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ズルくたっていいじゃない

色恋と無縁の勤労高校生の奈央美(なおよし)が、貞光グループの後継者、貞光さんと出会ったことで、一足飛びで大人の恋愛をしてしまった、一介の高校生にはとてもハードで切ないピュアな年の差ラブストーリーでした。
2009年の漫画ということで、スマホではなくガラケーだったりと色々時の流れを感じましたね。
ちなみに地雷がある人向けに書いておくと、死ネタがあります。

このお話、中盤以降のストーリーが怒涛の展開なんです。が、中盤以降について深く語るとすべてが根幹に関わる深刻なネタバレになってしまうんですよね…。なので、なるべくネタバレしないように感じたことを書いていこうと思います。

ほとんどは奈央美視点でストーリーを追っていきます。
恋、違和感、衝撃、葛藤…色んな事を彼の視点で読んでいくと、高校生だということを忘れてしまうことがよくありました。
「自分のことを大切にしてくれる気持ちをくれる人がいる、だけど好きな人を忘れられない自分が気持ちを受け取ることは、ずるかったり都合がよかったりするんじゃないのか」と苦く葛藤したりとか、セックスの最中に違う人の名前をつい呼んでしまって後悔したりとか、まさか高校生が経験するとは思わないですよ。

貞光さんもまた、決して高校生の子供としてではなく一人の奈央美という人間として全力で相対しています。


この作品に関しては、ズルいのは”みんな”ズルいんです。でも過ごしていくうちに幸せの形になるのなら、ズルくたっていいと思うんです。

ちなみに親友の吉野くんがすごくいいヤツでした。彼の家庭事情もかなり気になるところです…。

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もうちょい

表紙見て金持ち社長と高校生ヘルパーの甘々シンデレラ話かなーと思って買ってみたですが、意外な事に切ない系だったです。

両親が借金を残して亡くなってしまうも3兄弟で明るく頑張る一家の次男、奈央美[受]が主人公。簡易ヘルパーのバイトしてる高校生。
10倍料金と言われて一週間限定で向かったお屋敷に居たのが貞光グループの跡取り紀彦[攻]、そこから話は始まるですよ。

蒼イリメさんは初めて読みましたが、絵柄は表紙よりダサめでぶっちゃけ古臭いですが雰囲気でごまかさない丁寧な描き方は好感持てます。

紀彦は優しい眼鏡青年で、奈央美も彼好みの紅茶を淹れるのに成功したりと徐々に2人の中は親密になっていきます。
けれど最終日に今日はもう来なくていいと言われて一方的に契約終了。
納得がいかない奈央美は後日、お屋敷を見に行くとそこには具合を悪くして蹲る紀彦の姿が-。
そこからは切ない方向にストーリーは進みます。
ネタバレ無しで細かくは書きませんが、絵柄と同じく丁寧なストーリー作りで、切なくもいい話でした。
ただ兄にそこまで反発した理由がイマイチ分からないのと、あとエッチは最後に持って来た方が良かったと思うですよ。
書き下ろしって事を考慮するとその辺はきっちり練り込めた筈なのでそこは惜しかったなあ。
エッチシーンが最後だったら萌にしたです。かなり萌に近い中立。

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