「このひとだから、嫌われたくないのだ」

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作明けの花に嘴

白栄
百鳥の楽園の王,朝凪の夫
朝凪
目白一族の小鳥,白栄の正室(妻)

その他の収録作品

  • 描き下ろし(6.5話)
  • あとがき

あらすじ

目白一族から疎まれていた小鳥・朝凪。
どういうわけか、鷹の王・白栄に見初められ嫁入りすることになる。
恐ろしい猛禽のはずが、触れてくる手は優しくて…。
せっかくなら仲良くなりたいけれど、
中途半端な私のカラダを見たら
きっと幻滅してしまうに違いない。
そんな不安を抱えたまま迎えた初夜。
荒い息、そして滲んだ汗…
なんだか旦那様の様子がおかしくて――?

作品情報

作品名
明けの花に嘴
著者
もちゃろ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
彗星社
レーベル
Continuer.
発売日
電子発売日
ISBN
9784434320705
4.3

(101)

(67)

萌々

(16)

(11)

中立

(2)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
15
得点
434
評価数
101
平均
4.3 / 5
神率
66.3%

レビュー投稿数15

不器用ながら両想い

白栄×朝凪

ほんわか和風ファンタジーの
鳥系人外の世界に、
孤立していた小鳥の朝凪が、
猛禽の王・白栄様に嫁入りすることになる。
まさに美しい夢のような展開。

だが、

朝凪の「不完全」な体と、
その卑屈で健気な一面や、
雄としての自分が
王の子供を産めないという考えなど、
王にふさわしくないという感情が、
心を締め付けている。

さらに
男の体を王へ捧げるためには「準備」が必要だ。
その中で、
彼の一生懸命さや、
白栄様への恋心がだんだんと大きくなる中で、
白栄様を喜ばせたいための
必死な努力は共感を呼ぶ。

白栄は、
王として威厳とそのカッコよさを持ちつつ、
朝凪に対する優しい愛情がある。
彼が朝凪の前で、
強がりや、カッコ付けたりとか、愛しい。

白栄から励まし、
朝凪は少し自信をつけてくるのも温かい。

両想いなのに、
その想いがうまく通じ合わないみたい。
お互いに嫌われたくないために必死に振る舞う。
その不器用さがまた愛おしい。

2人の心情と
その微妙な変化が描写が繊細で、
想いを募らせる中での
微妙な距離感がもどかしくて、
お互いの気持ちが交錯しつつ、
少しずつ進展していく過程に、
引き込んで離さない。

激しく燃え上がるような愛情ではないけど、
2人が一緒にいると、
2つの恋心から感じられる
金平糖ひとつ分ほんのりとした甘さが、
胸の奥まで広がってくるような
微細な恋の気配が本当に最高キュンで、
これからも、
2人の恋の行方を追いかけるのが楽しみです。

8

美しいぞ。

もちゃろ先生の描く和風ファンタジーです。
私はもともと日本の平安時代のお話が好きなんです。こちらも平安時代をモチーフにしています!

個人的に最高。
華麗で、美しい世界観が堪らなく魅力的で読み込んでしまいます。
鳥類の暮らす世界でも羽根あり、羽根なし、本来の鳥姿と3つ有りまして。

こちらに出てくる鷹の王、白栄に興し入れとなった目白一族の朝凪。
朝凪は羽根ありの、転化の才を持たない半端ものとされて育てられて、とっても自己肯定感が低い。
だけど望まれて輿入れをするのです。
そして鷹の王の白栄は、朝凪を慈しみながら愛してくれる…

ん~なんだこれ。
ロマンチックが、過ぎないか?
過ぎる。
個人的な好みに刺さりまくりなんですよ!

後宮あるあるで、朝凪を取り巻いた意地悪な伽の準備とかなんて大変です。
だって、性的な事には触れずに育ってきた朝凪には快楽が怖くもあり。
でも白栄の渡りの為に健気に頑張るんです。
朝凪、可愛いぞ。

白栄も実は、やんちゃなところも有るんですが、スパダリになりたいから紳士的に振る舞っております。
それも、すべては朝凪に嫌われたくないから!
ん~良き良き、素晴らしく良いと思う。
互いを大切に思いながら、相手を少しずつ知っていく過程が丁寧に描かれています。

そして!
大切なことが読み進めた後半にわかりました!

これ、続くお話だ。
完結じゃない…

そう、なかなか話が収まる気がしなかったけども巻数ないからわかりませんでした。

これから王宮には謀反ごとが有りそうな不穏さがちらほら見えたり。
王宮ものは、そうこなきゃ面白くないなぁと期待する展開が有りそうです。
ちなみに白栄と朝凪の後朝は、正確にはまだまだ。
白栄も愛するが故に、克服すべき事が有るみたいで大変です。
 
もちゃろ先生も、ゆっくりとした展開と、あとがきされてますが、続きが早く読みたいなぁ。
160ページくらいなんですけど美しい描き込みが素晴らしくて読み足りなさは有りませんでした。
次がとにかく楽しみです。

5

美しい!!かわいい!!

