表題作ドライビング アルファ×アルファ

あらすじ

特務刑事オメガパンチ番外小説
事件のその後のアルファの2人が、上司の思惑と指示で、お互いあまりうれしくない組み合わせでドライブをしながらあれこれ話す1日の様子がつづられています。
登場するのは本編の脇役だったこちらの2人。
四門怜士
声でオメガを支配しアルファも委縮させる上位種。常に高飛車な警視正。特務部長の地位を知用して部下の異能オメガ・高森を手に入れようとしたが失敗する。
岸翔真 元捜査一課でアルファの若手刑事、姦計を巡らすあまり自らが四門の姦計に陥り現在はフェロモン対策課所属。カジュアル嫌味野郎。

作品情報

作品名
ドライビング アルファ×アルファ
著者
りーるー 
媒体
小説
サークル
dog-ear<サークル>
ジャンル
オリジナル
発売日
3

(1)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
3
評価数
1
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

オメガパンチは小説という形も似合う

オメガパンチシリーズを愛読していたので、春庭で商業番外が出るということで楽しみにしていました。
しかし、なぜ漫画ではなく小説なのか、不思議でした。
シナリオなのか、没ネームの転用なのか、などと勘ぐってしまいましたが、今作は、小説の形がとても似合っています。

高飛車アルファの四門はやらかしたせいで謹慎中。
その四門を誘ってドライブに行け、と嵯峨野に命じられた岸。
岸は大物ではないけれど、小物ではなく、アルファの、社会の、警察の、いろんな世界の中を、うまい具合に浮遊しながら、要領よく生きていくタイプだったのだと思います。その岸は、異能オメガの高森と関わったことでいろいろ調子が狂い、大失態はないものの、思っていたよりうまく世の中を渡れていない状態です。

個人的に、岸の姦計を巡らし、自分が第一で、計算高いけれど、ちょこちょこ憎めないところがある人となりが、お気に入りです。

そんな2人の、本人同士が望んでいないドライブ、絵面だけで笑えて来ます。
車内の空気感と岸の内心を想像しただけで、にやついてしまいます。

本作は車内の2人の盛り上がらない会話と、岸のぼやき、が大半です。
絵はないので表情は見えませんが、文字の濃淡やフォントの違いで、声色が伝わるのがおもしろいです。

ドライブ後半にちょっとした事件があり、四門のハイアルファとしての強つよなところと、意外な人間味が見えてきて、少し元気になった、というか調子を取り戻した感じがしました。

岸は今後も姦計を巡らせてはうまくいったり、うまくいかなかったりして、昇進したり、ペナルティを課されたりして、上層部と本人が望まないつながりを持ちながら、警察組織の中を漂って行くのだろうなと思いました。

りーるー先生の作品はストーリーの魅力ももちろんですが、絵も好きなので、小説での新作は購入しようか実はちょっと迷いました。
岸がメインの1人ということで、これは読むしかないと思ってお迎えしたのですが、大満足でした。同じように迷っている人がいたら、ぜひ手に取ってみてほしいです。

0

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP