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…藤次の 無知で バカで 無神経なところが好きだった
八千代×藤次
高校時代の青い感情から、
ぎこちなくて不器用なまま、
大人になるまでの空回りの気持ちが、
お互いを想いながら、
逃げたくなるほど途方もない恋心・・・胸が苦しくなるほど切ない。
藤次と八千代、高校で出会って、
藤次の陽気なワンコ力が八千代に付き纏う。
だんだんと親友に抱く感情が過剰である2人だが、
八千代が告白する流れになって、
藤次が天然で無神経のゆえに振ってしまい、
2人が親友のままで、卒業して、会わなくなる。
時は流れて・・・
八千代が女性と結婚し、
藤次が聖人という恋人がいる。
三角関係の雰囲気も刺さる。
八千代の結婚式での再会の時の
親友のまま紛れ込む虚偽な感情。
お互いにそれぞれの恋しているけど、
2年後の藤次の祖母の葬式でまた再会してからの
抑制しても現れる
一番大切なのはやっぱりお互いだという強力な本音と、
「会いたくはないくらい会いたい」という大きな気持ち。
そんな想い尽くす2人に心が乱れて疼く。
同人誌で発表された『愛だなんて知らないし』という
2人が高校を卒業した後、
八千代の結婚式で再会する単話からスタートし、
その2年後、藤次の祖母の葬式で再びに再会する本編に入っていく。
2人の視点もあって、
高校時代の数々のエピソードが交差しながら物語が進行し、
結末も完璧に締めくくられている。
2人の成長から見て、
遅すぎることなどはなく、
本気で向き合うことが素晴らしかった。
藤次、
天然でバカで、無神経すぎて不器用さを一層を拡大させる。
好きなのに、
「好き」という感情に鈍感で、
八千代の気持ちを勝手に無視して、
実はただ一番近くにいたいという純粋さがもどかしい。
未知な「男への恋」に怯えていたから、八千代を振ったのだろう。
聖人との関係で男同士の恋を味わって、
男でも恋愛ができる自分が、
さらに八千代に向き合うことを難しくさせ、逃避してしまい・・・
結局、今度こそ2人の関係を取り戻したいという健気さにグッとくる!
八千代、
孤独な状況で藤次からの安心感をもらって、
それでも藤次に振られて、
行き場のない感情を返すという行動がキュン痛で、
それは藤次が大切な存在だから不安に駆られてしまうからだと思う。
藤次が他に恋人がいるという状況でも、
もし彼を失ったら悲しむという強い想いや、
傷を気づかないふりをしながらも、
最終的に藤次に向けられる愛情は本当に尊い。
聖人、
藤次の幸せを最優先に考えて、
自分の愛だけでは藤次を満たせないことを理解し、
その決断が自己犠牲的で、
まさに「聖人(せいじん)」にふさわしい存在。
コミコミ4Pリーフレットと一緒に読むと、
彼の想いがダイレクトに伝わってくる。
愛しているのに、
伝えられない苦しさに胸をえぐる。
八千代を振ってしまって、
傷ついていて、愛に臆病になっていく藤次、
傷つけていくはずなのに、愛に強くなっていく八千代。
大人になって本心を隠してしまう2人が、
最終的にはお互いを受け入れるまでの愛の形がとってもよかった。
エロのない中で、
高校生から大人までの等身大の恋模様が、
聖人を含めて3人の心理が丁寧に描かれていて、
愛に翻弄された彼らの躊躇がリアルで胸がジーンと痛む中で、
恋愛という感情の難しさから迷走することこそが、
好きという感情の大切さを改めて感じさせ、
その3人の真の感情が鋭く突き刺さって共感し、
デビュー作とは思えないほど心が打たれる作品でした。
このままの終わり方が好きだけど、
続編を楽しみにしています。
・コミコミスタジオ限定特典4Pリーフレット
描き下ろし漫画2P:
藤次の祖母の葬式の日の聖人の思い。
・とらのあな限定特典12P小冊子(有償特典)
[カバーラフ公開]2P
描き下ろし漫画9P:
藤次と聖人が付き合っていた時のお話。
・協力書店限定漫画ペーパー:
藤次、八千代、聖人、それぞれが犬への(犬からの)反応。
連載の時から気になっていた作品!
新年一冊目はこちらと決めておりました。
満を辞して読んで、感嘆。
想像を遥かに超える素晴らしさで、何を書けばいいのかわかりません......
まず絵柄がとても好みなのですが、冒頭からスッと引き込まれるストーリーもとにかく素晴らしいとしかいいようがありません。
ひたすら丁寧に気持ちの動きが描かれていて感情移入不可避でした。
読むか迷っている方にオススメしたいのでネタバレ無しで書きました。
ぜひ読んでいただきたい作品です!
藤次は高校時代の同級生だった八千代の結婚式に出席して、八千代が好きだと気づきます。
過去に八千代にされた「好きだ」と言う告白も、「女だったら付き合いたい」という勘違いと「彼女できた」という最低の返事で振ったくせに。
自分が無自覚ながらに長い間八千代にしてきた酷いことや、相手に届かない辛い気持ちでいた八千代の顔と自分の顔が同じことにやっと気づきました。
切ないけれど普通に女の子が好きで、こうなるまで男と男の恋愛という選択肢を知らなかったのってある意味自然だなと感じました。失って気づくことってあるから。好きだと気づいて、即失恋。
花婿の八千代もまだ未練があるような様子で、どうなるんだろう?と1話の試し読みが終わりました。
それから2年ほど経ち、藤次も上京して聖人という恋人のような人もできます。また、八千代も早々と離婚していました。
3歳で亡くなった両親の代わりに育ててくれた祖母の葬儀に参列するために東京から来てくれた八千代に慰められている時に、聖人もやってきて、三人で顔を合わせます。ここでも鈍感な藤次は八千代の想いにも聖人の想いにも気づかないのですが、八千代と聖人はちゃんと牽制し合っているんですよ。過去の男と現在の男として。それがどっちもかっこよくて、いいシーンになっていました。
物語は八千代の過去や藤次の過去の話だけでなく、周りの人たちの過去もたくさん描かれています。それぞれの過去がどう現在の状況や気持ちと繋がっていくのか、八千代と藤次が今、どうしてこうなっているのか、とても自然にわかりやすくまとまっています。物語を作るのがとても上手な先生なんだなと思いました。
何度も八千代の左の薬指のほくろのシーンが出てきます。その場所が赤い糸や運命を語っているようでした。そして公園のブランコや匂いについて。その繰り返しが読者に響いてきます。
「一緒にいて居心地がいいのは、自分の好きな匂いのする人、一緒に美味しくご飯を食べられる人」
わたしもずっとそう思っているので、やっぱり八千代と藤次は結ばれる運命なんだなと感じます。
でもでも!!わたしは聖人が好きなんですよね!ホント残念。
カトリック家族の中で育ってきて、またマイノリティとして、きっとどう自分が思われているとか他人の気持ちを敏感に読み取れちゃう不幸なんでしょうね。大好きなのに離れる辛さを選んだ聖人は、「僕は藤次を選んだってことだよ」というセリフを読んで、なんでもっと自分勝手に生きないんだろう!!と思ってしまいました。優しすぎる。
独り者同士になった八千代と藤次。ふたりはやっと互いの気持ちを語り合います。愛について伝え合います。たくさんのセリフが続きます。
それでもふたりがはっきりと答えを出せずにいます。もう失いたくないという気持ちで、関係を変えるのも怖いんでしょうね。
日暮くれ先生の作品ははじめて読んだのですが、これがデビュー作でしょうか?
物語とセリフ選びととても上手だな、好みだなと思いました。他の作品、ぜひとも!聖人のスピンオフを読みたいと希望しています!!
……と願っていたら!最後のページに続編が夏から再開とお知らせがありました!
ちなみに、今作ではエッチはないです。キスも頬に軽くするのみ。
たぶん八千代×藤次だと思いますが、続編でふたりがちゃんと恋人としてどうなるのか楽しみです!
2人の気持ちが丁寧〜に描かれたいい作品でした。
好きなシーンがいくつかありまして
まず
八千代が自分は孤独でその心の中は雪が降るようなもの…とたとえたところ。
藤次は逆に孤独を知らないあたたかさがあるから、雪がしんしんと降り積もる自分の心にそのあたたかさが沁みて、必要ないと思っていたのに、いちばん欲しいものだと自覚する描写がすばらしかったです。
正直者だけど鈍感な藤次の気持ちを聖人の目を通して描かれるところ。
特にカフスボタンをあげて喜ぶ藤次を見て、聖人がやっぱりまだあげられないと取り返すシーン。
具体的な説明はありませんが、その笑顔は自分に向けられるものではないと聖人が確信してしまったのかなと思わせる。めちゃくちゃいいなと思いました。
あと、藤次が鈍感で人の気持ちがわからなくて人を傷つけたくないと苦しむところ。
これ現実的によくあると思うんですけど、ここまで刺さる描かれ方って私はあまり見たことないなと感心しきりで。
そんな藤次が八千代に愛を告白するセリフがすばらしい。
「一緒にいんのにさみしいとかさあ…やなんだよ」
「どっかにいる八千代が幸せに生きてたらいいなって〜それが愛だろ」
もいいし、この後のセリフが最高。
ずっとどうなるの〜と読んできて、こうくるかぁ〜とめっちゃ感動しました。
八千代のその後のやわらかい笑顔もよくて(それまでとの対比)
その後のきまずい2人もいい。
緊張感が和らいだものの、また別の変な感じがとてもよくわかる。
八千代の素直な心の声が初めてコミカルに描かれていた(それまでとの対比2)のが上手いっっと唸りました(えらそうにすみません。下から目線ですので)
これは続編必至ですね!めちゃくちゃ楽しみです。
高校時代の親友同士の再会ラブ。
…なんて、そんな風に軽く言ってしまえるほど簡単ではない恋が描かれていたこちらの作品。
でもものすごく重たいわけではなくて、"深い"お話だったなという印象でした。
それぞれの想いを知れば知るほどに、人間は表面上だけではわからない感情をたくさん持っていて
そして愛を知るということは痛みを伴うものなのだなと感じました。
八千代は藤次に想いを告げたあの日、いくら近くにいても噛み合わない気持ちがあることを知って
向き合うことから逃げて自分の恋心ごと無かったことにしようとしてしまうわけです。
もうずっと藤次以外を見ていないのに、見ることなんかできないのに。
どうして伝える努力をしないで離れる選択をしてしまったんだよ…!と、もどかしくなってしまいましたが、あの時点ではそれが八千代にとっての最善でその行動こそが愛だったのだろうな、と。
たくさん後悔をして気が遠くなるほどの時間が経っても、変わらない気持ちが自分の中にあること。
それを知ってやっと藤次に向き合うことができたのかなと思いました。
藤次もまた様々な経験の中で八千代への想いを自覚できて、ようやくふたりかスタートラインに立つことができて本当に良かったです。
でも聖人のことを考えるとものすごくやるせなくて、一番傷付いてはいけない人が大きな傷を負ったことが切なすぎました。
藤次の背中を押すような別れが本当に悲しくて、最後まで優しくて愛情深かった彼には絶対に幸せになってほしいと願わずにはいられません。
とても綺麗にまとまっていましたが、続編も決定しているとのことなので
これからの彼らが見れるのを楽しみに待ちたいと思います。