いつまでも心に――。ノブ&シドニーのNYラブストーリー、ついに完結!!

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表題作硝子の街にて(22) 友 FELLOW

シドニー・ホプキンス/刑事/33歳
広瀬伸行/ツアーガイド/30歳

あらすじ

2002年3月11日。半年前に崩壊した2本のタワーが、漆黒の闇に甦った。「光の追悼」である。感無量の想いで眺めているノブに、東京にいる父・泰行から緊急の電話が入った。祖父が危篤だという。ノブはすぐに東京へと向かった――。その夜、警察無線を使った若い女性のヘルプコールが入り、シドニーは現場へと急行する。「硝子の街にて」シリーズ、いよいよ感動の完結編!
出版社より

作品情報

作品名
硝子の街にて(22) 友 FELLOW
著者
柏枝真郷 
イラスト
茶屋町勝呂 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
シリーズ
硝子の街にて
発売日
ISBN
9784062558808
4.8

(6)

(5)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
29
評価数
6
平均
4.8 / 5
神率
83.3%

レビュー投稿数3

長い時間楽しませていただきました

20巻以上ある長いお話だったので、最終巻の感想をいざ書こうと思ってもなかなかどう書き出していいのかわからず…。
読んでいる間は苦しいなあとか可愛いなあとかいろいろあったけど、本当に長い時間楽しませてもらったので、終わってしまうのが残念です。
でもこのくらいが幕引きかなあと思います。

街がタイトルになっていて、街とともに成長していくお話です。
それで、伸行はもう充分街と共に成長したので、このくらいが区切りなのかなあと。

生まれ故郷のニューヨークに戻ってきて10年。
隣人だった幼なじみと恋人になり、フリーターだったのがみんなに頼りにされる社員になり、10年前はシドニーしかいなかった友達が、今では数え切れないほどたくさん増えて、何度も冬が来て春が来て大きなテロ事件に巻き込まれて…。

10年前、シドニーだけを頼りにニューヨークに降り立った伸行ですが、10年間でニューヨークは大きく変化します。
そしてその変化を受け入れる、流されるのでなく共存していくというテーマを少しもぶれずに最後まで書ききっているところにすごさを感じます。
生まれた街で好きな人とずっと暮らしていくって幸せだと思える作品でした。

今回伸行は祖父が危篤になり、一時日本に帰りますが、その間にシドニーは捜索した事件で怪我をします。
日本から戻ってきた伸行は、入院先の病院でシドニーとこの先の事を話します。

物語が終盤に近づくにつれて、納得できない部分もあるにはありました。
シドニーの抱えるトラウマが穏やかに収束していく事がなんだかもやもやしてしまうというか。
シドニーには誰にも言えないでいる過去があるんですよね。
それを伸行にも結局話さないまま。

実際の人間はそんなに簡単に辛い過去を割りきれないと思いますが、作品としては一つのシドニーが出す答えを見たかったです。

でも何も聞かないでいることが、これが伸行の愛しかたならこれでもいいのかなぁと思いました。
シドニーが飴をかんでるのをみて、伸行は子供の時にシドニーが飴を噛んで乳歯を折ったことを思い出します。
そして子供のころのシドニーも今のシドニーも変わらず好きだという結論に至ります。

シドニーが話してくれない過去のシドニーだってきっと好きだという意味なのですが、この2人にとってはもしかしたら最初からそんなこと大きな問題じゃなかったのかも。

2人ともここに至るまでが波瀾万丈だったけど、特別な人生だと考えないのがよいのかもしれません。
特別などでなく、どこにでもいるカップルなんだと思ったほうがいいんだろうなぁと思います。
世界中にたくさんいるカップルの中で、たまたま日本人とアメリカ人の親友のカップルというお話。

この先の2人はもう見られなくなりますが、この先なにかあって、2人がまた離れることになっても、前も11年かけて伸行が戻ってきたように、何度でもシドニーの元に戻ってくるんだろうなぁと思える終り方でした。

総評で神評価をつけたいと思います。
少々時間がかかりますが、読み応えのある作品です。あるカップルの幸せも苦悩もじっくり堪能できる素晴らしい作品ですので、是非おすすめしたいシリーズです。

7

第22巻。涙、涙の最終巻

とうとう終わってしまいました。最後に驚きの展開もあったのですが、皆が前向きに未来へと進んでいく爽やかなラスト。表紙に揃ったノブとシドニーのNYの仲間達の姿にジーンときました。

この物語はノブの成長物語でもありました。最初は長髪で社員になりたくないアルバイトでモラトリアムな感じで生きていたけど、シドニーと恋人になり、仕事への責任感もでてきて最後は頼りがいのあるいい男に育ちました。

柏枝真郷さんはデスペラードシリーズでNY(架空の都市設定だけど限りなくNY)の70年代を、ホーリーアップルシリーズで80年代(書かれたのは今作よりも後)を書かれていたのでこの硝子の街にて、のシリーズでの90年代から2000年代を読めるのを楽しみにしていました。NYの同時多発テロの部分も丁寧に描かれていてとても読み応えがあります。登場人物はフィクションだけど(実在の人も出てくる)事実の部分については記録小説とも言えると思います。

もちろんBLとして幼馴染み愛を貫くシドニーとノブの国際カップル(国籍は同じだけど人種が違う)もとても素敵で友情から愛情に変わるところはキュンキュンしました。大作を書き上げた柏枝先生には本当にお疲れ様でした、とありがとうございましたと伝えたい。

私も今作は全22巻のレビューを一冊ずつさせて頂きました。これからこの大作を読む人にとってどこか少しでも役に立つ所がもしあったとしたら嬉しく思います。

4

こんな本は初めてでした

こんな本は初めてでした(BLと言う訳では無く今まで読んだ本として)
何度も読み返して涙しています。(進行形です。。)

どこかのレビューで「ライバル」にチラッと出てる、と言うのを見て、即図書館へ!
3年後にノブがNYに戻った、と言うのを見つけた時(具体的な名前は出てきません)はシドニーの元に戻ったんだ!と思って身体が震えて泣いてしまいました。

少なくとも1年と言う話でしたが、結局3年だったのか、、
その間にノブは何度もNYに帰ってきたりしてただろうけど、
シドニーが日本に行くことはあったのかなあ?とか、

その時は数日はホテルに泊まったんだろうなあ、、とか(笑)
お家にいてもシドニーの完璧なエスコートでお祖母ちゃんにバレちゃうんじゃ?とか。。

今のウのニュースを見てシドニーは大丈夫かな、ノブが傍に居たら大丈夫か、
なんて今も彼らがNYに居るんだ、と考えてしまいます。

どうか彼らが幸せでありますように。。


3

NYに行きたい

訂正
ノブがNYに戻ったのは2年後でした。
何故か311と911をカンチガイしていました。

2年が限界だったよねえ。。

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