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不馴れで不器用なところがたまらない、理屈が通用しない十代の恋。
帯『不器用で不慣れなところがたまらない。理屈が通用しない十代の恋。』
4編収録された短編集、内2本は連作になってます。
帯コピーの「不器用で不慣れなところがたまらない」とありますが、この言葉はそのままこの作品の魅力をズバリ言い当ててる様に思うのです。
初コミックスという事ですが良い意味での新人らしさが出ています、それがつまりその上の言葉に繋がって来る訳ですが。
良い台詞や表情や、シチュや場面や漫画をこの作者さんは沢山持っていてそれをまだ不器用で多少不慣れなりに表現しています。
未だ不器用で多少不慣れに感じる、この作品に限って言えばそこがいい感じに働いて魅力となっています。
「氷の旋律」のみ異色というかややブラックな話ですが、こういう持ち札も持っているという部分を見せてもらった気がします。
繰り返しますが良い意味での新人らしい魅力の溢れた一冊でした。
カシオさんは、二次創作の方を先に知り、ずっとずっと読みたいなあと思いながら、ようやく購入し拝読致しました。
ぶっちゃけオリジナルの方が好きです。
それは、まあ置いておいて。
タイトルにあるように、絵柄で苦手意識を持たないで頂きたい作家さんの1人です。
多分ボーイズラブ初心者さんには不向きな気がします。
初心者さんは、割と例えば少女漫画的な絵柄であったりとか読みやすい作家さんの方が入りやすいと思いますので。
とは言え、カシオさんの絵柄が特別読みにくい絵柄というわけではありません。
荒いと言ったら少しそうかもしれませんがさっぱりした絵柄でありながら作品全体的に漂う独特なエロティックさは言葉ではなかなか表せないものです。
ダークな作品も甘酸っぱい学生ものも短いお話ですが「じっくり読ませてくれる」印象でした。
収録作に関してはすでにたくさんの方が書かれているので割愛させていただきますが、私は表題作が好きだーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
読み始めたときとは、良い意味で裏切られました。
(だって私的にメガネくんは間男的なポジションだと思ってたんだもの!)
流石です!
でも、如何せん、話が半端に短いなぁ、、
短編なら短編でいいんだけど、2回続いての終わりがこれって、、、(恋愛初期症状)
ここで終わるの、後味悪い、、(氷の旋律)
もうちょっと、じっくり長く描いたら、ちゃんと収まりそうなのに、指定のページ数には、まだ、うまくお話を納めきれないって感じなのかなぁ。
男の子の、細いうなじとか、時々、はっとする色気があるし、
ストーリーも、雰囲気だけで流しているわけでもないし、
もうちょっと、落ち着いて、長い物を描いてみたのを読んでみたい。
何と言いますか、味のある絵柄です。
狙ったウマ下手風味なのか、使っているペンが独特なのか、もしかして下描き無しの一発勝負なのか…
オビにある「不器用で不馴れなところがたまらない。」というのは、絵柄もひっくるめた内容のことなのかしら~と、思わず深読みしたくなりました。でも、雰囲気があるのは間違いない。
さて、このコミックスには、高校生同士(表題作)、母親の友達×息子、大学生同士のお話が2つの、合計4作品が収録されています。全体的に、どれもさらっと流れていかない感じのギクシャク感を楽しむお話だと思います。作者のペン先と同じように、所々止まったり掠れたり震えたりする、その微妙な感情の機微を楽しむうちに、胸がきゅーんとしたり、恥ずかしさにドキドキしたり、こちらまで不器用に反応してしまうのです・・・
個人的に好きなのは、やはり表題作。私の好きな声優さんが「恋は早い者勝ち」と仰っていましたが、正に、気持ちは伝えたもの勝ち…なのかもしれません。
