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今夜からおれの夜伽を務めてもらう
之焉(シエン:璃瑛を山賊から救い指南役として迎え入れられる)×璃瑛(リエイ:脩国の第八公子 印象的な青い瞳を持つ)
※この作品は「弄花伝」シリーズの2作目です。
中華モノに苦手意識がありそういうシチュエーションの話をほとんど読んだことがない私でしたが、シリーズ1作目の前作に引き続き(現代モノと比較するとスラスラ読む訳にはいきませんでしたが)、今作もちゃんと楽しみつつ読み進めることができました。相変わらず漢字の読み方を忘れたりはしましたが…(苦笑)
脩国の第八公子の璃瑛(リエイ)は少数の従者とともに、脩国の太子であり義兄の朱奎(シュケイ:前作でも登場しています)を訪ねる道中、之焉(シエン)という男に出会い、山賊に囲まれてしまったところを助けられます。義兄に頼み之焉を自分の馬術の指南役にしてもらいますが、行動を共にするうち之焉に惹かれて行きます。
冒頭は主従関係シチュのような感じで二人の距離が徐々に近づいていく様子が描かれます。でも之焉の正体が明らかになると、今までの穏やかな日々が一転し二人の間にも決定的な亀裂が入ってしまいます。
之焉が復讐のため脩国の太子・朱奎と公子・璃瑛に近づき、時期を見て陣に攻め込み二人を捕虜にしたという裏切り行為に対し、璃瑛は絶対に許さないと憎しみを募らせます。しかも捕らえた後の璃瑛は奴隷として之焉の夜伽を務めるように言われ、無理やり凌辱されてしまいます。
前作も切ない話でしたが、今作はさらに痛い・切ない展開がてんこもりでした。脩国に恨みを持つ之焉ですが璃瑛への執着は捨て切ることができず、璃瑛もまた之焉を憎み切れずお互い意識し合っているのは分かっているのになかなか歩み寄ることができません。色々なことがあってようやく気持ちが通じ合うかなと思った矢先、二人には別れが待っていて…となった時には、ここまでこんな焦らされたのにまだくっつかないの!?と思いましたが、ラストのラストでようやく状況が一転し、さすがにそんな鬼畜な結末ではない事が分かり一安心しました。
とは言えただでさえ殺伐とした雰囲気の作品なのに、二人の関係の中で甘いと感じる部分はちょこっとしかなく、正直読んでいてキツイと思ったりもしたのですが、そういう痛い・切ない部分も含めて読み応えがある作品だったと思います。