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めちゃくちゃにページ数があって読み応えがすごかったです!!
普通とは?を考えさせられる、等身大の男と男のものがたりがとてもとても良かったです!
が!!!!!!!
挿れる無理問答、挿れるための自主勉強がじっくり描かれ、焦らされ焦らされ、こんだけお膳立てして、本番どうなっちゃうのーーーって気持ちのまま、突如、5年後の描写になり、そのまま終わってしまったのでくさくさしました…男の矜恃が!ってもだもだぐるぐるぐるぐるぐるぐるんぐるん他者も巻き込んでぐるぐるしまくってた結果果は見せていただけないんですか…2人のじれじれ詰まってく関係、仕事の関わりがすごくすごく良かっただけに肩透かし半端なかった。必ずエロがないと!ってわけじゃないけど、あんなにやりあったのに?とネチネチ思っちゃいました。それ以外のストーリーはすごく素敵でした!!
こういう作品大好きです。なかなかボリューミーですが、テンポよく読ませてくれるので、あっという間に読んでしまいます。そして、読み終わって、”はぁ~~よかった♪”としみじみし、内容が血となり肉となり身体中をめぐってくれそうな滋味深い作品でした。
BLなので、もちろんLOVEメインなのですが、それだけではなく、お仕事ものとしても楽しいですし、出会いを通しての成長だったり、出会ったからこその新しい価値観の創出だったり、2人の関係性に厚みをもたせるエピソード満載で読み応えがありました。彼らの周辺の人々も魅力的なんですよね。そこから、”で、普通って?”と改めていろいろ考えさせられるものがあり、読みながら自分のなかのあちらこちらが活性化していくようでした。
ずっとノンケで生きてきた2人が、なぜ同性にこんな気持ちを抱いているんだとモヤモヤする、経験のない感情の在り方に自問自答を繰り返す過程が面白かったです。恋という感情の不可思議な衝動がわかりやすく描かれていました。プライドがあるし、大人としての体裁もあるからなかなか素直になれなくて、すれ違いや誤解が生じて、互いに不安に思うしイライラするけど、でもでも、他の誰と比べても一番好き、一番可愛いと思える揺るがない感情がどーんと真ん中にある、バカップルの熟成、たまらんかったです。
個人的に好物な、初めてのアレ、、”どっちがどっち?”の葛藤もあって大満足な1冊でした。
いやー、面白かった。
すごいボリュームなのに全然飽きずに読めました。
男同士であることの苦悩はもちろんのこと、付き合いだした後のごちゃごちゃがリアル。
誤解からのすれ違いは焦ったいのですが、恋人同士って綺麗なばっかりじゃないじゃないですか。
ハッピーエンドのその先をしっかり描き切っているのが良かったです。
それにしても、的場はちょっと子どもですよね。
花島への優しさが空回りしていたり、独占欲が誤解をうんだり。
花島も思い違いが過ぎるよ;
2人とも不器用なんだろうなあ。
とはいえ、「普通」に拘ることより、自分にとって「自然」である方を選択するところが好きでした。
逃げずに向き合う、自分の気持ちに身を任せる。
……そんなことが出来る2人だったのかなと思います。
これだけの長編で、このエロの少なさは珍しい。
それなのに物足りなくないんだもんなぁー
ホント、素晴らしい文章力ですね。
人気作家さんなので初挑戦のつもりでシリーズものでないこちらを。文章自体は一般寄り、何より描写の丁寧さに驚いた。
些細な動作を繊細に描写し、心理面もゆっくりじっくり追っている。かといってぎっちり敷き詰められたような緻密さがあるわけじゃないので、読みながら考えたり想像したりと読者が思考する余地が残されている。
「普通」をテーマにしたこの作品でこのバランスは絶妙で、心地よく読めた。テーマ選定も、直接的に男同士の関係に悩むという形でなく、「普通」という括りにしているのがとても良かった。読み手に解釈の余地が多くあり、より共感しやすく考えさせられる。
