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表題作ラインハルト~調教官(アクトーレス)失墜~

ヴィラ・カプリの複数の男たち
アクトーレス(調教官)ラインハルト

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  • あとがき

あらすじ

ラインハルトはウィラ・カプリで人間を性奴隷の犬に仕上げるアクトーレスという職務についていた。かつての仲間・愛人を殺し、金持ちの男たちと何人も関係を持ち、栄華を極めていたが…。
出版社より

作品情報

作品名
ラインハルト~調教官(アクトーレス)失墜~
著者
鈴鹿ふみ 
イラスト
成田敏丞 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫black
シリーズ
アクトーレス失墜 ヴィラ・カプリ
発売日
ISBN
9784592850328
3.2

(5)

(0)

萌々

(1)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
16
評価数
5
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

SMとサスペンス

このレビューは「アクトーレス失墜」のレビューを読んでからお読みください。

「アクトーレス失墜」の事件から二年後のお話。
イアンの部下のラインハルトが巻き起した、自業自得の物語。
「アクトーレス失墜」のイアンは謀略により無実の罪を着せられ、ピアソンの手に落ちますが、このお話の主人公ラインハルトは自分で墓穴を掘っていくタイプです。
プライドは高いものの、カッとなりやすく短慮なものだから、こころのままに行動するたび事態はマイナス方向へと進んでしまいます。
ただ恋人・ウォルフ(振られちゃっています)のことを思って行動しているだけなのに、何かというと貧乏くじを引いてしまっているラインハルトなのですが、お金の為に媚は売ってもプライドは売らない感じで、ツンツンしたままなので、イアンのように同情したくならないのです。だって自分が撒いた種じゃんって思っちゃう。

こちらは犬(奴隷)にされてしまったわけではなく、お金の為に(恋人に城を買い戻してやりたい)気の進まない奴隷契約を取り交わしてしまったことが事の発端です。
なまじ魅力的な青年なので、他の男たちをも手玉に取り金品を巻き上げることばかり考えてしまった為に殺人事件に巻き込まれ、よりややこしいことになっていくのです。

イアンが上司であり、過去の経験からラインハルトを擁護する側についてくれたため、事態はどうにかいい方向へ収束するのですが、こうなるとウォルフ(元・調教官)に躾けなおしていただいた方がいいんじゃないかと・・・

今回も様々なプレイ満載ですが、後半は殺人事件と逃亡のことが中心なので、前作よりサスペンス色が強いかな。

そうそう、お仕置きや羞恥・レイプはともかく、スカトロがダメな方にはおすすめできません。(前作も含め)私は好きですが・・・

4

久江羽

>すあま様
コメントありがとうございます。
こういう役立ち方もあるのですね。今後の参考にしたいと思います。

ところで、怖いもの見たさで一回足を踏み入れてみては?なんてね。

底にあるのは純愛

最初に書いておきましょう。
SMテンコ盛りですが、何と言っても中心が一番羞恥を誘わせるということで失禁・脱糞のスカトロがテンコ盛りなので、要注意です。
そして解説がついている一冊目の『アクトーレス失墜』を読まれてからこちらに来られた方が、その世界観がわかります。
このお話は、その前編の後に起きた事件のお話になります。

前編で、金髪・碧眼で容姿が抜きんでていたアクトーレス(調教師)のラインハルトが主人公です。
彼は1300万ユーロを溜めるために、犬の飼い主であるレヴィンスキーという男と契約をして身体を売っていたのですが、その扱いが段々激しく犬と変わりない、見世物にされていくことでラインハルトが苦しむのです。
元はといえばラインハルトが悪い。
彼には婚約した男性がいたのに、浮気を繰り返し、相手の男性・ウォルフはヴィラを去り女性と結婚してしまう。
衝動的にラインハルトは、彼等が居る城へ押しかけ妻の女性に発砲するという事件を起こしているのです。
ウォルフとラインハルトが結婚できたら住もうといっていた城を買い戻すため、自分を見失っていた時期に交わした契約。
罪のあがないと、ウォルフへの経ち切れない想いで残酷な扱いにも耐えているのですが、余りにそれが酷くて、ラインハルトと読者の根比べの様であるかもしれません(汗、、)

前編もそうでしたが、犬の主人達が犬がいるにもかかわらず調教師であるラインハルトに見せる執着。
皆がラインハルトを恋人にしたいと争うのですが(それをラインハルトは手玉にとっている)、一人だけ契約で犬にしていると知った時に生まれる飼い主達の激しい嫉妬。
それが、殺人事件へと発展してラインハルトを追い詰めていくのです。
前編において、同じように執着されて罠にはめられたイアンが今回はラインハルトの上司となり登場していますので、自分の二の舞をさせないためにイアンはラインハルトに援助の手を差し伸べる役割で活躍します。
訳がありそうな、ドイツ人リヒターが登場し、ひょっとしてラインハルトは彼とくっつくのでは?と思ったのですが、何と!?驚愕でした。
そしてラストも、信じられない!!
大きなドンデンが待ち受け、しかも予想できない作りに唖然とさせられました。
ミステリーとしても、面白い作りになっていると思いました。

ラインハルトのウォルフへの愛。
飼い主達の奴隷としての犬への愛もあるけれど、ラインハルトへも向けられる愛。
そしてその犬ですら、酷い目にあわされていても主人を愛している姿。
とても喜んで犬達は主人に酷い目にあわされているようには本文中からは感じられないのですが、それでもそこには愛が存在しているようで、奥が深いな~と思わされました。

BLというよりは幻想官能小説の部類に入るのでしょうか?
前作では登場人物達の顔は表紙以外一切描きこまれて表に出ることはなかったのですが、絵師さんが代わり、人物の顔が出たことで、より物語も頭に入りやすくなったような気がします。


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