泣いて好きだってキスしろ

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表題作MOON DIVE

朔月司波、満月時に女体化する人魚の息子/大学生
榊敦行、攻様の高校の同級生/運送会社のアルバイト

あらすじ

優等生の仮面を被って生きてきた人魚の司波。
だが元同級生・榊との再会で、秘めた狂気が目覚め始め…。

まるで、本当に恋をしているようだ――人魚の息子として生まれ、満月の夜に女の体になってしまう秘密を抱える司波。人並み外れた優れた容姿と優等生の仮面で他人を欺き、それを誰にも悟らせずに生きてきた――ただ一人、高校時代の同級生・榊淳行を除いては…。
ある夜、榊と再会した司波は、女の姿で彼の気を惹くゲームを思いつく。だが榊が男しか愛せないと知るや、自分でも制御不能な欲望に突き動かされ、彼を無理やり抱いてしまい……。
出版社より

作品情報

作品名
MOON DIVE
著者
神江真凪 
イラスト
車折まゆ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576090733
3.3

(11)

(1)

萌々

(4)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
36
評価数
11
平均
3.3 / 5
神率
9.1%

レビュー投稿数4

内容はたっぷり、でも読みやすいです!

男としては女をとっかえひっかえ、女としても男をもてあそび…司波はそんな生活を送っています。
女としての次のターゲットは…
冒頭で男から助けてくれた、高校時代のむかつく思い出の男・榊でした。

小学校から大学までエスカレーターである司波の学校に高校から入ってきた彼は、
当時誰にでも優等生の空気を振りまいていた司波の、その“仮面”を見破った唯一の男でした。
仲なんて良くない、喋った事もないのに、グサッとくることを言われた…。
そんな記憶から、女としてメールして女として会って、榊を落とそうと企むのです。
榊が助けた女性のイトコだと称して、同時に男の「司波」としても榊に近づいていきます。

司波は一ヶ月一度しか女になれないので、一ヵ月後にやっと当初の計画が動き出します。
でも、その一ヶ月の間に司波と榊は結構仲良くなっているというか…親近感?が芽生えていて
女として綺麗になって会うけど、もうここに女であることの絶対的なこだわりは見られません。
というか…一ヶ月ぶりに女として会った時にアクシデントで発覚してしまった事実…
榊は実はゲイであること…
で、司波の考えは、やはりちょっと人間離れしたところに行ってしまいます…!

アクシデントへのショックと酔っぱらいで寝てしまった榊を運んだホテルで、
司波はいたずらを始めたかと思えば、夜が終わってしまったので女→男になり…
ある意味でのリバーシブル(挿入は男の時のみ☆)が行われています…。
その後も榊をその部屋へ監禁して、ずっとセックスまみれの数日間…。
これがもう激しくて激しくて。でも車折先生のイラストが美しすぎてエロ加減はほどよい甘さです!
人魚の口止めとして監禁するとの名目ですが、それだけではないよね?という司波の執着ぶり。
対する榊も、本気を出せばいくらでも逃げ出せそうなのに司波に抱かれ続けて。
もうこのあたりでは、榊の思いは結構予想はついていますが、
司波の、抱きしめるつもりが突き放すような…キスするつもりが噛み付くような、
カオスな感情の動きに、本当、止まらなかったです。

ラストまで読むと、別に人魚設定は無くても良かったんじゃないか?
と思えなくも無いですが、女性(一応)が榊の後ろを弄る様子なんかにちょっと湧きました。
だからやっぱり必要ですかね! ←
…振り返ると、結構内容的にはどっさりだった気がします。
人魚設定に高校の嫌な記憶の相手、女装がゲイで監禁うんたらかんたら…
実はこれ以外にもまだちょっと事件はあるんですけれどね、内容濃かったのかな?
でもぜんぜん重くならないし、今振り返って「こんなにあったか!」と思えるくらいスッキリしています。
だからとても読みやすかったです!

