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作者様買いです。ファンタジーの世界観とキャラ設定がいつも丁寧で、無理のない(でも抜群に面白い)展開が好きで、今作も購入。
私の求めていた冷酷攻めはこれであった…!攻めのタールグは受けのレオナに惹かれるまでは本当に冷酷なんです。為政者として必要なことだけど、まぁ疑り深い。それがボロボロと崩れる様にある種の快感があります。絆され攻め最高!
今で言う学習障害のあるレオナの世界はぐちゃぐちゃで常に混乱の中にいたけれど、タールグに会うことで世界の中心が定まり生きやすくなる。
そしてタールグは冷酷に、冷静に、人を信じず物事を断じていたのに、レオナとの交流で自分を振り返り、世界がぐちゃぐちゃになります。
この対比も良かったです。依存ではなくお互いに影響しあうところが。キャラクターの特性が上手く噛み合ってストーリー展開に説得力と深みを持たせていました。
本編、とても面白かったです。
そして電子おまけSS、タールグのキャラがデロデロに崩壊しています。シリアスな本編とのギャップにどうしたどうした?とニヤニヤしながら読みました。おまけの醍醐味ですね。下ネタで頭の中桃色な攻めに笑いました。
不遇で健気だけど芯のある受けと、受けに会うまで愛を知らなかった冷酷攻めが、お互いに振り回されるお話が好きな方、お勧めです。
今回はカリアプト帝国の冷酷な皇帝と
ユクステール王国の愚鈍な第二王子のお話です。
愚鈍な男色家と噂された受様が
人質として向かった帝国で攻様の愛する伴侶となるまで。
受様は王国の第二王子として生れますが
文字が読めないなど知能に問題があるとされた上に
国教に背いて同性の付き人と情を通じたと咎められ
王位継承権から最も遠い地位にいます。
母の異なる第一王子に何かと疎まれているために
カリアプト帝国との不可侵条約により
皇帝の妹姫が王国に、受様が帝国に赴くことになります。
受様との別れを悲しんでくれたのは
同母の第三王子だけで受様は簡易な手荷物だけで
帝国に送られる事となります。
そんな受様に帝国の若き皇帝である攻様は
何不自由ない暮らしを約束してくれ
通訳と2人の付き人をあてがってくれますが
それは受様の生活ぶりを観察し、その質を知るための
監視役でもあったのです。
攻様は受様がやってくる前にその人となりを
全て調査済みですが、どこまでが真実はわかりません。
彼の置かれた状況を考えればこちらを油断させるため
あえて低い評価を流されていたのではと
間諜である疑いは消せません。
果たして敵国の人質となった受様に待つ未来とは!?
腹違いの兄王子に冷遇され続ける受様と
疎まれ続けた父王を弑して皇帝となった攻様の
派遣争いが絡んだ王宮物語となります♪
佐竹先生の作品は毎回
小気味よいほどのこちらの予想を裏切るというか
想像した通りの展開で進まなくてハラハラ&ワクワクで
1年ぶりとなる本作もとっても面白かったです。
本作は受視点と攻視点で進むために
読者にはそれぞれの過去や状況、思惑が知れますが
相手側には見えません。
受様は発達障害の学習障害のために
愚鈍と見下されて育つのですが
異母兄にはそんな受様ですら脅威であり
策略を持ってその地位まで追われてしまいます。
そんな育ちをしたが故に受様の自己肯定力は低く、
周りの目に配慮しながら行動するのですが
そんな受様の行動が攻様の疑惑を深めていきます。
攻様は受様の年には皇帝として国を治めていましたが
父王とその妃、妹にまで命を狙われた過去があり
策略や陰謀は日常茶飯事で基本的に人を信じきれないので
受様という人間が掴み切れずにいるのです。
受様がぐるぐるする展開はマストでも
攻様がグルグルする展開は珍しいし
その対比がとても上手にお話を盛り上げていき
ハピエンはお約束とは思っていても
ドキドキ&ワクワクが止まりませんでした。
本編はちょっ甘さが少ないと思いますが
書店特典にて2話、KADOKAWAカクヨミニに2話、
先生のプライベッターにて1話読めますので
ぜひこちらもチェックしてみてください (^-^)v
面白かった。
愚鈍だと侮られてきた王子受けと、隣の大帝国の王様攻め。
人質としてやってきた受けがどんどん周りを懐柔していくから愚鈍な振りでこちらを油断させようとしているのでは???と疑いまくって監視しているうちにミイラ取りがなんとやらな話。
受けはディスレクシアと恐らく視覚過敏の影響で文章を読むのが苦手で、視覚情報が多い場所(カラフルで豪華な王宮とか)が苦手。あと言葉の裏を読んだりするのも苦手だし、纏まらない話をグワーッと話し続けちゃったりするタイプの子。
