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評価めちゃくちゃ悩みました。
と言うのも、終盤で特大な地雷を踏み抜いてしまったからです。
それ迄は、頼り甲斐のある格好良い攻めの過保護な溺愛っぷりをニヤニヤ堪能していたのに、何だかとんでもないノンデリ男のように思えてドン引きしちゃったんですよね…笑
地雷についてはネタバレになるので後述しますが、信じていた世界が一変して、向けられる愛情が信じられなくなり、自分の存在意義が分からなくなっていくシロの葛藤たるや……
それまでの穏やかで心地よい生活からのギャップが半端なくて、一気にズーンとメンタルに来ました。
でも、その地雷要素だけで評価を下げるのは勿体無いと思うほど、穏やかで心地よい文体に、繊細で優しい心理描写、心に響くフレーズや少年漫画のような胸が熱くなる展開など、とても感情が揺さぶられて読み応えのある作品だったんです。
何より、受けのシロが本当に良い子で可愛くて……
自尊心が低くて自己主張は苦手だけど、真面目にコツコツと日々の生活を送り、ささやかな幸せを見つけて慎ましく生きる姿が愛おしいです。
16歳で右も左も分からない異世界に召喚されて、放置されて、蔑まれて…本当に辛かったと思うけど、それでも懸命に生きてきた彼がアーレンと出会って、少しずつ幸せになっていく様子に癒されます。
アーレンがシロに惹かれるのも納得で、寧ろアーレンには勿体無いほど良い子なのでは??と気づけば完全に“シロくんモンペ”になっていました笑
でも、シロの全てを愛して全肯定してくれるアーレンが傍にいたから、シロは少しずつ前向きに強くなっていけたんじゃないかなぁ…と。
足りない部分を補い合う、唯一無二の「ふたりでひとつ」な関係性がとても尊かったです。
正直、地雷要素でメンタルに来る部分もありましたが、最終的には「読んで良かった!」と思える一冊だったので“神”評価にしました。
書き下ろし番外編での、新居への引っ越しを楽しそうに話す二人に幸せな気持ちでいっぱいです◎
※ 以下、地雷要素についてネタバレ有です。
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シロがアーレンの幼馴染で元恋人・ジェーンに似ているという設定、最初からちょっと嫌な予感はしていました……
まず、アーレンが体調不良の時にジェーンと間違えてシロをベッドに引き込むという事件。
シロと付き合う前だったのでギリ許容範囲ですが「未練あるんかい!」と一気に萎えたのも事実で…笑
でもやっぱりキツかったのは、
▶︎ジェーンの痕跡が残る家にシロを囲い込み、ジェーンの物を使わせる
▶︎シロのことを“ジェーン”と呼びそうになる
※シロはジェーンの事を知らない
この辺り。特に呼び間違えとかは、もう最悪
ただ、アーレン視点では「雰囲気は似てるけど、中身は全くの別人だ」と語られていて、決してシロをジェーンの代替にしている訳じゃないんです。
本当に悪気なく、ジェーンが残した物も使えるから使ってるって感じで、それを知ったシロがどう思うか…って事に気づいてないんですよね。
ジェーンの事も元恋人と言うより、幼馴染で冒険者の師匠って認識の方が強いみたいで、今はシロ溺愛ゾッコン。だからこそ、詰めが甘い…!となりました。
うーん。このノンデリ具合は“女性慣れしていない”って事なのかなぁ…笑
まぁ、その後のちょっとした攻めザマァで溜飲が下がりまして…
〚自分の軽率な行動で、大切な相手を傷つけた〛と気づいてショックを受ける攻めって良いですよね……!!
作者さんはこのアーレンが書きたくて地雷要素を用意したのでは…?と思うほど、性癖に刺さりました笑
また、シロが怒ったり泣いたりせず「ジェーンって呼んでいいよ」と健気に提案するのが尚更ショックで…
この追加攻撃により、心の底からショックを受けて自分の行いを深く反省するアーレンに萌えたので、まあ…許しましょう!(何様)
その他にも、
▶︎現代へ戻ろうとするシロに必死で縋るアーレン
▶︎「自分用のベッドが欲しい」と言われて地味にショックを受けるアーレン
▶︎仲直りエッチで失敗するアーレン
▶︎電子特典SSでの完全に尻に敷かれるアーレン
…と、アーレンの“残念なイケメン”っぷりが炸裂!
完璧なスパダリなのに受けには情けない姿を見せる攻め、大好きです!!!
ただ、ジェーンの解釈は難しいなぁ……
特にあの手紙。「私のアーレンを宜しくね!」みたいなマウンティングにしか見えなくて……
でも、アーレンの番になれない虚しさや、異界人(シロ)への嫉妬から、あえて召喚術のページに手紙を挟んで、現代に戻ろうとするシロへ「貴方はアーレンの傍に居られるのに離れるの?」と言うちょっとした牽制だったのかなぁ…なんて。
弱気なヒロインに発破をかける、ツンデレ悪役令嬢みたいな。好きにはなれないけど、憎めないなぁ…と感じました。