5

人魚設定は必要ないと思います

人魚設定じゃなかったら、神にしてたかも…。
先にレビューしたお二人ともが書かれてますが、攻めは人魚の息子という設定です。満月の夜にだけ女になる。この設定がなくてもお話は作れたと思います。
この攻めが、私好みのイヤな性格の男でした。
俺様で傲岸不遜で遊び人で嘘つきで。
でもそんな彼が、見事に「ハマって」しまいます。ついに本気の恋をしてしまうのだ。
私の大好きな展開キター!と思いました。

でも攻めは最初は自分の気持ちに気づかず、ゲームをしてるつもりです。嘘ばっかりついている。読み手は「あーあーあー。そんな嘘ついて…いつかしっぺがえしが来るぞー!」とハラハラ(私はワクワク)しますw
で、攻めは途中で壊れて暴走して鬼畜化。
実はめちゃくちゃへこたれてるくせに、不遜な性格は変わらず。怒涛の監禁セックスの場面は、切ないやらエロいやら馬鹿だわ、いろんな感情がごっちゃになりながら読んでました。
でも攻めが最後の最後まで傲岸不遜さを貫き通したのが良かったですね。

神江真凪さん、いいなー。
今まで読んだ作品、すべて好きです。すべて私好み。
ガンガン本出して欲しいな。

4

気になる理由に辿りつくまで

今回は満月の夜に女に変化する人魚の息子と
運送会社のアルバイトのお話です。

高校時代の同級生である二人の再会から恋人になるまで。

人魚は海に住む人ならざるモノ。
娘達は上半身が人間、下半身が魚の姿で海に住み、
子をなす繁殖期にのみ陸に上がります。

しかし
下半身も人間の姿で生まれる息子達は水中生活に適せず、
人間の中での生活を余儀なくされます。
攻様もそんな人魚の息子の一人です。

エスカレーター式の私学の大学生である攻様は
見た目も成績も運動神経さえも人より優れていた為、
プライドが高く傲慢な性格を隠して鷹揚な優等生を装いつつ、
自堕落な生活を送っています。

かつてそんな彼の態度を見破ったのはただ一人だけ。
その彼こそが今回の受様で有り、
このお話は二人が再び廻り合う満月の夜から始まります。

人魚の息子達には
満月の夜に男から女に変化する性質が有り、
その日も女に変化した攻様は、
エリート然とした男と暇つぶしのデートに出掛けますが、
キレた男に襲われそうになります。

あわやと言う場面に現れたのは小柄な青年。
自分が本物の女ならまるで少女漫画のようだと思いつつ、
有無を言わさず男を殴りつけた青年を見ていた攻様は
彼が去った後も既視感が消えません。

そして彼が昔自分を不愉快な気分にさせた
かつての同級生だと気がついた攻様は
自分が味わった屈辱を晴らすべく一計を案じます。

助けた女を従妹と称して彼に近づけて惚れさせて振り回し、
散々貢がせた挙句に捨ててみようか。

それは今までの退屈しのぎと同じで有りながら
今まで以上にスリルに満ちた遊びだったはずなのですが?!

人畜無害を装いつつも傲慢で俺様な攻様と
人馴れしない為に凶暴な言動の受様というカップリングな為、
攻様がかなり過激な行動で
二人の関係を推し進めるお話となっています。

強引な言動のわりに自分の気持ちの判らない攻様の
受様への独占欲が透けて見える描写と
乱暴な言動は照れ隠しな受様が
攻様の本質に気付いたのも恋心からという健気なところも
ギャップとなっていてポイント高し!!

どうまとまるのかワクワク、サクサク読めました♪

はっきり言って「人魚の息子」という設定がなくても
充分にまとめられる技量がある作家さんだと思うので、
この設定はあまり必要なかったと思いますが、
もし今後も続く予定なら伏線ぽく利用できるのかな?

できれば二人の未来と
攻様の同居人にして幼馴染の恋も読んでみたいですね♪

今回は本作同様
自分の気持ちが判らないまま受様に手を出してしまう攻様のお話で
雪代鞠絵さんの『可愛い下僕の育て方』をお薦めします。

3

人魚な攻め

 人魚の息子として生まれ、満月の夜だけ女の体になる司波。
 普段は優等生の仮面を被り、その優れた容姿から周囲を欺きつつ、満月の夜は男を手玉に取る遊びを楽しんでいた。
 そんな時、豹変した男に襲われているところをたまたま通りかかった高校時代の同級生・榊に助けられる。
 司波の人生で、唯一、司波の本性を見破ったような声をかけてきた榊に対して、司波は悪趣味なゲームをしかけることにする。
 それは、女として榊を落とす――というものだった。
 けれど、実は榊が男しか愛せないと知るや、司波は榊の了承も得ず抱いてしまい――

 という話でした。
 ちょっとファンタジー要素と執着要素が多めの話。
 人魚という設定が完璧に生きていたかどうかは疑問が残るところですけど、まああっても悪くはなかったと思います。
 どっちかっていうと、ダークな印象ですが、気持ちがないわけではないので、どろどろ感は薄めなので、読みやすくはあると思います。

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