ボタンを押すと即立ち読みできます!
なんだろもう、西田東さんはやっぱ魅力的なオヤジを書くと天才的だなと思いました。
オヤジに限らないんだけどね。「人間」を書くのが上手いのだ。
弱さ狡さ脆さ、欠点だらけの人間がいかに魅力的かということを、セリフの一つ一つ表情の一つ一つで読み手に教えてくれる。
なにげに女性を書くのも上手いんだよね。一巻のアニタとかさ。ヘタな作家さんならアニタをただのイヤな女代表みたいなキャラとして使い捨てしちゃったと思うんだ。
受けも攻めも魅力的なんですが、この巻いちばん惹かれたのは受けの父親でした。彼にぜんぶ持っていかれた感じ。『願いかなえたまえ』の工藤に匹敵する名脇役だと思いました。
受けの父親は、追い詰められた汚職政治家です。
あの腹黒さと粘り強さ、敗北を確信したときの潔さに、「ひー」となりました。惚れました。むしろあのオッサンにこそ日本を任せたいですwあのぐらい腹黒い政治家じきゃ世界と渡り合えないさ。あれでハゲチャビンじゃなかったら良かったのになーとも思いましたがw政治家はビジュアルも大事なのだ。
で、この父を魅力的に書いたことによって、受けが何故ここまで父親に囚われてしまっていたか、そこに納得がいくんですよね。そりゃあ惚れる。いろんな意味で惚れる。
で、読み返すと、散りばめられた伏線に気づきます。
この巻は受けの「ゆらぎ」を顕著に見えるので、苦手な方がいるかもと思います。
攻めの視点から見ると、あまりにもヒドイもんで。勢いで日本に呼んだはいいけど、受けの気持ちは定まっておらず、行き当たりばったりに放置したり、会いにきたり、いったい何がしたいんだよと。
でもこれこそが、人間なんだよね。
攻めの焦燥と達観。迷いと決意。
で、最後の笑顔にポロッと泣きました。
この政治家義理父がまたかっこいいんです。悪いんだけど信念があって。
義理の息子を心から愛しているのが分かるシーンだけでもう、
文句なく神認定を差し上げたい。
彼は西田東の中でベスト枯れオヤジ(60代以上部門)でしょう。萌えー。萌えー。
巻末おまけ漫画
西田東って、ギャグのセンスとタッチが岡田あーみんを彷彿とさせますよね。
「東村アキコがあーみん信者で多大な影響受けたみたいだよ、ギャグも似てるよね~」
っていうレベルをはるかに超えて似ています。
同一人物って言われてもおどろかない。
なので、あーみん信者も西田東読めばいいと思います。
キラキラ少女漫画からオッサンだらけのホモ漫画へ
振り幅がすごいけどあーみん信者ならいけますよね。ついてこいよ!
表紙のお茶目なタカヒロと、どこのゲイカレンダーかみたいな裏表紙のジャックがタッグを組んでもまるで勝ち目のない、見返し部分のカラーでのオヤジ!
1巻でも悩殺されましたが、今回これまたヤバいです。どんだけセクシーやねん。
この作品の肝にもなっているこのオヤジの存在感ったら…助演男優賞ですな。
そしてもうひとり、今回これまた魅力的なヒゲハゲが!
西田劇団にはこれまでいなかったルックスですが、いい出汁出してんな~。
なんでこう脇役までもが激しく魅力的ですかね。
すいません自分の趣味丸出し感想は、ここまでにしときます。
しかし毎度こちらの過剰な期待を裏切らず、見事に素晴らしい作品を描いてくださるな~と、畳の上でドッタンバッタンしちゃって、ウールのセーターにい草のケバケバがいっぱいついちゃうんですよね。7年も畳み替えてないもんで。
なにしろ見どころは、コマ割りで作る間。
1ページ丸っとセリフがないなんてのが何枚もありますが、顔のアップだけの3コマで1枚とかね。
それが余計にぐっとくるって、そんな作品あまり類を見ないんじゃないかなあ。
そして毎度お楽しみのおまけマンガ、今回はちゃんとありました。いやっほー!
なんだそりゃと思わず呟いてしまうシュールな4コマですが、いいんだ二人が幸せなら。
喉がぎゅっとなってしまうほど、せつない気分で読み終えた本編のあとのこのおまけマンガは、ほどよい按配で、心がほっかりするのです。
2巻で完結です。
まだまだ読みたい所ですが、綺麗に纏まっておりますので。
1巻では全編アメリカ舞台でしたが、こちらは全編日本が舞台です。
俺を好きなら日本に来てくれと、ジャックを誘った隆裕。
右も左も分からないジャックを熱烈歓迎するのかと思いきや、他人任せ。
素直じゃないんです、このファザコンw
そして本人も言っておりますが、女の子です。女々しい感じの。
もう2重苦ですw
そんな隆裕と、新しく物事を吸収し、成長しはじめたジャックですから、すれ違うんですね。
そして、かなりのキーパーソン父。
彼は隆裕が父を想う以上に、隆裕を愛していたのでしょう。
彼に息子が居なければ、あの選択は為されなかっただろう。
絶望の隆裕を、奮い立たせたジャック。
希望のある最後が良かったです。
ジャックの吸収率が凄い。あんなに素敵に悪くなるなんて!!
おまけマンガが、また最高です。
可愛いなぁ。
こっちまでらんらんですよw
余談ではありますが、昨日初のサイン会に参加させて頂きました。
プレゼントです、と先生からジャックと隆裕鳥のフォトペーパーを頂きました!!
幸せ!!嬉しい!!
個人的には二巻のほうがすき。
二人が結ばれたあと、攻が日本にやってくる。
2人で住めるのだとおもっていた。
二人で生きていくのだと思っていた。
そのために故郷を捨てて知らない地に降り立った。
なのに受は自分にそっけない、知らない家、知らない人のなかで~な攻の感情と、受の真意は~なお話なのであります。
女にされていくと葛藤する受。
攻はその感情がつかめなくて右往左往するのだが、周囲からはわりと受の気持ちがわかってしまっている。
“恋をしている目”“片思い”の表現。すごくイイ。
父親への依存、そのために奔走する受。
1巻では、わりと不遜な人間に見えたのだが、本当はもろくて弱い。
そんな部分が今回は浮き彫りだったのではないだろうか。
攻が、他の男とキスをしているのを目撃してしまうシーン。
怒った受の感情がわからない攻と~な駆け引き。
エロ的にはアレですが、ジワっと本当に面白かった。
ハッピーエンドは近い