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表題作

宗司
優しい従兄(?
母親の介護をしながら日々過ごす

あらすじ

封印されたあの庭には、決して入ってはいけない―。幼い頃から憧れていた、優しい従兄の宗司と同居することになった稔。けれど、日毎に募る仄暗い想いを持て余した稔は、ある夜禁断の庭へ足を踏み入れてしまう。ところが、庭の茶屋で自慰に耽る稔を目撃した宗司は、様子が一変!!「なぜここにいる」と猛々しく稔を抱いてきた!!宗司の激情に、稔は歓喜と恍惚の中で陵辱されるが。
出版社より

作品情報

作品名
著者
烏城あきら 
イラスト
今市子 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199004612
3.5

(20)

(6)

萌々

(4)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
67
評価数
20
平均
3.5 / 5
神率
30%

レビュー投稿数10

今まで読んだ中で1番のBL小説

私は、病んでる系の作品が好きだけど病みすぎは苦手というめんどくさい趣向なのですが、
この小説はいい感じのじっとりとした湿気感と病み具合で読みやすく、いい感じに萌とエロと闇を補給できる作品です
最後がハッピーエンドなのも後味がよくて最高でした。
病みに全振りした作品はたくさんありますが、いい感じの病み加減で湿気のある作品というのは中々ないので星5を付けさせていただきました。

3

入ってはいけない庭の秘密

「許可証をください!」の烏城あきら先生作品。
こちらは許可証シリーズとは随分とイメージが違う。
耽美的とも言えるし、なんとも薄暗く、回りくどく。
設定や展開もあらすじ/説明として書くには非常にめんどくさいのでここでは感想だけ。

他人の目から、それどころか家族からも隔離されている庭。
その中に建つ茶室に隠された一族の秘密…
病に倒れた異母兄弟との、籠城にも似た愛欲。
それを期せずして繰り返してしまう従兄弟との男性同士の因縁話、のような展開法です。
現実にはそれほど暗くも耽美でもない立地点だと思うんです。
それを、同性に惹かれる事、年上の従兄弟に惹かれる事を罪悪と考える主人公の視点で、殊更に「禁断」臭を漂わせている。
必要以上に「庭」とそこにある茶室、そして隠された家族の秘密を仄めかして、暴かれてはいけない禁忌と破滅のイメージを植え付けようとしている。

私個人としては、病気の母親、自分も病弱、将来の夢も諦め、自身の性癖を恥ずかしく思い、従兄弟への憧れも押し殺し…
そんな主人公はやはり一昔もふた昔も前の価値観、のような気がします。
隠さなきゃ、
知られたら終わりだ、
もうそんな事は無いんですよ。過去も今も別に「犯罪」は存在しない。
ことさらなホラー調は読むのはまあ面白いけどね。
二組の母親たちの苦悩は見過ごせないからお手軽に考えちゃいけないとは思うけど…
耽美に囚われすぎだったかな、という印象強め。「萌」で。

2

狂気の愛

烏城さんは、お仕事BLの許可証シリーズも大好きですが、これはサスペンス調でホラーっぽい感じもするので今市子さんの美麗な絵が雰囲気にぴったり合っています。

使われていない開かずの茶室にだけは絶対近づいてはいけません、って言われたら…そりゃあ余計気になっちゃうよねえ。

謎の茶室を誰が使っていたのか明かされていく過程がハラハラドキドキ楽しめます。呪われた一族って感じで耽美に描かれていますが、よく考えてみたらこれって超ハッピーエンドなんじゃないの?皆もっと物事明るく考えようぜ!とも思います。

最後のお母様方のセリフにニヤリとさせられます。

4

こんな愛もいい

許可証シリーズとは雰囲気が全然違いますが、登場人物たちの心理描写やお話の作り方が自然で面白いのはさすが烏城先生だと思いました。こんなに不思議な感じだとは少し意外でしたが…。
お屋敷も庭も茶室も、想像すると美しくて、日常の自分の安っぽい生活を忘れて楽しめました(笑)。
檻、というタイトルが監禁・凌辱を連想させるかもしれませんが、そういう内容ではありません。それは読んでのお楽しみ…。
終盤に色々の理由が分かってきます。悲しくも辛くもあるけど、みんなの気持ちとか選択はそれぞれすごく共感できました。私は。こういう愛のかたちもあるよな、と。
素敵なお話だと思います。

3

ちょっと不思議テイスト?

ちょっと不思議テイストの話。
稔の元に突然おばが訪ねてきて、同居をして稔に仕事を手伝ってほしいと言ってきた。
ある理由から美大を中退し、会社社長だった父親の残された蓄えでほそぼそと母と二人で生活をしていた稔だったが、体の弱い母の面倒を一人で稔が見るのは大変ということもあり、その話を受け入れることにした。
実は、おばには息子が一人いて、稔は、従兄であるその息子・宗司に許されざる想いを寄せていた。
当然、この想いを伝えるつもりはなかったものの、その宗司と一つ屋根の下で暮らせることになって、稔は喜んでいた。
けれど、宗司に優しく接しられるたびに日毎に膨らんでいく想いを持て余し、稔はその想いを発散するために、かたく入ることを禁じられた庭に足を踏み入れる。
とあるお寺の茶室を真似て作られたという茶室があるその庭は、鍵がかかっているわけでもないのに、入らないように、と昔からかたく言いつけられていた。
その庭で稔が時間を過ごすうちに、茶室の中で誰かが生活していた気配を感じ取るようになる。
そして、屋敷の人たちの奇妙な態度。
普段は優しい人々が、その茶室のことになると態度が一変するのだ。
そんなある日、稔が茶室にいるところを見た宗司は態度を一変させて襲いかかってきて……

という話でした。
作者さんとしては、ちょっとうっすらホラーテイストな感じの話にしたかったんだろうなーというのはよく伝わってきました。
真っ当に見えるけど、みんなちょっとずつ歪んでいてうすら寒い的な感じ。
でも、個人的にはもう一つだったかなーと思います。
もうちょっと幽霊みたいにいるのかいないのかわからない痕跡を感じさせるとか、後はもう少し登場人物が思わせぶりな行動をしてくれるとよかったかもしれません。
ホラーというか、背筋をぞくぞくさせるにはなんと言っても、登場人物の行動が正直過ぎる感じがちょっとしました。
何にせよ、そういう感じの話ってかなり難しいと思うので、仕方がないかなーと思ったりもします。

1

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