ボタンを押すと即立ち読みできます!
小説
オメガであることで永らく塔に幽閉されていたハウザイクス王国第一王子シオン(受け)は人質兼側室として大国カルドシアへと売られます。
長い幽閉生活で感情を無くしたシオンをカルドシアへ連れ帰ったのはカルドシア王国王弟で騎士団長のラルフ(攻め)です。
カルドシアに着いて、シオンが幽閉生活の弊害で成人してるにも関わらず発情期がまだきておらず、「発情不全」だと診断されます。
カルドシア王ヴァレリーはラルフに対し、シオンの発情不全が治るまで面倒を見るように命じ、シオンはラルフの部屋で面倒をみられることになります。
雑誌掲載の表題作と書き下ろしの2篇で、どちらも両視点で読めるようになっています。
第一王子であるにも関わらずオメガであるということで永らく塔に幽閉されていたシオンは、
10年もの間死なない程度の世話をされていただけな為情緒が完全に死んでいます。
塔に放置されていた本を暇に空かせて読んでいた為知識だけは豊富です。
売られるようにカルドシア王国につれてこられても、国王が冗談で脅してきても、ラルフに預けられて何をされるのか分からなくても、全く無表情に体を差し出そうとするのです。
カルドシアは竜人族を王とする国で、竜神族は全てアルファで竜体になって空を飛んだり炎を吐いたりすることができます。
一騎当千の力を持っている為、他の国を属国にして同盟国として守っています。
今回、同盟国の一つにシオンの国が戦争を仕掛けあっけなく負け、属国になってしまったのでした。
ラルフは母が自分を産んですぐに亡くなったことで、父や兄に罪悪感を持っていて、兄王ヴァレリーには逆らえません。
騎士としては優秀なれど、色ごとはからっきしで、シオンの世話もどうすれば良いのかわかりません。そこをヴァレリーの指南を参考に寄り添っていくことにするのです。
シオンの境遇には本当に同情するし、祖国のものたちには何かザマァ的なものがあっても良かったのではと思いました。
彼らは気まずく思うだけで何も失ってないのがちょっと納得できません。
それでも、ラルフによって(友人第一号になった元側妃のレティも)少しづついろんな感情を取り戻し、自分を大事にするというところまで成長できたことはとても良かったです。
途中から2人が両思いになって、側妃にならないといけないのにどうするのかハラハラしましたが、お兄ちゃんなヴァレリーはちゃんと弟のことを可愛いと思ってるんだなとこの2人の兄弟愛にもほっこりしました。
今作は兄弟が3組いて、シオンと弟、カルドシアの王と王弟、レティと弟、シオンたちは全くの無交流で、ラルフたちは仲良し、レティのところは愛情はあれどオメガとはこうあるべきという自分たちの考えから抜け出せずレティから見捨てられいて、三者三様の兄弟でした。
シオンは6歳で人付き合いの経験がストップしているからか、とても素直に心情を吐露するので(レティのアドバイスもある)ラルフが色々我慢するシーンが多発していてニヤニヤしてしまいました。
レティの想像通り、竜体になって火を噴きながら飛び回りたいと思ってたんですね。想像しただけでにやけます。
ラルフの溺愛具合はすごいことになってきたし、シオンは立派にラルフの代理を務められるくらいになったし、これからが楽しみです。
続編も出るそうなのでそちらも楽しみにしたいです。
2人のお子が生まれるといいなー
幸崎ぱれす先生の作品は初めてなので、拝読させて頂くのが楽しみでした。
個人的、各項目5段階で
健気 4
溺愛 4
甘々 3
ファンタジー 2
エロ 2
な感じだと思います。
ラルフさん×シオンくんのカプです。
今作はオメガバース物で、受けでオメガのシオンくんは人間ですが、攻めでアルファのラルフさんは、竜人族なので、完全な竜の姿になることが出来ます。
受けのシオンくんは、第一王子でありながら、王族において男はアルファ以外価値が無い、という認識の所為で、幼い頃から幽閉されてしまいます。その所為で、人との関わりも愛情も自身への労りすらも希薄なものでした。
