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表題作花の慟哭

須王仁 獣人リーダー
巴 須王の餌

あらすじ

「君のいない人生がどれだけつらいか、頭がおかしくなりそうなこの気持ちが、君にはわかる?」特異体質のせいで、幼い頃から研究所で育ってきた巴は、その研究所を破壊しにやってきた「組織」の須王に助け出される。しかし、巴の存在は、その組織でも混乱を招くものだった。組織の者に陥れられ、須王と引き裂かれた巴は、ある医者に再び監禁されてしまう。巴を救えなかったことを激しく後悔する須王と、須王のもとに戻りたいと願う巴。強く惹き合う二人の運命は、嵐のように膨れ上がりー…。
出版社より

作品情報

作品名
花の慟哭
著者
夜光花 
イラスト
高橋悠 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
シリーズ
凍る月~漆黒の情人~
発売日
ISBN
9784812439531
4.2

(79)

(47)

萌々

(13)

(13)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
16
得点
331
評価数
79
平均
4.2 / 5
神率
59.5%

レビュー投稿数16

期待以上の一冊でした

前作の『花の残像』に夢中になりすぎて、ものすごく続編の発売を心待ちにしていたものでした。
ウチの近所だとBL作品はあまり入荷してくれないのでネット書店に予約入れておいて届いたと同時にむさぼるように読んだ本でしたよ!(いまや懐かしい話…)
こういう場合期待値があまりに上がりすぎてしまい、読んでみると微妙に「あれ?」ってこともままあるのですが、この作品は本当に期待通りの出来だったと思います。
いや、もしかしたら期待以上だったかも…。
出てくるキャラ全てが愛しく、終盤読み終わってしまうのが本当にもったいなかったです。
何度でも繰り返し読み返したくなる愛しい愛しいお話。

あまりに好きすぎて、普段はスルーしているラブコレも5だけは購入してしまいました(笑)
かわいくて素敵だった~。

このスピンオフを出してくださった作者さまと出版社サイドにひたすら感謝の二冊でした。
うう、須王と巴の話をもっともっと読みたいです…!

5

気になる二人の行く末は…?

前作「花の残像」の前半部分でも、かわいそうな巴でしたが、
今回は出だしから悲惨な目に遭っていました…

ヨハンに陥れられ、瀕死の状態で放り出され、途方に暮れる巴と巴が死んだと聞かされ失意の中で組織のトップになっていく須王。
今後どうなるのー!?という展開で幕を閉じた前作。

今回はそれから2年後のお話です。
一言に2年とはいっても、巴にとって「殺してほしい」と願うほどに悲惨な2年だったようです。記憶も言葉も失い、ただ、恐怖の中で家畜のようにあつかわれる。本当に地獄のような状況です。
今回、巴をとらえるのは、カミラではなく、草田という医師と清文という獣人です。こいつら、本当にひどい!はじめは、記憶を失った巴の信頼を得るために、甘い言葉をかけ優しく接しておいて、いざ清文と契約を結んだら、巴を飼い殺しです。治癒能力をもつ巴の体質を利用して、逃げる巴を追いかけ回して、「狩る」。人間狩りのようなゲームを金儲けのためだけに行っています。巴は治癒能力のために、激痛の中でも死ねない。そんな巴が「殺してほしい」と願うのは不思議じゃありませんでした。
居場所を知られて、巴を殺しに来たヨハンのことを救世主だと思うほどに、巴は悲惨な2年を過ごしていたのだと、読んでいていたたまれなくなりました。

そんな悲惨な前書き(?)があったからこそ、須王との再会は、涙涙でした!こんどこそ、ホントのホントにもうダメだ!と思った先での再会だったので、感動もひとしおです。

そんなこんながあったので、須王の「巴、かわいがりっぷり」は相当なものでした。そして、その須王の行動に対して、「やりすぎ」というより、「巴はそのくらい大切にされて当たり前!」という、気持ちでいっぱいです。今までの辛い2年のぶん、巴はそれくらい幸せになってイイと思います!
本当に良かったねー!がんばったねー!!幸せになってねー!

そして、須王の巴に対する甘甘態度はもちろん、巴の2年間の様子を知り我を忘れて怒るところや巴の身体や心を心配してエッチしたいのに、我慢するところ、(しかも、唇へのキスもためらうほどの悶々具合)は、本当に本当に
萌 え ま し た !!

そして、最後にヨハン。
そ う だ っ た の か !
衝撃のラストでした!
納得のような、やるせないような…

4

健気さに涙、涙

幼い感じのコが受け、というのは本来あまりわたしの趣味ではないんですが、凍る月シリーズはお話が面白く、夢中になってしまいます。
この作品は本編を上回るか?というほど面白かった!!
お話もダイナミックで、無駄なく充実してます。
巴の幼さや不器用さを表すオムライス、2人の絆を象徴する金の指輪といった小道具も効いていますし、キャラも魅力的です!(粗暴な忍をだんだん好きになってきた…作者の術中にハマってしまったかも~)。
巴の健気さも無垢さも、施設育ちという経歴から不自然に感じず、ヒネたわたしでも素直に泣けてしまいました;
巴の受けた仕打ちの過酷さ、須王と互い想い合う姿に涙、涙…。
そして、ヨハンの盲愛も萌えでしたっ。
須王に傾倒するあまり須王本人をもだまし、陥れたた彼ですが、その一途さには敵(?)ながら心打たれました。
この作品を受けて、今後本編にいっそう深みがでてくるのではないか、と期待が高まりました!

