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記憶喪失とオメガバースが合体!
Ωである事を隠している優秀なリーマンの佐倉。
ある日気が付いたら、こともあろうに気に食わない同僚αの鳴重とセックス中。驚いて逃げると「番になった」と言われて驚愕する…
なんかこういう設定を最近続けて読んでるけど、本作は2022年発表。
どうやら社内で急にヒートが来て、介抱してくれた鳴重とそういう事になったらしいが、佐倉は全くその記憶が無い。
2週間分の記憶を失くした佐倉の仕事を徹底サポートする鳴重。
…という感じで、とにかく鳴重が非常に紳士なんです。とにかくスパダリ。
拒絶が激しい佐倉にいつも優しくて、食事も作ってくれる、体調を気遣ってくれる。
でも、佐倉が単に意地っ張りで…とは私は思いません。
子供の時から浴びせられるΩは可哀想というメッセージ、それに負けないために自分に課し続けていた努力。
鳴重の優しさ、鳴重の愛を受け取ってしまったらそれらが無駄/無意味になってしまう…という苦しみ。
一方鳴重はめげず、かといって軽視もせず、自分がそうしたいから、と佐倉に尽くすのです。
私は読んでいてとにかく鳴重のスパダリぶりに感動してましたが、そもそも佐倉がなぜ記憶が飛んでしまったのか。恐ろしい事態だと思いました。鳴重がいい奴でなかったらどんなお話になっていたことやら。
本作は素の佐倉が鳴重に恋をして受け入れ、オールハッピーなエンディング。
読後感も良く、絵柄もタイプの違う有能イケメンの描きわけが良い。「萌x2」で。
表紙の横顔を見て、中の絵柄は大丈夫かな、と少し不安に思いながら読みました。
そんな感想を抱いて、大変申し訳なかったです。中の絵柄には、不安を覚える要素はありませんでした。
頭部への衝撃を受けた受けが、目覚めると2週間経っており、攻めと番になっているところからスタートするお話。
この2週間の期間、意識を失っているというわけではなく、全く記憶のないところで受けは普通に生活をしていた。
という感じなんですが、ここはかなり怖いなあ...と思ってしまいました。
脳へのダメージだと、そんなこともあるのかもしれませんが。
受けにとっては衝撃的な始まり。
とくに彼は、Ωであることにコンプレックスを抱いており、必死に努力してきた。
攻めと番になるということは、それを根幹から揺るがすことなので、この部分を中心に話は進んでいきます。
この攻めがなかなか良い。
αとしての完璧さを持ち合わせつつも、虫が苦手だったりとギャップを見せてくれます。
受けの前でだけ、少しのポンコツさを出してくれるところがまた良い。
受けの心情の変化が丁寧で、自身を受け入れていく過程もしっかりと描かれています。
対する攻めの感情は、失われた2週間の部分がしっかりとは描かれていないので、少しわかりにくかったです。
個人的にお気に入りのシーンは、受けが攻めの使っていたシーツの匂いをかぐところです。本能のままの行為なんですが、すごく可愛くてキュンときました。