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表題作銃爪(ひきがね)の絆

記憶を失ったイタリアンマフィア・アルフォンソ
フロント企業の社長・鳴滝仁

あらすじ

老舗の極道の跡取りで、今はフロント企業の社長である鳴滝仁は、商談で訪れたホテルの地下駐車場で敵対組織に襲撃されるが、偶然居合わせた外国人の男に命を助けられる。だがその時の怪我で男は記憶を失ってしまい、回復するまで仁が面倒を見ることに。身元の全く判らない、イタリア人らしきその人物―アルフォンソは、白金の髪と端正な容姿を持つ優雅な物腰の紳士的な男だったが、日本的な凛々しい美しさを持つ仁をいたく気に入り、世話をしてもらっている恩を返すためと仁の体への奉仕を強引に仕掛けてきて―。
出版社より

作品情報

作品名
銃爪(ひきがね)の絆
著者
結城一美 
イラスト
砂河深紅 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルスHYPER
発売日
ISBN
9784778106515
3

(4)

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
12
評価数
4
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

設定はそれなりに面白い

イタリアンマフィアと日本のヤクザ御曹司のカップルって、ちょっと珍しい?
設定的にはそう悪くないし、脇役に好感が持てます。

がっ! 結城センセー…やっぱり外国人の書き方と、記憶喪失設定があんまり得意ではないようです。
そこはスルーできるとして。
やはり、こういうビミョーな作品(悪くはない、がもうちょっとパンチほしい)についてはイラストレーションがものすごくモノを言うなぁと思うわけで。

イラストの間延びした感じがなければもう少し魅力的な作品になったような気はします。
たとえば、イタリアンマフィアの若きドンと、女性っぽくない男らしさのある受け、という組み合わせだと「花嫁飼育」(眉山さくら)なんて、けっこうなインパクトある作品だったと思うんですが、あれはイラストの魅力がかなり加担していたかなと。

着目点は面白いし、サスペンス的な要素もそれなりに楽しめますが、キャラクターの魅力が出しきれていない、ここが惜しいポイントですね。

1

記憶喪失のイタリアンマフィア

組長の息子にもかかわらず、見かけがヤクザに見えないことがコンプレックスで、大学で経済を勉強し、フロント企業の社長になり経済ヤクザへのシフトを考えてみたり、背中に龍を背負ってみたり、努力だけはしている仁。
そんな仁のところに、関東進出を狙う関西の組に襲撃をかけられたところを、イタリア人に助けられます。が、肩に銃創を負い、頭も打ったことで記憶を失ってしまい、持っていたカードから名前がアルフォンソだと言うことしかわからなくて。
命を助けてくれた男だし、抗争絡みのケガだし放り出すわけにも行かず、仁のマンションで一緒に暮らすことになったアルフォンソ。

仁に優しく丁寧に扱われることでお返しを……と言い出すアルフォンソがしてくるお返しとは、これまた色っぽいお返しで。でも、それがイヤじゃないって……。
ん~、アルフォンソがゲイだって言うのは仕方がないかもしれないけれど、仁が流されるようにそれを甘受しなくてもねぇ。
このあたりは、ちょっと不自然というか強引と言うか、もう少し自然に(それとも私だけがそう感じただけで、自然にイタしちゃったの?)コトに至ったんだったらなぁ~って気がしなくもなく……。

仁の高層マンションに、直接銃を撃ち込まれたんです。関西の組がヒットマンを要して攻撃してきたと思い、これ以上我慢出来ないと殴り込みに行く計画を立てている最中、アルフォンソが自宅から消えてしまいます。
撃ち込まれたことがきっかけとなり、記憶を取り戻したものの、あやふやなこともあって黙って仁の自宅から姿を消して、敵対組織に乗り込んでいたというわけなんです。

仁の組と関西の組との抗争も、アルフォンソが間に入って収まり、アルフォンソは自国へ帰り自分の組織の後始末をすることになります。
アルフォンソが記憶を失っている間は、ヤクザものとは言うものの、わりとのんびりムードも漂っていて。襲撃とかあったんですけどね。
アルフォンソが結構お茶目なんですよね。龍の刺繍の入った青紫色のジャージが気に入ってみたり、仁の背中に入っている龍の刺青がお気に入りだったり。エロにかける意気込みが、並々ならなかったり。

時々垣間見える、マフィアの本能みたいなのとのギャップに萌えたりしましたよ。記憶が戻ってからは、シリアスムードになって、アルフォンソはちょっと怖かったりしましたけど。でも、どっちも格好いいんですよねぇ、卑怯なくらい。

イタリアと日本との遠距離恋愛なんだけど、どうやらアルフォンソは、日本進出を狙っているようで、そのうち“同居”とかもありそうな雰囲気。イタリア人らしく愛情表現が豊かだから、心配することもなさそうです。

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