そして人質兼側室として、ラルフさん達の大国カルドシアへ渡りますが、そこでもオメガであるフェロモンがまともに出ていないことが判明します。発情不全を治す為、王であるヴァレリーさんの命令で、王弟のラルフさんと一緒に過ごし徐々に自身の感情の変化やラルフさんに対しての想いなどが芽生えてきます。
ラルフさんもシオンくんもお互いに想いを寄せていくが、元々はヴァレリーさんの側室として連れてこられたシオンくん…ということは、どうなってしまうのか。となりますが、勿論そこはハッピーエンドになるのでご安心を。
兄であるヴァレリーさんに、朴念仁と言われてしまうラルフさんですが、少しずつ心を開いていくシオンくんに、心を揺さぶられどんどん溺愛と過保護になっていく姿が微笑ましいし、シオンくんも健気な言動と、今まで分からなかった喜びや楽しさ、幸せという感情を知っていく姿に、読んでいてこっちまで、じんわり心が温かくなるので、是非とも読んでほしいです。
今回はカルドシア王弟と
ハウザイクスの第一王子のお話です。
孤独に生きてきた受様が人質側室として向かった国で
攻様のつがいになるまでと後日談続編を収録。
この世界には男女の性の他に
バース性と呼ばれる第二の性が存在します。
王侯貴族などの高い位のものに多いアルファ
標準的で最も人口の多いベータ
男女ともに妊娠可能で定期的に発情期が訪れるオメガ。
王族男児はアルファでないと価値がないとされ
ハウザイスクの第一王子の受様はオメガ判定された
6才で王宮の敷地の外れの書物を保管する塔に
幽閉生活を余儀なくされます。
ハウザリスクは近年の財政難の挽回のため
近隣のイウマリクに侵攻しますが
イウマリクは竜人族が治めるカルドシアに援軍を求め
カルドシア先王が竜体で戦いを抑圧したことで負け
カルドシアの属国となります。
ハウザリスクは受様を人質兼側室と差し出す事となり
アルドシア王の代理としてやってきた王弟で
騎士団長の攻様とともにハウザリスクを発つのです。
受様がカルドシアで対した王は優美な美丈夫でしたが
握手の際に「美味しそうな人間だ」と言いながら
龍の鱗が浮かぶ半竜人となって見せる曲者でした。
外見の変化ではなく言葉に対して反応し
肉が付いていないので食べても美味しくないかも
と返した受様は王に気に入られたようですが
発情期を迎えてもいない発育不全では
側室候補にもならないと受様を連れてきた攻様は
受様を1人間のオメガにしろと命じられます。
果たして受様は王の側室となれるのか!?
雑誌掲載作のタイトル作に
書き下ろし短編をつけての文庫化で
黒竜ともなる攻様と薄幸な受様のオメガバースとなります♪
6才から独り暮らしを強要されて情緒未発達の受様と
兄王から受様を側室教育を命じられた攻様が
それぞれの視点で展開するためそれぞれの内面が見えるという
読者にはたいへん嬉しいお仕立てです。
戦いのための戦略ならお手の物の攻様ですが
美しく知識に見えるのに感情を見せない受様には
何をどうしたら良いかすらわかりません。
兄王は攻様に最初は部屋の中でいつも
受様とくっついて過ごしてアルファの匂いに慣れさせ
オメガの本能を取り戻させと指示をしますが
兄王がてへぺろ!! ってしてる姿が見えますよね♪
攻様が四苦八苦しつつも
少しづつ人慣れして感情が現れてくる素直な受様に
攻様が徐々に落ちていく様も大変美味しく
受様が徐々に攻様に懐いていく様も楽しく
兄王の種明かしで一件落着かと思いきや
兄王の元側室絡みで受様に危機に迫るというまさかな展開で
攻様が受様をつがいとするハピエンまで
大変楽しく読ませて頂きました。
受様の塔での知識が活きる展開の書き下ろしも
とても面白かったです (^-^)/
長期に渡って幽閉生活をしていて感情が分からなくなってしまった受けと、本当は王の側室として献上予定だったのに人としての感情が乏しいせいで発情不全になってしまっていたために押し付けられた王弟とのお話しです。
挿絵が多いし、笠井先生の描く結婚式や黒竜が素晴らしい!!