攻めは家族に裏切られて、苦しい生活の中で皇帝に成り上がった人だから他人を信用できない。受けのことでも直ぐに疑心暗鬼になってしまう。だけど受けの素直さや素朴さに惹かれていくことは止められなくて拗らせちゃう。勝手に疑って空回っている攻めが面白かった。
受けに本当に裏切られることが怖くて、いっそさっさと裏切らせて正体を暴いてやる!と重要な会議とかに連れ回して試し行動をする攻めが痛々しかった。でも肝心の受けは会議中に睡魔と戦ってるしでズッコケそうになる。他にもケンカ後に受けに目を逸らされてショックを受けてたら、変装で着てた護衛兵の制服がかっこよくて照れてただけとかシリアスな中で受けのほのぼのした空気に癒される。
受けも攻めに好意を抱いているものの、こんなに近くにいなくていい、遠くから眺めるだけで十分、眩しすぎるとか思っている心情が推しに対するオタクみたいで笑った。
最後、殺伐とした世界で生きてきた攻めが、受けが生きている長閑で素朴な世界に俺を入れてくれと言うシーンがとても印象的で好きだった。
はーー…めっちゃ楽しかったです。
ストーリーも良いんですけど、特に笑いのエッセンスが最高でした。途中手足をジタバタさせて笑い転がってしまって、家読みしてて良かったです。
このお話は、ユクステール国王子のレオナが、政情問題による交換人質としてカリアプト国にやってくることから始まります。カリアプト国皇帝のタールグと出会い、お互いに惹かれ合っていく…という展開です。
このタールグとレオナの恋愛過程が、はっきり言うと焦ったくてモダモダです。ジレモダだけど、めちゃ面白い。
何事にも完璧にみえる皇帝タールグの恋の言動ですね……これが良い。
レオナは王子だけど苦労人です。健気で素直な性格で、畑いじりが大好き。タールグは最初はレオナが何が企みがあって人質として来たんじゃないかと疑って接していくけど、次第にレオナを好きになっていきます。
この作品はタールグの恋愛思考と言動を楽しむものなんじゃないかなって思いました。とにかくタールグの心の声が多く、それがどう見ても恋愛童貞思考。そして不器用。
タールグは「レオナは俺のこと好きだな」フフンって感じでしたが、予想と違うレオナの反応に疑問→気になる→不安→好きかも→レオナに愛されたい…こう願うようになっていくわけです。
タールグとレオナの噛み合わない会話、タールグの心の声(ツッコミ)、レオナと親しい者への嫉妬。……ここでは説明が難しいほどに笑っちゃいます。タールグは特に心の声の才能がすごいです。
私のお気に入りを1つ紹介しましょう^ ^
レオナの弟に面会したときの場面。レオナを守るように行動する弟くんを見て、
「兄(レオナ)と昨夜も寝床で剣の稽古(エッチな抜きあいっこ)をしたと知ったらどんな顔をするだろうか」
比喩〜!(笑)心でこんなことを考えながら笑みを浮かべるタールグに、腹抱えて笑ってしまいました。
タールグのレオナ大好きダダ漏れが面白い。だけど、本人には好きって言えないチキンな面もあり…これがジレモダの要因です。
それは彼の生い立ちに関係していて、ある意味可哀想ではあるんですよね。タールグは誰かに愛されたことがないから愛し方が分からなくて、レオナに期待するばかりで自分からは何もアクションを起こさない。だから気持ちが伝わらない。タールグの騒がしい心の声を聞けば一発解決なんですけどねー…。
こんなにもレオナのことが大好きなのに、レオナに誤解されてすれ違って…何をやってるんだか。そんなタールグを応援しながら読んでいたので、やっと気持ちを伝えたときはめちゃくちゃ嬉しかったです(≧∀≦)
タールグの恋愛成長の一方で、ユクステール国とカリアプト国とのあれこれがあり、ピリつくシーンもちょこちょこありますが、その合間に2人の甘めのエピソードが挟まっているという構成です。それが作品の緊張と緩和を生んでいて、グイーッと引き込まれました。最後まで一気読みです。
タールグのキャラ崩壊溺愛ぷりは、電子限定おまけS Sで最強になっていました。電子S S…めちゃくちゃ面白かった。
紙版と迷ったけど、電子にして良かったです。
冷酷な覇王の頭脳戦?
とても長く感じました。濃かった〜。
愛されたことがないからわからない皇帝タールグが、人質の王子レオナにセルフ振り回され攻めか?難義な皇帝ですねえ。
レオナがとっても良い子で。なのに勝手にハメられ汚名を着せられ挙げ句に人質にと追放されて。
タールグはちゃんとレオナのあるがまま、本質を見てくれて。なんか勝手に策を巡らせ勝手に怒って何だこの人は?と思ったけど…。
レオナの世界を整理して安定してくれた、レオナを愛してくれた不器用な男、タールグ。
色んな人物の思惑や裏切りや密通やら凝ってますね。相関図を書きたくなりました。
タールグの人心掌握術や外交にもレオナによって変化がありましたね。
孤独で冷酷な覇王と優しい王子は国を導き幸せになったようですね。最後のプロポーズ的なタールグの台詞にグッときました。