当に読んでいて悲しい。
いろいろ我慢をして生きてきたニコラには、これからはランドに愛され、この楽園のような島で幸せに生きていってほしいと思いました。


とても素敵なお話だったので、もっともっと多くの方に読んでもらいたい。
もっと知ってほしい。
上質で甘々なファンタジー、挿絵も繊細でキレイ、ストーリーにも合っていて、お話、絵、ともに大満足!
世界観にどっぷり浸かりたい方に、ぜひ!

0

童話のような

国を追われた王族の庶子・ニコラと、自然豊かで植物と共生する人々が住むアマネアという島の王・ランドのお話。

ファンタジーな世界観が前半、すごく丁寧に描かれていて、童話のような世界をじっくり楽しめました。
あとがきに○ィ○ニーアニメをイメージして書いたとあり、納得でした。

前半、それはそれはゆっくり進む二人の関係がとても作品にあっていただけに、
後半急にガチャガチャしてきて、そのまま一気に行ってしまった、、、という感はありました(笑)

攻めのランドが横暴・粗野、というよりは、不器用で健気な印象で応援したくなりました。

ドラゴンっぽい生き物が出てくるのですが、トカゲだとバッサリいっちゃうセンスが素敵です。
トカゲかわいい。

ファンタジー好きには凄く魅力的な世界観で、終わり方からもまだまだ色々ありそうなので、続編があれば是非読んでみたいなと思いました。

1

色鮮やかなシャングリラ

すっっごく面白かった〜!この世界観大好きです。
とっても素敵なファンタジー作品でした。
話運びも上手くて面白かったなあ。

周囲を海に囲まれ、大樹は深く見事な根を張り、緑鮮やかな木々が茂る。
溢れるように実った果実と見たこともない美しい花々。
人々は歌い踊り、動植物と共に穏やかに共生している。
外界から閉ざされたかのようにひっそりと在る・アマネアという小さな島国が舞台となるのですが、ここを楽園と言わずになんと言う?というくらい情景描写が美しかったです。
こんなに魅力あふれる豊かな国があるのなら行ってみたい。
動植物がお好きな方はきっとたまらないと思います。

とある事情でガレオン船に乗り、遥か遠い祖国から亡命の旅に出た王子・ニコルが嵐に巻き込まれ辿り着いたのは、地図にも載っていない謎めいた島だった…
と、謎の島国・アマネアでひょんなことから植物泥棒の疑いをかけられ滞在することになった受け・ニコルと、ぶっきらぼうにニコルの世話をするアマネアの王族・ランド。
この2人を中心に、アマネアという色鮮やかで豊かな楽園での生活が胸踊る描写の数々と共に軽やかに描かれていきます。
全編ニコル視点で進むので、謎の楽園に足を踏み入れた彼の驚きや感動、好奇心が揺さぶられていく様子の追体験が読者にも出来るうれしい設計となっています。
一体どんな国なのか?どんな光景が広がっているのか?と、頭の中で伊東七つ生先生の挿画とあわせて想像する楽しさもありましたね。うーん、楽園!

今作の攻め・ランドがですね、長く美しい赤い髪に大きな体躯、健康的な褐色の肌を持つ美丈夫なのですが、これがなんとまあぶっきらぼうでかわいいやつなんです。
読み進めていくとどんどんかわいげが増して来ますし、包み込むような優しさももった良い攻めでした。
受けのニコルのものの考え方も非常に好感が持てるものばかりで、不遇だった身の上から出る卑屈さなんてものはあまりないですし、学ぶことを惜しまない謙虚で気持ちの良い性格の受けでした。
そんな受けと攻めが出逢って、アマネアの動植物を交えながら交流を深めていくと…?
その様子が微笑ましくも心地の良いものなので、ぜひ1度読んでみてください。

ワクワクあり、ときめきあり、気になる謎あり、もちろん2人の関係もたっぷり。
ストーリーと独自のファンタジー要素、恋愛面のバランスが非常良く読みやすいです。
ニコルもランドも魅力あふれるエピソードが丁寧に描かれていて、自然とどちらの好感度も上がっていったのも読みやすかった理由のひとつなのかもしれません。
最後がやや駆け足だったのが悔やまれますが、優しい甘さで包まれた良作でした。

0

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