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表題作花は何処へ行った

ヤスミン・タディック 軍人
クレイ・モルトン カメラマン

あらすじ

アメリカの脚光を投げ出し、激戦地サラエヴォへやってきたカメラマンのクレイ。
そこには彼を魅了する、悲しい瞳の兵士がいた――。

紅井採乃のヒューマン・ラブロマンス決定版!

作品情報

作品名
花は何処へ行った
著者
紅井採乃 
作画
紅井採乃 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ビブロス
発売日
ISBN
9784882713821
3.4

(5)

(1)

萌々

(2)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
16
評価数
5
平均
3.4 / 5
神率
20%

レビュー投稿数1

BLとしては?だが、戦争ものとしてはなかなかいい

私にとってはこれはBLなのかな?という感じのお話でした。

カメラマンとして名声のある主人公クレイは、周りからセクシュアリティだけを求められているようで、嫌気を感じています。自分が売れっ子にしたモデルがドラッグのオーバードーズで亡くなったのを機に、サラエボ(?の辺りの紛争地帯)に戦場カメラマンとして行きます。

政治情勢など全く知らないでやってきたクレイは、観光気分なのかと揶揄されたりしつつ写真を撮ったり現地の人と交流したりします。激戦区へ行った時に、赤ちゃんを連れた現地の女性を助けようとして、同行した記者(?)は殺され、クレイは男達にレイプされ、結局助けようとした赤ちゃんも女性も殺され、クレイも殺されそうになったところで、ヤスミン達に助けられます。

エロ描写は、母国でのパーティーでの乱交みたいな感じのと、激戦区でクレイがレイプされるシーンのみで、私はレイプはNG、BLに求めるのはラブラブなエロなので、BL的には全く萌えなかったです。

攻めとなっているヤスミンですが、クレイとはボランティアをしているヤスミンの妹を通じて交流を持つんですが、途中それっぽい感じは全くしませんでした。
最後、帰国するクレイに会いにヤスミンが飛行場に来て、クレイにキスをしますが、そこで「え?そうだったの?」と思いました。攻めと言ってもキスのみです。

BL的には全くでしたが、内戦の非情さを描いた戦争ものとしては、なかなかよく描かれている感じがしました。
ヤスミンの妹はクレイに好意を持っていたようですが、彼は帰っていく人間なんだから(帰国)深入りするなとヤスミンに忠告され、そこで爆撃か何かの爆発に巻き込まれ、兄さんを一人にしてごめんなさいと言って亡くなります。
ヤスミン登場時の仲間を助けようとする熱い気持ちと、日常的に戦場にいて残酷な場面に慣れてしまっている冷めた反応とが同居していて、そういう部分がよく表現されている気がしました。

飛行場でヤスミンにキスをされ、帰りたくない、ヤスミンのことがもっと知りたいとクレイは言うのですが、ヤスミンはクレイにここにいるべきじゃないと言いクレイは帰国します。
クレイはおそらく気付いていませんが、ヤスミンは妹が亡くなった時の爆発の影響で、脇腹から血を流して足元に血溜まりができていて、もしかしたら、ヤスミンはもう助からないかもしれないからクレイにキスをして帰るよう言ったのかもしれないとも思えます。(帰国しろとは前にも言ってますが)
そういう戦争の悲哀を感じるお話で、そういう部分ではなかなかよかったです。

ただ、クレイが結局、サラエボに来て目的を果たせたのかという部分については、どうなのか、そのあたりなんとも書かれてなかった気がするので、よくわからないなー何だったのかなーと思いました。

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