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受攻と主人公二人の位置付けを説明したものの、
サテ仄かな情が通っているだけの状態でその表記は
成立し得るのかどうか。
困窮故に学校へ行かず靴磨きをして日々の暮らしを
賄う渉と名家と言う籠に囚われ、その中でも人間らしく
あろうともがく八尋。二人が惹かれあうのは必然で
あったのやも知れません。
彼等のそれからは、静かに続編を待つと致しましょう。
番外編は八尋の友人の劣情とその苦悶の挿話。
とても古い作品ですが、
今読んでも素晴らしいと思います。
銀座の街頭で靴磨きをする渉と、
美しい青年・八尋を主軸とする大正ロマンです。
渉には頼れる親はなく、叔父の家に居候していますが、
生育環境は酷いと言わざるを得ません。
そんな時に出会ったのが裕福な青年・八尋です。
皆が薄汚い渉を蔑む中、
八尋だけは一人の人間として扱ってくれます。
差別なく接してくれます。
渉への余の仕打ちの数々に泣けてきます。
その中でも八尋が渉の希望であり、一筋の光なのです。
八尋もまた、強く逞しい渉に憧れているところがあります。
私も、決して媚びず甘えず、
自分の意志を持って生きる渉の強さに感動しました。
八尋に見合う人間になるべく旅立った渉。
今後の二人が気になって仕方ありません。
そして、同時収録作は、八尋に恋する友人・志郎のサイドストーリーです。
叶わぬ恋に悩み、身体だけは男娼の雪緒と繋がっています。
少しずつ雪緒と心を通じ合わせていく様が良かった『肌色』。
そして、酷く切ない気持ちにさせられた『秘密』。
この二人の恋の行方も非常に気になります。