というわけで、超神評価つけたいくらいでした。
内容も、最初はドナドナされる家畜よりも情緒が無い受け様が喜怒哀楽を徐々に取り戻すのですが、それを見守って1つ1つ戻る度に攻め様も喜んでいて、キュンキュンです!!
最初の入浴シーンも、笠井先生の絵付きで読むとなんてエロいんでしょう....
泡風呂がこんなえろいとはwww
こちらの作品、紙で購入したのですが、紙で本当に良かった♡
皆さまもぜひ(っ ॑꒳ ॑c)
本篇は少々駆け足気味で終わってしまって、もうちょいそこ詳しく話を突っ込んでよーと思うところもあったけど、書き下ろしの方はパーフェクトにおもしろい。
シオンの成長や、元々の資質が本領発揮といった感じで、シオンがラルフの伴侶として、また国益をもたらす有能な人物としての存在感が際立っていてトータル的には満足です。読後感も良かったです^ ^
不憫受け王子が大国のハイスペスパダリ王弟から寵愛を受けるシンデレラストーリーは、最高に甘い仕上がりです。ちょっと不器用な攻め感もいいスパイスになっていて、そのぎこちなさがストーリーをより盛り立てていました。
どちらかというと王道の部類に入るかと思います。最初はお互いに好きじゃなかったけど、共に過ごすうちに惹かれ合っていくのも王道中の王道。そんな王道の良さがギュッと詰まったストーリーは、読みやすくて理解しやすい上に、あまあまの溺愛の満足度も高くて、溺愛好きな私のハートに大ヒットでした!
オメガってだけで不憫な境遇に追いやったシオンの家族には怒りでしたが、家族の愛に飢えていたシオンを自身の愛情で癒していくラルフの誠実さがとても心地よく感じられました。ラルフの兄の分かりやすーいナイスアシストのお陰もあって、2人が精神的にも性的にも距離を縮めていく一歩一歩のあゆみにはドキドキもニヤニヤもいっぱいです。
ラルフ兄のミッションが、いちいち細かくてあからさまで笑っちゃったけど、ちゃんとそれを真面目にこなすラルフの愚直さがめっちゃ好き(//∇//)
シゴデキな王弟の仕事遂行能力には、いやはや参りました。
最初はシオンとの関わりも、兄から言われたからやってるだけの仕事の意味合いが強かったものの、徐々に自分の意思や本能で動いていく自主性へとシフトしていくラルフの気持ちの変化は大きな見どころでしょう。もちろん、シオンの方も同じで、ラルフの兄の側室になるのが嫌だなと思うほどにラルフに思いを寄せていくところは注目です。
シオンが拉致誘拐される事件も起こりますが、結局あの犯人は一体どうなったのか謎でした。もっと詳しく話を知りたいところだったのに、あっさり幕引き…そして2人が結ばれるのもスピーディーで、もう少し余韻を残しても良いのになと思いました。
そして一番納得し兼ねたのは、シオンの家族です。
あれだけのことをしておいて、あんな軽い謝罪で終了させるとは、シオンは良い子なので許したけど、私は許してないからね(笑)王弟の伴侶になったからといって手のひら返しやがって……物語的にはああするのが限界なんでしょうけど、もうちょいギャフン展開が欲しかったのが本音です。
まぁ、そのモヤモヤも、書き下ろしの面白さで解消されたので、全体的には楽しめました。シオンの活躍がもっと見たいし、もっと国政に関わってその知識力を使って欲しいなと思っていたら、なんと続編が予定されているとの作者さまあとがきでの言及にめちゃくちゃ嬉しくなりました♪♪( ´▽`)
来年かぁ〜…子どもも生まれてるんだろうかと、まだ見ぬストーリーに妄想を膨らませながら、続刊の発売を楽しみに待とうと思います。