表紙に一目惚れしました。
とにかく美しいです。
時々、表紙だけキレイな作品もありますが、この作品は最後のページまで美しい絵柄で美しい物語を披露してくれます。

もちゃろ先生の作品を購入するのは今作が初めてでした。
過去作を読んでいないので、あくまでも個人的なイメージで申し訳ないのですが……今までの作品のイメージはどちらかというとエロ特化という感じでした。でもこの作品はどちらかと言うとあまりエロくありません。
もちろん、エッチなシーンはあります。美しい絵柄で美丈夫の攻めと儚げ美人の受けの官能的なシーンを楽しめます。それでも物語の時間がゆったりと流れて、物語の世界観やメインカプの設定や気持ちや動きなどが丁寧に描かれています。
ファンタジーなので、丁寧なバックグラウンドや美しい絵柄は読んでいてとても楽しく嬉しくなります。

攻めの鷹の王・白栄と受けの小鳥・朝凪の過去や恋を意識する想いなどを読むと、強いはずの王の白栄もかわいく思えます。白栄の愛おしくて食べてしまいたい衝動も、愛しているから優しく守りたい、嫌われたくないという想いも言葉少なげですが、とてもよく伝わってきます。
特に誰もが萌えるのは、「求愛の給仕は夫の誉」というセリフにシーンだと思います。

朝凪は人の姿で手が羽という半端な転化姿である自分に自信がなく、正室として選ばれた理由もわかりませんし、白栄に優しくされるのにも戸惑いがあります。でもいつでもがんばっていて、頬を赤らめている姿がとてもかわいいです。正直、女の子にしか見えないので、そこがダメな人もいるかもしれませんが、ホントにとてもかわいらしいのでぜひ読んでもらいたいです。

先生のあとがきにあるように1巻はゆるやかに流れていきます。
王の周りで起きている不審な様子によってきっと2巻は物語に大きな動きがあり、ふたりに困難も待ち受けているかもしれません。
続きが楽しみですが、のんびり1巻の余韻に浸りながらゆったりと次巻を待っていたいと思います。

3

和風ファンタジー・:* ゆっくりと、確実に縮まっていく二人の距離

ちるちるさんの「受けリンピック執着部門特集」で取り上げられていた、こちらの作品。

第一話の1ページ目から、美麗すぎる絵に心が奪われます…!

時は平安。
鷹の王・白栄に見染められて嫁いできた目白一族の小鳥・朝凪は、自分の中途半端な容姿に自信がなく、なぜ自分が白栄に選ばれたのか、疑問に思っています。

失礼のないように、嫌われないように…とびくびくしながら白栄に接する朝凪。
一方の白栄は白栄で朝凪に嫌われたくなくて・朝凪を怯えさせたくなくて、積極的に手を出すことはせず…(ざっくりあらすじです;)

じれったい二人の関係ですが、一緒に時を過ごす中で、惹かれ合う気持ちが強くなっていく様子が表情や仕草から分かり、読んでいるこちらも胸が高鳴ります。

特に印象的だったのは、白栄が朝凪にりんごを食べさせてあげているシーン。
(うさぎりんごなのが、もう既に可愛い❤︎)

お手を煩わせてしまいます、と言う朝凪に対して、白栄は首を傾げながら


「求愛の給餌は夫の誉だろう」


と返すのです。



ここで私の萌えが爆発したと言っても過言ではありません…

「執着」というと、個人的にはどうしてもヤンデレ攻め(それも結構ダーク目な)を
イメージしてしまうため、白栄が執着攻めだとはあまり感じなかったのですが、「溺愛・クーデレ攻め」であることは間違いないかと。

この二人、まだ最後まで致してはいないのですが、
侍女たちに夜伽のあれこれを教わる朝凪の姿が、とてつもなく官能的でした…

まだまだお話は動き出したばかりなので、次巻が楽しみです。

2

もどかしい人にはもどかしいかも。でも優雅な世界観に浸れます。

何と言っても描かれる和の世界の優雅さに惚れ惚れします。着物や踊りに使われる布の動き、用意された食事(器なども含めて)や文を入れてある箱や置かれている几帳など、小物に至るまで一つ一つが丁寧に描き込まれ、そこに鳥類の世界としてそれぞれの姿や生態の特徴が盛り込まれています。あなや……作画コストが高い……。だからこそ、違和感なく一コマずつ丁寧に読めます。

目白一族の主人公と、鷹の一族の相手。出会ってから、主人公が少しずつ少しずつ、自分らしさを探していっています。愛しいな…もっと欲を出して生きていっていいんだよ…。

まだ2人が最後まで致してるわけではありませんが、官能的なシーンは巻中そこここに散りばめられています。侮るなかれ、致さなくともエロさは作れます。
1巻で劇的にお話が進むわけではなく、ゆっくり時間をかけて2人の関係性が描かれている印象です。私は気になりませんが、人によっては少しもどかしい感じがするかもしれません。今後もゆっくりじっくり2人を見守っていきたいです。

2

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP