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表題作冥府の王の神隠し

ルイ(大槻類)
冥府の王
北浦伊月
考古学者,28歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

古墳の発掘調査中、落盤事故に遭遇!! しかも目覚めた先は、なんと冥府──!? 瀕死だった考古学者の伊月を助けたのは、冥府の王ルイだ。「怪我を治す一か月間だけ滞在を許可する。ただし俺には一切関わるな」尊大で冷たいのに、伊月の危機には駆けつけて悪霊から守ってくれるルイ。実は伊月には、十年前にも三か月間の神隠しにあった過去がある。もしや以前にもここへ来たのではと疑い始めて!?

作品情報

作品名
冥府の王の神隠し
著者
櫛野ゆい 
イラスト
円陣闇丸 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199011016
3.4

(30)

(3)

萌々

(11)

(13)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
100
評価数
30
平均
3.4 / 5
神率
10%

レビュー投稿数10

選択に納得するしかない?

お話の運び方がさすがでした。
後からわかるアレコレに、そうだったの〜!?

ルイの一人の時間を思うと、伊月への想いを抱えて18歳でこの選択をしたことを思うとたまりません。28歳の選択も。

伊月が現世へ戻るのかどうかが気になって途中からは走り読みしてしまいました。
どうか別れてたこの10年の分、ルイを忘れてた分このままずっと一緒にいて欲しい!
どうやったらそれが叶うか?と思ってたんですけど…。

二人にとって最良の選択だったんでしょうか。ルイが不憫なような…。

0

失ってしまった記憶とは



冥王の王と考古学者

所属する教授の付き添いで新たに発見された古墳の調査に来た助手の伊月(受け)は落盤事故に巻き込まれ、気がついた時には冥府にいました。
冥府の王ルイ(攻め)に悪霊が現世に影響を与えたための落盤事故なのでこちらで治療してから現世に帰すとので、それまでひと月冥府の城の中で暮らすように、そしてルイとは関わりらないようにと説明されます。
城の中は昔やったゲームと同じだったり、部屋の中が昔の隣人の部屋と同じだったり、玩具なども伊月の知っているものばかりで、もしかして知り合いなのかと疑問に思います。

伊月は10年前の土砂崩れで両親含め近隣の人達を亡くしていて、その際神隠しにあっており3ヶ月間の記憶がありません。
何か大切なことを忘れている気がして、恋人とも長続きしません。
冥府に来て、あの時もここに訪れたことがあったのでは、ルイとは知り合いなのではと聞きたいことが沢山あるのですが、ルイはこちらと接触しようとしません。
なんとかルイと話がしたいと画策するのですが。

実はルイは伊月の幼馴染なのですが、なぜ記憶が無いのか、どういう関係なのかとか、読む前からの想像と全然違っていて、とても面白い。
お互いの執着具合がいい感じで、特にルイはあとがきにもありましたが、考えが表と裏と実際の望みと全部違っている上、臆病で暴走しがちなのでどこに落ち着くのかとハラハラしました。

伊月との出会い以外は何一ついい事のなかったルイが幸せになるといいなと思います。
ただ、2人の祖父的存在、佐伯さんが取ったあの行動はなんでだったのかがちょっと疑問のままなのと、気の毒ではあったけど何一つ悪くないルイにあんなに酷く扱った継母が成仏するのはちよっともやもやしましたが概ね良いお話だったと思います。

鎮魂の力は伊月の方が上らしいので、最終的には2人で冥府の王と伴侶という感じに落ち着かないかなーと思いました。そうすればルイの不幸な生い立ちと相殺されるのではないかな、というのが希望です。

0

ルイの想いに涙

冥府って聞き慣れなくて、その世界観を理解するのに時間がかかりました。
そして冥府の王であるルイが何を考えてるか解らない。伊月と同じように神隠しの謎を追ってましたが、ルイの心情が見えてくると、ルイの想いが切なくて愛しくて。
そんなルイの想いを知り、真実を知った伊月と同じように、どこにお話が向かうのかドキドキでした。
悩んで迷ってたどり着いた2人の恋に感涙でした。
ルイの執着愛と懐深い伊月にきゅんとしました。面白かったです。