恋愛面は、二人が心を通わせるまでの過程でこれといって何かストーリーがあるわけじゃない。分かりやすく恋に落ちる事件もない。それでも両視点で丁寧に二人を追っているので、なぜかいつのまにか好きになっているというリアル寄りな変化を自然に受け入れられた。
後半はぽつぽつ事件が起こる。悩みまくっているが、前半より心理描写は控えめ。くっついた後の二人のもだもだなので、にやにやしたくなるシーンが結構あって楽しかった。
一番の山場が二人のコミュニケーション不足による勝手な勘違いと、その内容もあまりにありがちすぎる点はちょっと残念だったかな。その後の的場のブチ切れシーンは最高だったが。
特に的場は悩みながら自分への言い訳を述べることが多く、それが年齢相応の悩み方というか、それなりにいろんな経験を経てきたことが分かる心理描写になっていたのがすごく良かった。もう向こう見ずに突っ走ってしまえる年齢じゃない、でも……と悩んで爆発してしまったような。
キャラクターは突出して魅力的とか萌えるとかはない。そこらへんにいそうな、それこそ本当に普通のひと。人物を表す細かなエピソードに良い意味で二次元っぽさがなく、この人間臭さがぐいぐい読ませてくる。BLであることを忘れ、普通の大人たちの普通の恋愛を覗き見させてもらった感覚に陥る。
古い時代に書かれたものだと、現在の価値観や恋愛観とのズレを感じることがあるが、この作品にはそれがなく読みやすかったのも良かった。
読み終わってから、すぐに再読したくなった。このじわじわ好きになる過程を味わいたくなる感じは、なかなか他の本で経験がない。ふとしたときに取り出して読みたくなるんじゃないかと思う。そのときどきで感想も変わりそう。
ずっと手元に置いておきたい一冊になった。
『普通の男』、『普通の恋』に『普通のオジサン』の書き下ろしを加え、『普通のひと』と冠して刊行された新装版。大好きな木下けい子先生の挿絵で満足度倍増!(木下先生の描くリーマンが好みなもので…。)
グラフィックデザイナーとして勤めていた前職を会社の倒産で失い、主にビジネス書を手掛ける中堅どころの出版社に編集として再就職した花島。そこで営業一課の的場と一緒になるが、それ以前に二人はすでに出逢っていた。ノンケ×ノンケの恋物語に発展するのか、しないのか。どうなっちゃうのか知りたくて、でもって二人が近づいていく過程が面白くて、すぐに読み終わってしまった。
受け攻めどちらの視点でBLを読むかについては、もともと無自覚だったのもあって、どうせならどっちも楽しめる第三者の視点なのかな〜?といったスタンスなのですが、花島・的場両方の視点から描かれるこのお話では、断然的場に注目して読み進めました。花島よりも的場の描き方に、作家さんの腐視点が冴え渡っているように思えてならなかったのです。的場の仕事に対する姿勢。女性との関わり方や花島との距離の取り方。休日の過ごし方。部屋の様子。煙草を吸うタイミングや仕草…。よく観察していないと描けない、けれど全然美化していない男のリアルな姿が満載。なんとなく花島には同化できなかったのですよねー。彼はうじっとしてて、好きな人に自分のことを追っかけて欲しいっていう、ちょっと女のコっぽい欲求があるように感じて。
よく普通っていう言葉を使ってしまうけど、一体「普通」って何だろう?というのが大きく打ち出されているテーマ。普通って他の言葉の概念についても言えることで、解釈は相対的なもの。また、その概念に当てはまる人数が多い方が「普通」と多数決で決定づけられるものでもなし。そんなメッセージを受け止めました。
さすがにファンが多い作家さま。メインの二人を取り巻く魅力的な人物達も多く登場し、飽きさせません。読んでいる間は、次回が気になってしまう連続ドラマを観ているような、ワクワクドキドキの時間を過ごさせてくれた作品でした。そりゃもう、他の作品も読まなきゃ、でしょう!