4

おおお!!

凍る月シリーズは好きなので
須王さんってどんな人なんだろう~と思っていました
梁井さんと光陽のカップルも、もちろん好きですが
個人的に須王さんと巴のカップルのが好きです
ラブラブな感じが!!

4

やっぱり面白い

「凍る月」シリーズのスピンオフ、
「花の残像」の続きの1冊。
「凍る月」3作を読んでいなくても問題はありませんが、「花の残像」は必読。
リアルタイムで読まれていた方には待望上位ベスト3の1冊であったのではないでしょうか。
私も初めて読んだ時は、確か本屋を駆けずり回ったような気が…
でもこういうのって探してない時はよく見るのに、いざ探すとないんですよね…。
それ位「花の残像」と繋がっているお話です。

思いっきりネタバレレビューです。

今回再読なのですが、やっぱり面白い。
前作「花の残像」の再読の時は、
「あぁだったな、こぅだったな」の楽しさがあったんですけど、
今作はお話として再読でも面白かった。
というより先を知ってる分、更に面白いっというのがあった気がします。
冒頭の所は勿論の事、やっぱりヨハンが…。
前は勢いで読んでるから「わ!」とか「そうなの⁈」等ぶわぁ〜と読み進んだんですが、
今回は落ち着いて読んでるので、しみじみヨハンの事を考えながら読んだ感じ。
須王を語らせれば1時間の可愛いヨハンでありますが、
本当悲しい選択。
どうしてそうしか出来なかったんだろう。
その事を軸に読んでると、蓮や須王や相模の気持ちは勿論の事、
彼らを取り巻く組織という存在?を感じ、
それが読んでて悲しくもあり、単純に読み手として面白かった。
色んな1人1人の考えとか思惑が重なり合って動く重い歯車になす術ないような感じ。
自分の意志に反するのに、その歯車を回さなきゃいけないような。
まぁその悲しさとかやるせなさは、この後続く「凍る月」シリーズではもっとスケール大のものが待ち受けてるのですが…。
と考えると、再読の勢い止まらず、このシリーズを最後迄読みたくなります。

巴と須王の再会には、初めての時程ではないけれど、やっぱり泣けました。
今迄読んだBLの中でも1番泣いてしまうシーン。
本当に落涙してしまう程。
初めて読んだ時、巴が記憶を失くしてるってのは思いもしなかったので、びっくり。
しかもあんな状況で、あんなに幸せだったな巴が
死にたくて、楽になりたくて、それが今の1番の望みって…
なんだ、その1ポイントって。
最後にもう一度だけ指輪が見たい…と手を掲げた時に、指の間にすっと陰が通って須王の登場という所は、
もぅそりゃ泣くでしょ。
また、ここのイラストもいいんですよね。
巴の気持ちも須王の気持ちも、もう痛い程解って…
ここまでテンポ早めで、一気に頂点まで登ってくるので、
このシーンは何度読んでもいいなーと思う所であります。

けれどここで万事丸く納まるってものでなく、
その後巴は受けた傷のトラウマで、言葉は喋れなくなってるし、夜はうなされてしまう。
忍のクラッカーがきっかけでパニック状態になる所は悲しいですね。
その時須王がなだめてくれるのが読んでてあったかくて、優しくて、また逆に須王の苦しみもあって。
夜中うなされた時に須王も苦しそうな顔をしてるのに、目が合った途端に優しい表情になるとか、
その他たくさんのシーンがありますが、
須王も巴の事で苦しんで、大事で大事でしょうがなくて、
一方巴も須王に心配かけたくなくて、
お互いがお互い、相手を大事にしたい気持ちに溢れてて、それが純粋で愛おしくて、
読んでて本当楽しいです。
いやはや本当須王はかっこいい。

最後の終わり方も好きでした。
強くって、優しくって、かっこいい須王が巴の肩によりかかってるって…
一方巴は、自分の気持ちが須王に伝わってしまうから、一生懸命心の中でも泣かないように頑張ってるんですよね。
もう〜どんだけ可愛いんだ、巴。

2人のラブシーンも、いつもより数多く濃厚な気がします。
巴の気持ちも感じられるようになった須王、
そりゃ盛り上がっちゃうよなー。
私は再会した後の初めての時が、今迄BL読んできた中でも1番好きだな〜と思う位好きな気がする。
今回の再読で思いました。

他の作品でも再読する事はあるのですが、
中でもこのシリーズは再読しても楽しい度が高い方だと思います。
でも、再読もいいけどこの2人の話をもっとを読みたいなー。
夢のような理想の2人、
この2人の話なら、何度でもどんな話でもいつの話でも楽しめそうです。

4

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