ボタンを押すと即立ち読みできます!
バトル有りのファンタジーBL。中華な世界観を創り出す単語であふれていて、作品にどっぷり浸からせてくれる文章がとても良かった。
優瑶は何かと酷い生い立ちだけど、自分なりの前向きさを持っていて、いつまでも悩み続けないのが良い。いったん悲観しても別視点から考える冷静さを持っているので、心理描写が堂々巡りになることはなく、とても読みやすい。
羅は掴みどころがなく、意識があるんだかないんだか曖昧にしていろいろやらかしてるのは、ちょっと微妙かな。まあ分からない人だからこそ、やっと打ち明けられた本音に心が動かされてしまうわけだけど。
事件はいろんなところがしっかりつながっていて面白かった。羅の戦闘シーンは、決めセリフ(?)のようなものがあり、見た目が変わり、アニメを見ているよう。ただし倒し方は素手で地味に容赦がない。ラスボス戦は結構描写がグロかった。
ストーリーは倒して終わりってことはなく、本当の解決は二人の愛による浄化という流れ。最高に盛り上がったところでの告白で、BLとしても満足度の高い作品だった。
好きだったのは、羅が寝ながら優瑶の温もりを探すシーン。勝手に抱き付かれて拒否反応を示される弐秋官が可哀想で笑ってしまう。首元に鰻を入れられたかのような動きって表現がすごい。羅の可愛さが表れてるシーンでもあると思う。
印象に残っているのは、嵌められてピンチに陥ったと悟った優瑶の心理描写。過去と羅に出会ってからの一年を思い返し、恋を自覚しながら同時に諦め、それでも羅の助けを信じる流れが熱い。たくさんの感情が渦になって伝わってきて、この半ページにものすごい読み応えを感じた。
電子特典はコミカルで笑えるところがいっぱい。エロシーンで冷静に発される「なんて都合のいい」という優瑶のツッコミがとても好き。
受け 蔡優瑶(ツァイヨウヤオ)、愛称で子猫(シャオマオ)、瑶瑶(ヤオヤオ)
攻め 羅九(ルオジウ)
ルオ・ジウという区切り方なのか、地の文では「羅は〜」「羅を〜」って表記。慣れるまでは毎回「ら」って読んじゃう。
出だしから、早く優瑶を愛してくれる攻めよ現れろ! って強く念じてしまうほど、結構しんどい人生を送っている優瑶。
案の定、店を襲ってきた賊に拉致られて、監禁されてるところに羅九がやってきて優瑶を買う。
登場シーンから既に、溺愛攻めやスパダリ攻めの雰囲気があります。
世界観やキャラが好きだから、字が読めない事だけがネック。
キャラの名前や地名にチャイナネームはいいんだけど、服とかの名称に難しい漢字を使った用語を使われると、ルビがない場合ググれなくてわからないまま……。
一般向けの本を読めないので、BLでガチめの中華ファンタジーを楽しめました。
最初のうちは、まぁ割と良くあるパターンよね、と余裕で読んでいました。
薄幸の主人公が攫われ、人身売買マーケットで「お金持ってそう」な男に買われ、飼われ始める、みたいな。
そこに仙術やら、伝承の生き物やらが登場して、「なんちゃって中華」な世界で悪鬼退治が繰り広げられて〜…なあたりから、ワクワク感が止まらなくなりました。
なんだコレなんだコレ、と。
余裕綽々で読んでいたのに~(笑)。
攻めの力があるゆえの葛藤、受けの将来を考えての自制に悶えたり。
受けの健気な片想い(じゃないけど)にホロリとしたり。
会話部分は軽妙でクスッとしたり。
バトルシーンには、肩に力が入ってしまったり。
もうねー、良い意味で「ごった煮」なんですよ。
ちゃんとBLなのに、BL要素以外の内容も濃い!んです。
よくぞこの作品を1冊にキレイにまとめたな、と改めて先生の文章力、構成力に唸りました。
バトルのラストは、感動的でした。
そう来たか、と。
泣きました。
ご都合主義的展開ですが、私は好きです。
佐竹笙先生の作品はこれで3作目となりますが、相変わらず構成と文章力の優れた作家さまだと思いました。
優瑶(ヨウヤオ)を虐げる義母とか羅(ルオ)が悪鬼退治をするようになるキッカケとか、優瑶の悪鬼となってしまった父親の秘密は何となく想像がつくんです。
その推察が当たっているかが気になってしまって、最後まで夢中で読んでいました。特に優瑶の義母の正体が分かった時はやっぱりと納得して、優瑶の父親の愛に涙が出てしまいました。
この羅は凄く男前で強くて頼りになって優しい人物なんです。でも決してスパダリじゃないところが魅力的なんですよ。
優瑶が羅に買われて一緒に暮らすようになってから身体も元気になって、初めて心も平穏を取り戻すんです。この一生懸命に働いて頑張っているシーンが凄く良かったです。
そして羅に向ける気持ちに気が付いて、初めて独占欲と嫉妬を覚えるんですが、羅と親しいようでいて距離がある事に心を痛める様子がとても切なかったです。
なんで神評価にならないかと言えば、優瑶の名前でした。驚いたのは章が変わる度にちゃんとルビが振ってあって、こんなに親切な本は初めてでした。中華風のお話は名前の漢字読みが難点なんですが、驚くほどフリガナのある作品でした。
ただね… 優瑶(ヨウヤオ)という名前が頭に入って来ないんですよ。振り仮名見ててさえ頭の中で違う読みに変換されてしまうんです。もう少し違う読みにして欲しかったです。
事が落ち着いてから2人は結ばれるので、最後の最後にやっとエチシーンがあるんです。このシーンしかないからなのかルビー文庫にしては凄く長くて疲れました。もっとギュッと詰めて短くして欲しかったです。
とはいえルビー文庫で面白い作品を書いてくれる貴重な作家さまなので、これからも応援して行きたいと思いました。
変わり者でこの人は敵なのか味方なのかと気になってた、景弐秋官が途中消えたのでエロを減らして彼とのその後を書いて欲しかったです。
それと高崎ぼすこ先生ファンの方には申し訳ないですが、女性が登場するまで中華風だと分かりにくくやはり現代が舞台の作品向けの作家さまだと思いました。
この本を予約する時も間違いではないかと、表紙とあらすじを何度も見比べてしまいました。
薄幸健気で病弱な主人公と精悍だけど身だしなみはくずれた道士さま。
出だしから漢字の羅列にくじかれました。
中華ものは漢字とくに固有名詞に弱いんです。毎回せめて名前にはふりがなをふるか、カタカナにしてくれるといいのになあと。人物名以外の物はそこまで漢字にしなくても…というくらい漢字が多いです。
お話も義母に虐げられる病弱な主人公が一人ぼっちでひっそりと。
再婚以来父にも会えなくなって…。
ひしひしと薄幸さが迫りますね。
悪鬼が好む魂は欲や苦しみだというのに、主人公のきれいな魂も欲しがるってあたりで(かなり前半)もういいや…となってしまいました。どっち?どっちも?それとも奪った魂の執着した魂がたまたまきれいなの?
多分こんなところでつまずくということは、今は読めないということなのかな?なら書くな!なんですが。
作者さんの他の作品は大好きなので、おそらく続きを読むととっても良いお話なはず!ごめんなさい。