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表題作普通のひと

的場宗憲
花島が再就職した出版社の営業マン
花島光也
出版社に中途入社したリーマン

あらすじ

コンビニのおにぎりなら『赤飯』。それがマイルールの花島光也は、ある夜、最後のひとつの赤飯おにぎりを見知らぬ男から譲ってもらった。『お洒落』よりも『誠実』という表現が似合う、でも、どこにでもいるような男だ。数日後、編集経験があると偽って入った出版社で光也はその男、的場宗憲と再会するのだが!?
普通に生きてきたはずが、恋した相手が同性だったら? 臆病な大人たちに贈る、思わず恋がしたくなる物語!
『普通の男』『普通の恋』に書き下ろし『普通のオジサン』も収録。
出版社より

作品情報

作品名
普通のひと
著者
榎田尤利 
イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
普通の男
発売日
ISBN
9784813011958
4.2

(97)

(50)

萌々

(26)

(18)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
24
得点
409
評価数
97
平均
4.2 / 5
神率
51.5%

レビュー投稿数24

No Title

コンビニで同じおにぎりを取ろうとしたところから始まる出会い。転職した先で再会。

2人ともまさか自分が?という思い込みからなかなか行動に移せないし、すれ違うし……男のプライドも邪魔して素直になれないし(お互いね)ハラハラしたなぁ。

【普通】とはなんだろうか?そこからはみ出したらもう普通じゃないんだろうか?心の問いかけがリアルだったし自分だってセクシャリティが変化することだってあるかもしれないよなぁとおもいながら読みました。

花島くんと的場さんにアドバイスしてくれるこーちゃんと西岡さんが気になりすぎた2人のお話もほしい♡

0

なんとも

めちゃくちゃにページ数があって読み応えがすごかったです!!

普通とは?を考えさせられる、等身大の男と男のものがたりがとてもとても良かったです!

が!!!!!!!
挿れる無理問答、挿れるための自主勉強がじっくり描かれ、焦らされ焦らされ、こんだけお膳立てして、本番どうなっちゃうのーーーって気持ちのまま、突如、5年後の描写になり、そのまま終わってしまったのでくさくさしました…男の矜恃が!ってもだもだぐるぐるぐるぐるぐるぐるんぐるん他者も巻き込んでぐるぐるしまくってた結果果は見せていただけないんですか…2人のじれじれ詰まってく関係、仕事の関わりがすごくすごく良かっただけに肩透かし半端なかった。必ずエロがないと!ってわけじゃないけど、あんなにやりあったのに?とネチネチ思っちゃいました。それ以外のストーリーはすごく素敵でした!!

1

普通が尊い

こういう作品大好きです。なかなかボリューミーですが、テンポよく読ませてくれるので、あっという間に読んでしまいます。そして、読み終わって、”はぁ~~よかった♪”としみじみし、内容が血となり肉となり身体中をめぐってくれそうな滋味深い作品でした。

BLなので、もちろんLOVEメインなのですが、それだけではなく、お仕事ものとしても楽しいですし、出会いを通しての成長だったり、出会ったからこその新しい価値観の創出だったり、2人の関係性に厚みをもたせるエピソード満載で読み応えがありました。彼らの周辺の人々も魅力的なんですよね。そこから、”で、普通って?”と改めていろいろ考えさせられるものがあり、読みながら自分のなかのあちらこちらが活性化していくようでした。

ずっとノンケで生きてきた2人が、なぜ同性にこんな気持ちを抱いているんだとモヤモヤする、経験のない感情の在り方に自問自答を繰り返す過程が面白かったです。恋という感情の不可思議な衝動がわかりやすく描かれていました。プライドがあるし、大人としての体裁もあるからなかなか素直になれなくて、すれ違いや誤解が生じて、互いに不安に思うしイライラするけど、でもでも、他の誰と比べても一番好き、一番可愛いと思える揺るがない感情がどーんと真ん中にある、バカップルの熟成、たまらんかったです。

個人的に好物な、初めてのアレ、、”どっちがどっち?”の葛藤もあって大満足な1冊でした。

2

「普通」とは何かを考えさせられた

いやー、面白かった。
すごいボリュームなのに全然飽きずに読めました。
男同士であることの苦悩はもちろんのこと、付き合いだした後のごちゃごちゃがリアル。
誤解からのすれ違いは焦ったいのですが、恋人同士って綺麗なばっかりじゃないじゃないですか。
ハッピーエンドのその先をしっかり描き切っているのが良かったです。

それにしても、的場はちょっと子どもですよね。
花島への優しさが空回りしていたり、独占欲が誤解をうんだり。
花島も思い違いが過ぎるよ;
2人とも不器用なんだろうなあ。

とはいえ、「普通」に拘ることより、自分にとって「自然」である方を選択するところが好きでした。
逃げずに向き合う、自分の気持ちに身を任せる。
……そんなことが出来る2人だったのかなと思います。

これだけの長編で、このエロの少なさは珍しい。
それなのに物足りなくないんだもんなぁー
ホント、素晴らしい文章力ですね。

4

ずっと手元に置いておきたい一冊

人気作家さんなので初挑戦のつもりでシリーズものでないこちらを。文章自体は一般寄り、何より描写の丁寧さに驚いた。
些細な動作を繊細に描写し、心理面もゆっくりじっくり追っている。かといってぎっちり敷き詰められたような緻密さがあるわけじゃないので、読みながら考えたり想像したりと読者が思考する余地が残されている。
「普通」をテーマにしたこの作品でこのバランスは絶妙で、心地よく読めた。テーマ選定も、直接的に男同士の関係に悩むという形でなく、「普通」という括りにしているのがとても良かった。読み手に解釈の余地が多くあり、より共感しやすく考えさせられる。

恋愛面は、二人が心を通わせるまでの過程でこれといって何かストーリーがあるわけじゃない。分かりやすく恋に落ちる事件もない。それでも両視点で丁寧に二人を追っているので、なぜかいつのまにか好きになっているというリアル寄りな変化を自然に受け入れられた。
後半はぽつぽつ事件が起こる。悩みまくっているが、前半より心理描写は控えめ。くっついた後の二人のもだもだなので、にやにやしたくなるシーンが結構あって楽しかった。
一番の山場が二人のコミュニケーション不足による勝手な勘違いと、その内容もあまりにありがちすぎる点はちょっと残念だったかな。その後の的場のブチ切れシーンは最高だったが。
特に的場は悩みながら自分への言い訳を述べることが多く、それが年齢相応の悩み方というか、それなりにいろんな経験を経てきたことが分かる心理描写になっていたのがすごく良かった。もう向こう見ずに突っ走ってしまえる年齢じゃない、でも……と悩んで爆発してしまったような。

キャラクターは突出して魅力的とか萌えるとかはない。そこらへんにいそうな、それこそ本当に普通のひと。人物を表す細かなエピソードに良い意味で二次元っぽさがなく、この人間臭さがぐいぐい読ませてくる。BLであることを忘れ、普通の大人たちの普通の恋愛を覗き見させてもらった感覚に陥る。
古い時代に書かれたものだと、現在の価値観や恋愛観とのズレを感じることがあるが、この作品にはそれがなく読みやすかったのも良かった。

読み終わってから、すぐに再読したくなった。このじわじわ好きになる過程を味わいたくなる感じは、なかなか他の本で経験がない。ふとしたときに取り出して読みたくなるんじゃないかと思う。そのときどきで感想も変わりそう。
ずっと手元に置いておきたい一冊になった。

6

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