1

ちょっと違ったかな

櫛野ゆい先生の作品は結構読んでいるつもりなんですが、神作品は少ないんですよ。良くて萌2評価がせいぜいで、今回は萌評価でした。

設定は凄く凝っているしイラストは円陣闇丸先生だしで、ルイがとても美麗で終盤の拘束されてるシーンは違う扉を開けてしまったかと思ったほどでした。www

ただ、凝っているぶん読んでいて何度も???と思ったり、突っ込み入れたくなったりもしました。

ネタバレになってしまうのですが、前冥府の女王がルイを後継者とした時は彼は生者だったわけですが、生者を後継者にしちゃって良いわけってずっと引っかかってしまいました。冥府の王は人間がなるのは分かるんですが、死者から選ぶんで無いの?って思ってしまったんです。
そして冥府の王としての役目を終えると神になるらしいのですが、神に近づくのに力が弱くなるのは何でって思ってしまったんです。
この辺りが凄くご都合主義に思えてダメでした。

そして読んでるうちにこの結末はルイが現世に戻るのか?伊月が冥府に行くために死者になるののどっちになるのだろうと思ってたんですが、どちらでもなかったです。
なんか今作は引っ掛かりが多くてお話に没頭出来なくて困りました。

3

失った過去に隠された想い

今回は冥府の王と古学者のお話です。

10年前に記憶を失った受様が
攻様と関わった事で過去を知り、未来を選ぶまで。

受様の故郷は10年前に土石流に飲み込まれ、
受様は自宅の2階ごと流されます。
助かった受様は両親を探してあちこち歩き回り
土石流を迂回して山に迷い込んだ・・・

と思っていたら気が付くと神社の境内にいて
土砂災害の日から3ケ月間の記憶を失っていました。

昔から好きだった考古学の道へと進んでからは
神隠しのことはなるべく考えないようにしてきますが
喪失感は拭えません。

今は考古学教授の助手として
全国の遺跡や古墳調査に飛び回る日々ですが
1ケ月前に初めて自分から付き合いと思った女性と
交際を始めた事で前を向くことができつつあります。

大学が夏季休暇に入ったある日、
教授の助手として新たに土器が出た古墳へと向かいますが
そこは受様が行方不明となった山だったのです。

古墳に辿り着いて写真を撮り始めた受様でしたが
昔持っていたキーホルダーのことを思い浮かべた直後、
激しい頭痛に襲われ1人だけ先に下山することになります。

ところが急に雨が降り出し、
見つけた洞窟でやり過ごそうとしたところ
その洞窟が音を立てて崩れ出し

受様はその落盤事故で命を落としかけ
魂だけの存在になってしまうのです!!

そんな受様を助けてくれたのは
人語を語るドーベルマン3匹を引き連れ
冥府の王を名乗る攻様でした。

冥府とは彷徨える魂が審判の時を待つ場所で
大怪我を負った受様の身体を治療を請け負ってくれますが
1ケ月は冥府に留まる必要があるというのです。

果たして受様は無事に現世に戻れるのか!?

かつて神隠しにあった受様が冥府の王の攻様と出会った事で
過去を知っていくファンタジックな物語になります。

意味深なタイトルから攻様が受様との間に
何らかの関りがあるのは必定で10年前の神隠しと
どうかかわるのかとワクワクで読み進めていきましたが

攻様が受様にわざとらしいほど冷たいのに
攻様が隠しているものがなかなか見えてこないため
ドキドキよりもモヤモヤな感じでした。

彼らの関りが少しづつ明らかになる事で
受様が引っかかっていたパーツ(伏線)の意味が見えてきて
思ってもみない真実にやられた!! って感じで

2人が互いを大切な存在だと認め
受様が攻様と共にいる未来を選ぶまで
とても楽しく読ませて頂きました (^-^)/

受様が過去失ったのはなぜなのか、
受様の失った記憶に隠された攻様の想いが切なく
そんな攻様の決意を覆そうとする受様が
とっても男前で良かったです。

2

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