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はああ良かった…!
夜を徹して一気読みです。
オメガバースのファンタジー。
Ωが虐げられられる国で、地下牢に繋がれ虐待されていたアムリタ。
このアムリタがもう、本当に不憫で不憫で…
長年に渡る虐待のせいで、アルファの匂いを嗅ぎ分けること、そして妊娠もできない体になってしまっているのです。
そこへ突如、砂漠の中の豊かな国の王・イルが現れて救い出され、自分がイルの「運命の相手」なのだと言われるがー
というストーリー。
オメガバースの王道をいくようなお話、と言えるのですが。
ここにうまく、アムリタの父王の企み・イルが大切に想っているらしい「あの方」の存在、アムリタの亡き母が残してくれた薬の知識…といった種々の設定が絡まって、ぐいぐい引き込まれていきます。
そして個人的に、この作品の魅力は何と言っても攻めのイル様のスパダリ力!
男前で(褐色の肌ってたまらないですね)、溺愛、あまあま、一途な年下攻めです。
もう、私の大大大好きな攻め様でした…
いつでもアムリタ最優先。表情を崩さない男が、アムリタの前では笑ったり顔を赤らめたり、表情豊かになる。
思ったことをちゃんと全て言葉にして伝えてくれる。
嘘偽りのないまっすぐな愛に、真夏のチョコレートみたいにドロドロに溶かされました、私の心が。(表現が雑でごめんなさい…
だってこのイル様、アムリタを自分の王宮に連れてきてから毎日、アルファ用の抑制剤を飲んでるんですよ…大事な大事なアムリタに、無理やり変なことをしてしまわないように。怯えさせないように。
本当はあまり「運命の番」という設定は好きではないのですが、抑制剤を飲み、番となるオメガの匂いが分からない状態でアムリタと接しながら、アムリタの賢さ、健気さ、心の強さに惹かれていったイル。
…これを愛と言わず何と言う!!!
ちゃんと、「運命の番」であるからが全てではなく、人として惹かれていったことが描かれているんですね。
ときめきをありがとう。。
ストーリーが進むにつれて冗談を言ったりして変わっていくアムリタの姿に、じーんとなりました。
故郷の終わらぬ冬のように冷たく凍りついた心を、イルの愛がじっかり溶かしてくれたんだね…と、涙涙です。
作者様はこちらの作品がデビュー作で、新人賞を獲得されたとのこと。
すごいなあ…続編があったらぜひぜひ読みたいです◎
2人のあまあま閨事もできれば、もっともーーっと見たい!
同作家さんの2作目がとても素敵だったので、こちらのデビュー作も読んでみたくなりました。
本編230P弱ほどの厚みなのですが、ファンタジー設定も展開も盛り沢山で読み応えあり。
良い意味でオメガバース作品らしくないバース設定の活かし方が素敵な作品でした。
発情期ですぐに抱いて・抱かれてしまうこともなく慈しみ、運命だから愛するのでもなく、あくまでもアムリタを愛したいのだという強い気持ちがイルの言動のすべてから伝わってくるのです。
オメガに産まれたというだけで、母国で長年酷い境遇に置かれていたアムリタ。心身共にぼろぼろの状態だった彼が、父王からの命と自身の身体に関する憂いを秘めたままイスラッドへ嫁ぐことになる。
そんなアムリタに対して、常に誠実で真っ直ぐに愛を捧げるイルがすごく素敵でした。なんて良い攻めなのか。
愛されて愛されて幸せだけれど…と、後ろめたさに思い悩むアムリタが終始切なく苦しいのです。
こんな子幸せになるしかないじゃないか!と思っていると、イルがまるっと解決してくれます。本当に良い攻めでした。
包み込むような溺愛っぷりが気持ちよかったです。
ただ、アムリタが思い悩むシーンが多かったので、もう少し心からの幸せを感じているシーンもほしかったかなと思ったり、終盤が怒涛の展開すぎてちょっとついていけなくなりそうになったりと、詰め込みすぎていてちょっと惜しく思える点もありました。
ですが、デビュー作とは思えない一気に読ませる文章力と面白さがあります。
今後の作品も追いたくなりましたし、現代ものも読んでみたいです。
オメガゆえに虐げられるアムリタが不憫。全ては父王が元凶、運命の番を求めやってきたイスラッドの王イルに対しても邪魔をし、どこまでもアムリタを苦しめる言動に腹が立った。ある意味呪いだな。
イルの大きな愛に包まれて、頭角を現すアムリタに喜ぶも、偽りの花嫁だと自分に言い聞かせる姿は悲しすぎた。幸せになるべきなのに。
思い悩むアムリタを苦しみながらも見守るイルも切なくて、2人の心理戦は手に汗握りました。父王の策を暴き、何とか生還した時には安堵。
アムリタのおかげでアルスラーンも息を吹き返して良かった。アムリタが幸せになれてホッとしたし嬉しかった。
聡明で可愛いアムリタと懐深くかっこいいイルがお似合いで素敵だった。
Ciel先生のイラストも繊細で美しい。
私好みですごく面白かった!!
SNSの広告で出てきて、絵が素敵で銀髪の子が好みだったので読んでみました。
砂漠地帯にある富裕国の若きα王が、貧しい雪国のΩ王子を突然運命の番の相手として求婚してきます。
しかし、雪国の王子はオメガ性が分かってから、地下牢に幽閉され、存在しない人間として、酷い扱いを受けて何年も過ごしていました。その為、嗅覚が鈍感になり、オメガとして出来るはずの子供を産む事も望めないくらいに体が弱っていました。
運命の相手を前に、αのフェロモンも嗅ぎ分けられず、また、王に嫁いだとしても、子供も望めない。自分は王の伴侶になる資格などない。
しかし、彼の父で強欲な雪国の王は、外交のチャンスを逃したくない為に、王子に非情な命令を託して砂漠の国に送り出します。
砂漠の国の王イルサラーブは、雪国の王子アムリタよりも年下という設定です。運命の番を見つけ嬉々として、接してくるイル。ワイルドセクシーな見た目とは違って、実際は天然だし、一途でわんこな感じの王様ですが、早い段階で、アムリタが何か深刻な事を抱え込んでいることに気づきます。
奴隷と同じくらいの扱いを受けてきたアムリタに対して、我慢づよく注意深く接します。そして、アムリタは医師であった母親の遺品を頼りに、医学をはじめ、あらゆる分野の勉強を始めます。
イルには兄、アムリタには弟がいます。お互いの兄弟愛が重要になってきます。イルもアムリタも自分の兄弟をとても大切にしています。そして、兄弟の危機を解決することが、2人の幸せにつながって来るところが面白かったです。
イルの兄のアルスラーンの性格も良かったし、アムリタの弟のユナは可愛いくて頑張り屋さんなんです。
アムリタのやりたいことを全て叶えてやる!と、宣言したイルでしたが、その望みはまだ実現途中で終ってしまっています。もし、続編でるなら、読んでみたいです。
角川ルビー小説大賞優秀賞を受賞してのデビュー作だったんですね。大好きな設定だったので購入してみました。
冒頭のアムリタの置かれた状況にグッと心を掴まれて、魅力的な若き覇王のイルが登場してから一気に面白さが加速しました。
アムリタの父であるトルギスタン王の悪辣ぶりと、有無を言わせぬイルの迫力にワクワクしながら読みました。
文章も上手いしキャラは魅力的だし、お話は面白いしで実力のある作家さまがデビューしたと思いました。
父王に呪いのような命令を受けてイスラッドにやって来たアムリタでしたが、根っからの勤勉さと聡明さで王宮の中で存在感を増して行く様子も読み応えありました。
またイルも護衛のシャリーフも聡い人物なので、アムリタの塞ぎ込む様子からトリギスタン王の策略まで辿り着く見事さと、その策略を逆手に取る様な計画に読んでてワクワクしたんです。
この愚王をどう懲らしめて悔しがらせるのだろうと思った場面で、トリギスタン王国存亡に関わる様な天災が彼等を襲うんです。
ここからの展開がちょっとあまりに凄すぎて、あっけに取られて頭に入って来なくなりました。
地下牢で受けた暴力が元で壊れた身体とイスラッドの前王であるアルスラーンを救うためにはあの出来事が必要なのだとは思いましたが、ちょっと全体の流れからは浮いていたような気がしました。
作者さまの好きを詰め込んだ作品らしく、新人作家様らしい自由さと勢いはあったと思いました。
特にイルのアムリタへの愛情の表現には目を見張るものがありました。単に運命の番だけじゃ無い点に凄く好感が持てました。
でも自作からはもっと作品の良さを出す為の取捨選択をした方が良いのではと勝手に思ってしまいました。次作に期待したいと思います。