小説

  • 一億二千七百万の愛を捧ぐ

一億二千七百万の愛を捧ぐ

ichiokunisennanahyakuman no ai wo sasagu

  • 電子単行本
  • 電子書籍【PR】

あらすじ

歌舞伎町の寂れたバーで働く元国民的サッカー選手の和久田は、
人生を投げ出し、女のヒモとして落ちぶれた生活を送っていた。
しかしある晩、バーに人気サッカー選手の槙野が現れる。
現役で活躍中の槙野は、憧れていた和久田との再会を心から喜び、
チームに復帰してほしいと無邪気な願いを口にする。
だが、もうサッカーはやめたと告げる和久田に戸惑い、怒りを覚える槙野。
どこまでも堕落した和久田を知れば知るほど、離れることはできなくて……。
書き下ろし番外編も収録した完全版!

作品情報

作品名
一億二千七百万の愛を捧ぐ
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
電子発売日
3.5

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萌々

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中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
7
評価数
2
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

Jリーグの熱気

2005年にSHYノベルスから出版されていた同名作品の電子書籍。
何で海王社からの出版なのかは解りません(その辺、解る方がいたらコメントなどいただけると嬉しいです)。

いや、Jリーグ周辺の熱気がとても懐かしいお話です。
今、中高生に人気のスポーツって、テニスやバドなど個人競技方面に向かっているそうで、ひょっとしたらお若い姐さま方にはこの『ムワッとした暑苦しい感じ』のとらえ方は「私と違うかもしれないなぁ……」と思ったりしました。

なんちゅったらいいのか……
海外移籍という夢を追って、それを掴み損ねた為に、人の目の届かない処で自分を捨てて自堕落な生活を続ける和久田の姿とか、まだほんの少しバブリーな匂いがするのです。
そんでもって、その和久田に憧れて憧れて、スター選手にまで駆け上った槙野の「俺の憧れのあなたがそんな不甲斐ない生活をつづけいて良いわけがない」と押し付けて来る、崇拝に支えられた残酷さとかね……誤解を恐れずに書いてしまうと「古い」んですよ、実に。
で、この古さが実に良い味を出していると思うんです。

最近こういう暑苦しさを感じるお話が少なくなっているからかもしれません。
もしくは、16年も経って大層美味しく発酵したのでしょうか?
私は年寄なので、是非若い姐さま方のご感想が聞きたい!

出版社あらすじに『書き下ろし番外編も収録』と書いてありますが、この番外編がまた良い味を出しているんですな。本編の熱さからはちょっと離れてほっこりしました。文章の雰囲気も違うので、ひょっとしたら本編執筆から時間をおいてから書かれたのかもしれません。
それがまた、萌えちゃったんですよ。

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