主人公の夏目君は良く言えば素直、悪く言えば単細胞。初対面の下級生(男)にラブレターを渡されたら、その子を好きだと思ってしまう。それが勘違いだと分かって落ち込んでいる時に、傍らにいた親友にキスされたら、今度はその友達が気になり始めてしまう…
こう書くと、夏目君がすごくいい加減に見えますが、ここであの不器用な絵柄が生きて来るのです!微妙な感情の揺れみたいなものが感じられちゃうんですねぇ。最初は普通の友達だった彼らが、友達の雰囲気を残しつつBLの雰囲気も醸し出して行くこのシリーズ、不思議と惹き付けられちゃいます。最後の描き下ろしもHはあるけど甘すぎず、学生っぽい感じが良かったです。
次に、一つ異色の「母親の友人×息子」について。実は、これが一番気になった作品なのです。他の作品と比べてかなりシリアス風味。
設定としては、成功した音楽家(攻)が、同窓のバイオリニストの息子(受)に一目惚れし、彼の母親の苦境を助ける代わりに…どうすればいいか分かるね?(笑)という、まぁBL様式の一パターンなのですが、この話には一切甘さが見えません。攻はかなり強引だし、受はガールフレンドもいて、不気味な攻を嫌って着信拒否までしているのです。ラブ要素なんて垣間も見えません。なのに、攻は最も卑怯な方法で、受に承諾せざるを得ない取引を持ちかけて、受自身に自分を選ばせちゃうのです!!!ああ、大好きだ。こういう設定vvv
しかーし。このお話はここで終わっているのです。だから、この後ずっと憎み合って行くのか、愛が生まれて甘く終わるのか、読者には見えない~~。これは是非続きが読みたいよぅ~
そんな訳で、色々と気になる点はありますが、物語に魅力を感じるのでこの先が楽しみな作家さんだと思います。
カシオさんといえば、
某同人誌がモンスター級に人気高い作家さんというイメージです。
常になんかガツンとくるというか、ハッとする感じの表紙でセンスいいなぁと思ってましたが
商業誌になっても相変わらず印象的な絵を表紙に持って来られる!
話は2部構成の短編が2作品、一話完結短編2作品、各作品の後日談を描き下ろしで収録。
こんなところを突っ込むのも恐縮ですが、
さやちゃんの出番と扱いがもっと格上にしてほしかった~~妹~~!
男性だらけの空間に出てくる女子ってリアル要素的な認識なので
勿論脇役のノンケの男友達とかも含めて、主役を囲む人たちって重要ですよね!
妹が井上君に気があるっぽい発言をして嫉妬する場面とかそういう所が良いです!
二人か片方にもっと葛藤があると私の場合更にグっとくるんですがそれはどうでもいいですね(笑)
あ、でもちなみにそういった意味では「恋愛初期症状」は良かったです。
頑張って否定して否定して無理だったどうにかしてくれコノヤロー!っていう感じが(笑)
ストーリーは短編はどうしても展開を急がざるを得ないのでそのあたりはぜひロングスパンの展開を妄想力で補うとして、カシオさんの魅力は絵柄の持っている独自の雰囲気というかオーラですね。
顔のアップと伏せ目が美しいです。薄い感じの体躯がまた色っぽい!
特に本当にカラーが魅力的なので今後短編でもかまわないのでフルカラーマンガというのも見てみたいかも?!
私同人誌は実は読んだこと無いのですが、初出順に見ていくと、『雪崩くんはそれを我慢できない』は独白が多いのですが、『氷の旋律』は一気に台詞量が多くなり『恋愛初期症状』は台詞量が少し減り『スイッチON!』では台詞主体で展開している感じでしたので、東京漫画社ではテイストがライトめなのが傾向としてあるのでギャグを交えたりする意味でも独白は抑えてあるのかなと思いました。だから東京漫画社のコミックス好きなんですけどね。ライトなんだけどいいんですよ+
台詞でまわす方がテンポがはやくなるので、そういったバランスをとっているように感じました。
今後是非カシオさんの長編連載とかあれば是非読みたいですね*+*