彼と彼との家族のカタチ

kare to kare tono kazoku no katachi

彼と彼との家族のカタチ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
4
評価数
1
平均
4 / 5
神率
0%
著者
火崎勇 

作家さんの新作発表
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イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
カクテルキス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784866694610

あらすじ

「一瞬でもいい『特別』でいたい」育ての両親を事故で亡くし、妹と遺された宇垣条は、祖母を頼り日本にやってきた。さっぱりして気持ちいいほどの祖母と、彼女にプロポーズしてくる謎の男性・是永との不思議な生活がはじまる。居場所を与えられて、是永からの「愛しい」と感じる戯れに、求められたいと願うけど、真実を伝えられず、彼が望んでいる「無垢」な相手を演じてしまう条。後悔すると分かっていても、その腕を手離せなくて…。血が繋がらなくても一緒に過ごす、幸せのカタチ。

表題作彼と彼との家族のカタチ

是永湊,ネット通販会社社長,32歳
宇垣条(ジョー・津田),両親亡きあと祖母に引き取られた青年,20歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数1

王道のストーリーではあるが

あらすじと金さんの描かれた優しい表紙に釣られて購入。
ほのぼので温かなストーリーをイメージして手に取りましたが、良い意味でその予想を裏切られる、心にジーンと染み入るお話でした。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。







アメリカに住む20歳の条は、飛行機事故で両親を喪ってしまう。
20歳ではあるもののまだ5歳の妹・みゆを伴いこれからどうしようかと思い悩むが、弁護士だった父親の友人から、日本にいる父方の祖母のもとに身を寄せることを提案される。両親を亡くしたばかりの妹のことを考え日本に行くことを決意する条たっだが―。

さすがベテラン作家さま、というべきか。
序盤から伏線の張り方が凄い。

視点はずっと条で描かれていますが、「宇垣(条の性は「宇垣」です)の両親」という書き方がされてるんですね。なんでそんな書き方?と思うわけですが。

条と両親の関係は?

と不思議に感じるのですが、そこにさらに「?」と思う出来事が起こります。
祖母・勝子に求愛している男性・是永の存在。勝子さんは綺麗な女性ではありますが、それでも条たちの祖母なんです。それなりのお年を召している女性。

が、そんな彼女に32歳のイケメンでお金持ちの是永がプロポーズしている。

んー。
どういうこと?

とか思いつつ読み進めました。

条と是永。
年も、環境も異なりますが、彼らは親からの愛情に恵まれなかった、という共通点がある。二人の子どもの時の境遇はまさに劣悪で、特に条はもう可哀想で可哀想で…。そして、その「過去」が、今もまた、条を縛ってしまう。心に枷を嵌めてしまう。

このストーリー展開が素晴らしく秀逸です。

条の子ども時代は哀しいものですが、けれどストーリーとしてはシリアスに振り切った作品ではありません。勝子さんがとにかく男前。カッコいいです。彼女の男気にぐいぐい引っ張られていく展開であることがまず一つの要因かと思います。

そして何より、是永さんの条への愛情が透けて見えているからかも。
自分と同じように薄幸な子ども時代を過ごした条への思いが、少しずつ変化していく様が手に取る様にわかる。

はじめは「条」という青年の素性が分からず、勝子さんに危害を加えることがないだろうかという警戒心。
そこから薄幸すぎた少年への憐憫の情、少しずつ心通わせていくうちに見えてくる条の強く逞しく、そして優しい心根を知り。
それが愛情に変わっていく。

そんな是永さんの感情の機微の描き方が素晴らしいです。

一方で、条視点で描かれているお話なので、条の感情は読者に提示された状態で描かれています。が、彼がどうしても隠したかったこと、が露呈していく様が可哀想で…。自分を愛し、受け入れてくれる人がいること、その場所。子どもなら当たり前のように両親から与えられているその場所を、求めて必死に踏ん張る条が健気で可愛くって、応援したくなる。

今作品は、タイトルにもついているように「家族」という言葉がメインにあるお話です。家族って何だろう、血の繋がりって何だろう。普通って何?

そんな問いを、読者に投げかけている、そんな1冊でした。

薄幸で健気な受けちゃんが、スパダリな攻めさんに愛され幸せを手に入れる。
まさに王道のストーリーですが、攻めさんにも欠けた「何か」があり、それゆえにありきたりなストーリーではなく奥行きのあるお話になっていたように思います。

2

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