電子限定描き下ろし付き
エロス度★★★★
おやおや。
籠の中に閉じ込められた鳥が解放される恋・・・かわいいですね。
暴力・理不尽・絶望・諦観・喪失。
麻薬組織の中で紡がれるレナートとアベルの恋。
何を考えてるのか分からない飄々とした仮面の裏に隠されたレナートの目的。
強気でツンケンしていたアベル・・・その胸の内に秘められたリコへの憎しみや他の生き方を知らない孤独。
失うものが多い状況下でアベルを救い出したいレナートの想いやレナートの言葉が組織に囚われたアベルの心を動かしていくのがたまりません。
レナートを誘惑するアベルは本当に叡智でした。
裏社会ものはあまり興味がないのだけど、それでもとても良かったです。好きな方だったらハマるのではないか?
幼少期に実の親に売られそうになった妹の代わりに、組織のボスに連れ帰られた主人公。
大人になってからはボスの片腕であり愛人。
この関係で、いい感じにしていくのかなって思ったら、そうじゃなかった。
突然ボスが警察に捕まって、組織が揺れます。主人公がボスがいない間は仕切って行くのか、このままボスの座を取ってしまうのか揺れる中、
ボスの弟の登場によって、更に組織内が揺すぶられていうのだけど
「こういう組織内部のあれこれが!!」ってBLを、最近読んで疲れたばかりだった・・・。とおもったけど、こちらはあまりそういうごちゃごちゃ感がなくて、見せ方が上手いのか、内部が揺れてて、それ故に起こる悲劇的なものをバンと見せてくれるのが見やすかったです。
ボスの弟も、飄々としていたり、壮大な計画を持っているのだけど、そのきっかけだったり、いざピンチが訪れた時に及び腰になってしまったりと、共感できるところもあって、から入れしながら読みました。230ページ越え作品でしたが、書き込みが良い意味でスッキリしてて読みやすかったし、この物語のスピード感を味わうことが出来ました。
妹を守るために、麻薬組織CDBへ入ることになったアベル。
辛く苦しい思いをしながら、やがて組織のトップであるリコの右腕になるまでに登り詰める。
いつかリコへの謀反を企んでいたが、その前にリコが捕まってしまい、その弟とやらのレナートが現れて、、、
というお話。
レナートの目論見が、本当のところどこにあるのか分かりそうで、なかなか分からず。
兄であるリコとはおそらく違う人種なんだろうなあ、、、とアベルへ対する態度から察していましたが、やはりリコとは正反対の考えの持ち主だったと判明し、救世主的存在だった結末にホッと安堵しました。
というか、アベル同様まりあげはもレナートの本心が果たしてどこにあるのか。
実は…という展開にならないのか、ずっとめちゃくちゃ疑いながら読んでました(大変失礼いたしました)。
で、レビュータイトルでも触れたのですが、カバー下の裏面を読んでなかったこともあり、オチが近付くにつれ、もしやメリバ、、、?!! 汗
と、リコが戻ってきて嫌ァ~な空気に、嫌ァな予感が、、、
結果、ちゃんとハピエンで安心しました!
が!!
本当にハピエンと分かるまでが心臓に悪すぎたのと、レナートが「こっからは、真っ直ぐ行けよ」とアベルに告げるシーンが切なすぎて、知らず知らずのうちにじわっと温かいものが目尻から流れていました。
途中、アベルが拾った部下的青年とのエピソードは、本当に胸が張り裂けそうなくらい悲しくて切ない裏社会特有のエピソードで、なんともやり切れない想いがしました。
しかし、あれも究極の選択を迫られた彼なりのアベルへの最期の忠誠愛だったのだろうと考えると、事前に張られていた伏線に気付くとなんとも愛に満ち溢れたセリフの数々、、と思ってしまって泣けてきてしまいました。
ちなみに、カバー下の裏は読了後に読んで、気持ちの補完をしてほしいです涙
裏社会系で生き抜く不憫強め受けがお好きな方や、メリバっぽいハピエンがお好きな方にオススメの一冊です!
裏社会ものが好きなので読んでみました。
麻薬組織を家族経営しているリーダーのリコに妹を人質に取られ暴力的に手練手管を教え込まれたアベル(受)と、非道な実兄を抹殺し組織を解体&ボロボロになったアベルを解放しようと潜入してきたレナート(攻)が用意周到に計画を進めて来たにしては組織を掌握したり解体する事なく、結局ドンパチで決着をつけ逃亡するに至る…な、え? じゃあさっさと殺っとけば長い間アベルが苦しむ事なかったんじゃねえ?と突っ込まずにいられなかったストーリー展開。そもそも妹が監視されていたのかも微妙で、ベッドを共にしている時も意外に隙があるっぽかったので、簡単に寝首かいて妹と逃亡できそうなんですが…最終的にそうなったし。あと、レナートがアベルに恋愛感情を抱くのも薄いというか。作中で「好き」と告白しているわけではないんですよね。仲間意識? 憐れみ? だから、エッチに雪崩れ込むのも、協力を仰ぐ為に妹の存在をちらつかせたのも、リコと大差ないような気がしてしまった。信用得るならこの2つはしてはいけなかったと思う。告白とエッチは逃亡してからにしてほしかった。書き下ろしに「レナートの考えは甘い、これからも日陰の存在だ」と言うアベルの方が現実を分かっていた。これから二人はどう生きていくのか気になる終わり方ではありました。
初コミックスでしょうか、おめでとうございます!先生のお名前は「おどりとり」と読むんですね。試し読みして、ダークな世界観に興味をひかれたので読んでみました。以下少々ネタバレあります。全236ページ。
メキシコの麻薬組織が舞台。
アベル(受)は妹を守るために、幼い頃から組織のトップ・リコに従わされてきた強気不憫受け。
リコが警察に捕まり、その弟だというレナート(攻)が現れて…というお話。
作画なんですが、アベルは顔に傷はつけられたけど、一応妹似の美人らしいんですが、あまり美人に見えなくて残念でした。もうちょっと美人顔だったら、美人なのにめちゃくちゃ強いというギャップを感じられて良かったかも。
あと服を脱ぐと筋肉はあっても少し細身らしいけど、ダボっとした服を着るとがっしりに見えちゃうので、もう少し細身に見える服装が良かったなと思いました。
褐色男前なレナートのキャラデザは結構好きです。
裏組織を描いても死人が出ない作品が多いですが、本作はそんなことはなく、主要な人物が亡くなりましたが…。その割にあまり切なさを感じ取れなかったのは、私の読解力の問題だろうか、う〜ん…。
レナートを信用できず、ずっと反発していたアベルだけど、心に傷を負いレナートを受け入れる。とはいえずっとリコに搾取され続けてきて、心がやさぐれてるというか人間不信なアベル相手では、あまり甘い雰囲気にはなりませんね。リアルさは感じるけど、BLとしては二人の間にもう少し甘やかさがほしかった気がする。
あまり読まないギャングもので、面白そうと思ったんですが、青年漫画のような渋い世界観は、そんなには自分の好みではなかったみたいです。でも最後まで、結末がどうなるかわからないハラハラ感を味わえたのは良かったです。
終盤レナードがアベルに「こっからは 真っ直ぐ行けよ!」と笑顔で言うシーンは、ちょっとキュンとしました。
描き下ろしなしですが、電子限定描き下ろし5Pあり。こちらはちょっと甘めで良きでした。
電子 ライトセーバー修正(しっかりした濡れ場は1回。エロを楽しむ感じの作品でもないので、発光修正でもあまり気にならなかった)