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クラウスとルルがどうなるのか見届けたい、でも終わって欲しくない、そんな複雑な気持ちでしたが今は終わってホッとしています。
クラウスが鉱山で事故にあい、消息不明ということでそれまでクラウスに対してどんな態度を取ればいいか悩んでいたルルはクラウスに生きていて欲しいという自分の気持ちと向き合うことに。
鉱山から無事救出されたクラウスとついに初夜を迎えることに。が、期待していた翼神の復活はならず、落ち込むものの対聖導士(魔族)戦に備える中、奇襲を受け…。
何故2人が結ばれても翼神が復活しないのか、ナディンの言うキーワード「捧げる」とは、そしてタイトルの「贖い」とは?これらの謎が一気に解けます。
このお話はもちろんファンタジーなのですが、2人が結ばれました→翼神復活です→魔族を殲滅出来ました→めでたしめでたしにならないんですよね。ファンタジーなのにそんなに現実甘くないぞと突きつけられて、そこにリアリティを感じました。
正直、この昇華編を読むまではクラウスを許せない気持ちが残ってましたが(笑)、クラウスがいかに過去を悔い、ルルに対しての覚悟を見せつけられたので、ルルと一緒に赦してあげることにしました(笑)。最後までこの物語を見届けることが出来て感謝します。
この巻で、完結でしょうか?
さらに続きを読みたいと思うような、未完の余韻ある終わり。
・・と思ったら、番外編がこの後出るそうです。
落盤した坑道で、怪我をして横たわるクラウス。
クラウスを守ろうとした人達が何人も死亡する。
小鳥になってクラウスを探し出すルル。
読んで、もっと息苦しくなる場面が続いて起きる。
ルルとクラウスは、真の伴侶となったのに、片翼のまま。
どうして完全体になれないのかと、ルルは悶々と悩む。
「ルルをよこせ」と魔同士が伝えに来る。
断った後、絶対にないはずの湖に、影のように突然現れる敵襲。
あっという間に、窮地に陥るクラウスの国。
もうダメなんじゃないかと思うギリギリで、どんでん返しがありました。
心臓に悪い展開だった。
頁数の兼ね合いなのか、駆け足で過ぎてあっという間の〆。
後書にあるように、
クラウスは、悩みを抱えやすい、騙されやすい、万能ではないキャラ設定。
人間臭いクラウスが、このシリーズの面白さを上げていると思う。
番外編の続編が楽しみ。
初めて読んだ六青みつみ先生の作品は「輪廻の花 ~300年の片恋~」で、次に読んだのが「偽りの王子と黒鋼の騎士」だったので間が暫く飛んでました。
そして今回の「鳴けない小鳥と贖いの王」シリーズだったのですが、基本的には先生の作品の奥底に流れるものは一貫してると思います。
なので読んでて苦手な方もいれば凄く嵌る人もいて、私は後者になります。
このシリーズのタイトルの中の「贖いの王」という単語ですが、今作でもってもっとも理解出来ると思います。
「彷徨編」でクラウスを酷い人間だと思い怒りを覚え、クラウス視点で物語を再びなぞった「再逢編」で彼の後悔を知り気の毒に感じた矢先にあの出来事ですよ。
こちらの「昇華編」ではルルの献身的な行為でクラウスを始め多くの人が崩落事故から助かります。
でも、クラウスとルルの中で何かが噛み合って無い不穏な空気のまま物語が進むのです。
ルルが口に出せない不安と分かっていながら救いの手を差し伸べられないクラウスの焦ったさ、何処に突破口があるのかと思ってたところで聖堂院に与する国々から襲撃を受けてまたもや危機に陥ります。
六青むつみ先生は2人にどこまで試練を与えるつもりなのかと、残りのページを気にしながら「コレって完結編だよね?」と何度も疑問が頭をよぎりながら読みました。
大丈夫です。2人はずっと一緒に支え合いながら生きていったようです。王と王侶として魔族を斃していったようです。
ようですとしか書けないのはその後のお話のまとめ方によるものです。あまりのスケールの大きさからこのような結末になったのだと思うのですが、私はこれが最適な形だと思いました。
雑誌に番外編(後日談)が掲載されるそうなので楽しみに待ちたいと思います。
個人的には毒婦ハダルの末路を見届けられたことが良かったです。
それから稲荷家房之介先生のイラストがこちらの世界観に凄く合ってて眼福でした。
ルルたん三冊目、完結しました、おめでとうございます。個人的には苦手な部分があって痛くてじっくり読めなかったので中立寄りの萌にしました。本編310Pほど+あとがき。
鉱山訪問中に崩落事故に巻き込まれたクラウス。小さな鳥の姿になったルルに発見してもらい癒しの力で一命をとりとめ・・・と続きます。
新しい攻め受け以外の登場人物はいなかったと思います。
++苦手だったところ
何かを捧げなければ何かを得られないっていうんですかね。そういうところが苦手なんです、痛くって。読んでるとちょっとしんどい。六青先生のお話なんで、覚悟していても今回は複数回そういう決死の覚悟的シーンがあって、読んでいる最中に3回ぐらいノックダウンした心地です。
シリアスものが超好き!って方はとても嬉しい展開なのかもなあと思うのですが、休日や仕事の行き帰りに気分転換できゃはきゃは楽しい気持ちや幸せいっぱい温かくなりたいなあと思うタイプなので、今回はちょっとしんどかった一冊でした。いやもちろんハピエンなんですよ、ご安心くださいませ。そこに至る過程があれやこれやあります、というご本です!雑誌に後日談が載るって聞いているので、そっちで楽しいお話を読めることをとても期待しています・・
一巻攻めが余りに余りで血管切れそうな位腹がたちましたが二巻の驚きの展開で三巻もかなりびっくりな展開でした
先生らしく簡単にはいかない感情や事象、不条理がこれでもかと言うくらいしっかり描かれています
障壁を超え成長するキャラクター達を見守るには読者的にもかなりハードでしたが二人のたどり着いた場所まで共に辿り着けて胸いっぱいになりました
今回やっと二人は初夜を迎えますがここですまないのも流石でした
体が結ばれたからと言って心から本当の意味で対等に結ばれる訳ではないとでも言うように二人降りかかる試練がこの世界への試練でもあるなんて…先生のドS心が素晴らしいです
二人が伝説の存在になっても戦いは終わらないというエンディングにも痺れました
共通するのは二人は結ばれて幸せになりましたとさ、なんて御伽噺ではない事でしょう
その点がもやる方もいるかもしれませんが…
彼らが生きる世界のある特別な時代を切り取ったような描き方で
彼らの生をより鮮やかに感じた気がして読み終わってそんな意味でも胸が熱くなりました
六青先生と稲荷家先生のタッグは素敵ですね
圧倒的な美しさの中に寂しさ儚さがあってより物事を盛り上げてくださります
おっきくなった毛玉とクラウスの挿絵が可愛すぎて悶えました
番外編が出るとのこと
楽しみにしています