表題作僕の手がやさしいと泣くなら

10年後 山本武
10年後 雲雀恭弥

作品情報

作品名
僕の手がやさしいと泣くなら
著者
ヨネダコウ 
媒体
漫画(コミック)
サークル
ニトロ攻鉄〈サークル〉
ジャンル
家庭教師ヒットマンREBORN!”リボーン”
発売日
4.7

(4)

(3)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
19
評価数
4
平均
4.7 / 5
神率
75%

レビュー投稿数3

ヨネダコウ作品で多分これが一番切ない

当時、これ程まで切ない同人誌は初めてでした。

マフィアの山本とヒバリ。二人は恋人関係。
ある日、山本の部下が何者かによって殺される。
ショックを受ける山本だが、実は部下を殺したのはヒバリで…

ヒバリの山本を思う気持ちが本当に切なすぎました。
そしてそれを表に出さないヒバリ。
滲み出てはいるんですけどね。ポーカーフェイスなんで。リボーンくらいしか気づきませんが。
何故ヒバリが部下を殺したのか。それには山本を思いすぎるあまりの行動でした。
ほんと、泣きました。
きっとその理由に山本が気づいても気づかなくってもヒバリはよかったんだよね。
というか、多分気づいてほしくなかったんだと思う。山本が傷つくから。
山本が傷つくくらいなら、自分が山本に憎まれたほうがましだったんだよね。
リボーンに諭され、やっと理由に気付く山本ですが、ヒバリに謝るこのシーンも切ない…
山本の気持ちもわかるし、ヒバリの気持ちもね…!この表情が…!そして最後の台詞が…!
こーゆー一つ一つの間の取り方とか表情とか台詞とか、ほんと秀逸ですよねー
もーたまらーん!!
そしてこの作品を読んではじめて山本のことちょっと憎くなりました。
大好きなんですけどね。バカなんだよね、ほんと。
ヒバリのこと大好きなくせに、肝心なとこわかってなさすぎるよ!
ラストも「そこで終わるんだ」ってゆーところで終わります。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもない。大切なところは二人で解決させるんだろうから。
その後の展開は個人の妄想で補います。

それにしてもヨネダさんのヒバリは山本のこと好きすぎる!!
もーほんと、どうしちゃったの?!ってくらい。
いいなー山本。
ほんと、同人誌にしとくにはもったいない作品です。
全国の腐女子の皆さんが、全員山ヒバ好きならいいのにな。。。

4

原点

自分にとって、BLってなんだろう?
そんな疑問が頭の隅を過るとき、その答えの一端を担ってくれるのが
いつもヨネダさんの作品であり続けるということは、
なんて幸運なことなんだろうと思う。

わたしのBLの原点と言える作品がこちらのヨネダさんの同人誌
『僕の手がやさしいと泣くなら』です。
山ヒバシリーズの中でも重めのシリアスなトーン。
設定は”マフィア”で、カルマを大切にしているファミリーの話。

山本の部下であり大事な友人でもある男を、ヒバリは殺してしまう。
男がファミリーの掟を破ったことを随分前から掴んでいたヒバリは
その上で、自分の好きな男・山本と
兄弟のように仲良くしているその男を見張ってきたのだった。
そしてついに上司・ツナからヒバリへ、裏切り者の暗殺の指示が出て―

クールで低体温で鉄仮面のヒバリが、
本当は情熱的に山本を愛し過ぎているところが、とても辛く切ない。
ヒバリが自分より格下の男にわざと傷つけられたり
慰めるように、許しを乞うように、山本のモノを口に含んだ後
自分が男を殺したと言い放ったときの表情、
暗殺を罵られた後、手を洗い、じっとその手を見つめる姿は
何度読んでも慣れず、
その度に胸が詰まり、魂を揺さぶられる思いがします。

そして、ヒバリの想いを知ることなく、責めるだけの山本が
どうしても憎らしくて(自分だって男の裏切りに気づいていたのに...)。
けれど結局は、いつもヨネダさんの山ヒバを読むとそうなるのだけど
ヒバリが赦すように、こちらも山本を赦してしまう...

ラストシーン
ヒバリの手を取り、涙で溢れた自分の目元を覆う山本の姿は
作中最も秀逸な場面であると言えるし、
そんな山本を見て、全てを悟ったヒバリの表情にも魅せられました。

2006年同人誌作品、ごく限られたページ数。
こんなにも魂を揺さぶる物語を生み出すヨネダさんは
素晴らしいとしか言いようがありません。
この作品を手に取ることができた幸せが自分の原点、
そう思えることが、BLに対するひとつの答えなのだと思います。

紛うことなく、わたしの中の原点であり、”神作品”です。

3

痛みが走る

非常に読ませる1篇です。
ヒバリの行動が切ない。そして指示したツナも。
さらに山本の部下であるルカも、何か理由があって裏切ったのではないかな。
山本が皆に愛されてるからこそなんだけど、
山本を想う周りの人たちの気持ちが暖かいから、余計に痛みが走ります。

ただちょっとラストが惜しかったかな。
でもこれ以上描いても蛇足になる危険性もあるかも…難しいですね。

マフィアという題材において避けて通れない事柄を山ヒバで描いた
素晴らしい作品だと思います。

ヒバリが一人手を洗うシーン、そして最後のヒバリの手を掴む山本のシーン
とても印象的でです。
それぞれの想いと悲しみにあふれてます。

そしてヨネダさんの描く10年後山本の背中のラインが、
とても好きだなぁと改めて思ったのでした。

2

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