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表題作星巡りの詩

ティセラード・ワイズ・コーネリアス
27歳、コーネリアス王国第二王子
ユーリ・ファブラン
24歳、侯爵家次男

あらすじ

女性が少ないコーネリアス王国では同性婚が認められているものの、まだまだ貴族間では浸透していない。
そんな現状を変えるため、ファブラン侯爵子息であるユーリは父に第二王子ティセラードの後宮に入るよう命じられる。

愛のない結婚と割り切り後宮に入ったユーリに待っていたのは、
「俺は、お前を愛する気はない」というティセラードの冷たい態度と、なかなか打ち解けられない側妃たち。

しかし、お互いに妻を亡くし、忘れ形見となった子どもたちをきっかけに打ち解けていき――。

作品情報

作品名
星巡りの詩
著者
猫宮乾 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
パルプライド
レーベル
ヴィオラ文庫
電子発売日
1.3

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萌々

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中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
1
得点
1
評価数
3
平均
1.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

恋心には共感できるけど、立ち居振る舞いには共感できない

「お前を愛する気はない」ってセリフからは期待するものを感じたんだけどなぁ。

上記のことを言いながらも、王子のティセラードはユーリのこと病み的に愛しています。
ユーリに悪態をつくティセラードが実はユーリに恐ろしく惚れ込んでいて、ユーリを熱烈に後宮に召し上げ、ユーリとしかエッチしてなくて、ユーリが他の男と踊ってるのを見て怒りが湧くくらい独占欲が強く嫉妬深くて…と。わたし的にはティセラードのツンはヒットでした。しかし、前半部までは。
ティセラードの恋心が間違った方向に拗らせてるのも面白かったんだけど、なんだろな……後半部は絶妙にすれ違いが大きくなっていって、どんどん気持ちに距離が開いていくのがすごく楽しくない。
どっちもどっちで、なにやってんだかでした。


ティセラードはユーリを好きすぎるのに、ユーリの気を引きたくて敢えてユーリに冷たくしています。
ユーリはユーリで、ティセラードに興味が無さすぎて塩対応すぎです。彼は掴みどころがない性格で、何を言われても面倒だからほっとこうの精神でダンマリこく。ティセラードの想いを知らないとはいえ、あまりにも感情に熱がなくてつまんないです。
そりゃ、お前を愛することはないと言われた相手に優しくする義理もないけど、側妃としての務めは快活にするとかさ、敵の多い後宮での立ち居振る舞いをせめて良くするとかさ、いつか後宮を出ていく身だからとやる気なさすぎ。
寵愛を受けるのとは別のところで側妃として頑張ってますます好きにさせるとかさ、ユーリが魅力的に見えるだけのものが欲しかったです。早くリミットの3年がこないかとダルそうに後宮で過ごすのが何となく怠惰に見えてしまって、ユーリにも共感できないところがいっぱいでした。

好きな感情を、嫌われる方向でふるまうティセラードの子どもっぽいアピールも良いとは思えなかったし、強引に抱きまくるのも逆に萎えました。期待する反応を見せないユーリへの想いが爆発しちゃったのかなと同情の余地はあるけど、強行に出る前にやることあるだろうと言いたい。なぜひと言好きと言えないのか、伝える努力をしないのか、悪態の理由も含めて腹割って話せばいいのに、先に身体から落とすなんて順序が違うだろうでした。

ユーリも好きなら言えっつーの。
お得意のダンマリで、はっきりしない感情にイライラでした。
いつもティセラードの動きを待つ側で、自分から何もしないの。そのくせ、ユーリの部屋に訪れがないから忘れ去られたなんて嘆いてさ、そう思うなら自分から行動起こせよって感じでした。


この2人の不器用さは見ていてもどかしかったです。
ユーリが素直になっていたら寵愛を期待して後宮入りした側妃たちの好意が蔑ろにされることもなかっただろうに……。ティセラードも側妃たちを使ってユーリの好意を引こうとするなだし、2人のすれ違いによって周りに迷惑かけてるのが頂けなかったです。
正妃となったいま、あのケンカ売ってきた側妃たちはどうなったのかが気になりました。その辺りにも少し触れてくれたら有り難かったです。

6

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