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やっと辿り着いた最幸の純愛
小説


もう、序盤から涙、涙…!
涙なしには読み切ることのできない、心震える重厚な一冊でした( ; ; )
主従×攻めの執着と一途愛×不憫受け、
次から次へと明らかになってゆく驚きの真実に、
ページをめくる手の止まらないファンタジー。
ページ数も電子で346ページと大ボリュームですが、
早く続きが知りたくて家にこもってひたすら集中、
数時間かけて読み切りました。
宮中で王と王太子を支える十二人の宮中伯のうち、
筆頭伯である美貌の青年・クリストフ×病弱な第二王子・アルベルトというCPのお話。
美人不憫薄幸(+病弱)受けに序盤から次々と降りかかる試練。
身に覚えのない罪を目の前で読み上げられ、
信頼し心を寄せていた人物から断罪され、
王太子の座を追われ北の果ての凍宮へと追放・軟禁状態にされ…
と、序盤から怒涛の展開なのですが、
さらに北の凍宮で知ることとなるのは、残酷な真実。
敬愛していた兄王太子の死の真相とその所業。
それらが全て、体の弱い自分の命を守るためだったと知った時の絶望ー
畳み掛けるように襲いかかるあれこれに、
一体このクリストフ(攻)の行いの裏にはどんなからくりがあるの!?と
知りたくてたまらず、前のめりになってページをめくりました。
クリストフからの”裏切り”行為だけでも辛いのに、
切なく心抉られる展開はそこで終わらず。
アルベルトが氷の地に置き去りにされるシーンでは、思わず
「◯◯◯(ネタバレになるため名前を隠しています)、お前もか!」という言葉が
脳裏をよぎりました。
ドキドキと興奮を絶えず与えてくれるのが、
まず、一見「裏切り」とも思える行為の裏にある、
それぞれのキャラクターの思いです。
クリストフには、アルベルトへ捧げる一途な想いと愛が。
そしてアルベルトの命を危険たらしめる裏切りを行う者にも、
悲しい過去と事情が隠されていました。。
弟を思うあまり、許されざることをしたアルベルトの亡き兄の行動しかり、
主を欺き命を奪おうとした侍従しかり、
「悪」を決して100%「悪」だと断罪できないやるせなさが
深く心に響きます。
また興奮をさらに加速させるのが、
物語の大きな大きな鍵となる”裁き”と呼ばれる不思議な存在と
王家に代々隠されてきた、”血の秘密”。
この”血の秘密”、絆、あるいは能力とでも言うべきものがあるからこそ、
クリストフからの愛が生物、種としての”本能”なのではないかー
とアルベルトは衝撃を受け、その愛を疑い、
自分を厭わしい存在だと思うようになるのですね...
たった一つ、やっと”信じてもいいのだ”と思えた想いが
遺伝子に組み込まれたただの”本能”であるかもしれないなんて...
こんな切ないことってある!?と、読みながら打ちのめされました( ; ; )
ただ、失意の中、そこで決して「よよよ…」と泣いてばかりではない
アルベルトの姿が眩しい!
全てを失い、何度も命を狙われ気力尽きそうになりながらも
懸命に運命を受け止め、国のためを思い立ち上がる姿、堂々たるものでした。
特にクライマックス、”裁き”を見事に操り
自らに迫るトベルク(宮中伯の一人)を退けるシーン!✨
その臨場感たるや。
まさに”選ばれし王族”である存在感をこれでもか!と見せつけてくれ、
血湧き肉躍るような場面でした。
現国王やアルベルトのように、王族が発症する病の秘密。
アルベルトをひたむきに守ろうとする行為、向ける愛は
全て遺伝子に組み込まれた”習性”なのではないかー
そんなアルベルトの疑念をも吹き飛ばすような、
どこまでも一途で切ない愛を捧げる美貌の攻め・クリストフもまた
たまらなく魅力的なキャラでした。
表紙と、最初のキャラ紹介にしか挿絵がないのが残念...!
いろんなシーンのクリストフ(&アルベルトも!)を見てみたかったです。
主の命を守るためなら、裏切ったと思われても良いー
一体どれほどの覚悟でアルベルトを追放し、
憎しみのこもった目で見つめられることに耐えたのか。
苦しみながらも忠義と愛を貫くクリストフの姿に
たまらなく萌え悶えました。
二人の幼少期の思い出のシーンと、
凍宮に連れてこられ閉じ込められたアルベルトに
クリストフが何日も贈り物を送り続けるシーンがとても好きです。
脇を固めるキャラも皆個性が強く、それぞれ魅力的。
特に自分のお気に入りは第一騎士団長・ホーデンとその忠犬たち(ガイロ&ミーナ)です。
とてもとても重要な役割を果たしてくれた一人と二匹に
拍手を送りたい・:*+.
長い長い(本当に長い...!)苦難の末に、共に光を掴み取る
重厚な夜明けの物語。
巻末の番外編で、二人のその後、3年後の姿が描かれていたのも嬉しく、
じんわり心に幸福感が広がりました✧
