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表紙の気だるげな男の色気と
幼なじみのリーマンもの!という点が気になって読んでみました。
表紙とあらすじから想像できないコミカルさ!
妖精にかけられた魔法(呪い?)で
同性に取り入れられるようになってしまうって!
まさかのファンタジー要素に驚き。
ホイホイ流されて毎度トラブル。笑っちゃうくらいひどい(笑)
そのたびに手助けする羽目になる腐れ縁幼なじみの高森。
「親友だけは特別」と皆川は素で言ってしまったり、
それを喜ぶ高森の姿に、これは無自覚両想いでは?とわくわく。
いつ甘い雰囲気になるのかな、この2人の距離感も楽しいけど…と進めたら
事件をきっかけに皆川は恋と自覚、
いままでの悪行から信じれない高森、バッタバタとベッドイン。
このあたりから、読むのがしんどくなってきました。
勢いがすごくて、ええええ?ってなってるうちに
皆川の過去エピのシリアス展開の重さにええええ?
後半、気持ちがついていけないくらいの怒涛の展開。
母親のエピソードしんどい。
最後、いい話にもってきてるけど、しんどい。
好きな人に嫌われるくらいなら、失うくらいなら…
って展開は大好物のはずなのに
過去エピの重さか展開のふり幅にかイマイチはまれませんでした。
高森が長年ずっと見守ってきた気持ちは素敵だったけど
もう少し2人の甘さが見たかったかな。
電子にも挿絵を…表紙を噛み締めるしかない。
地味で変だから「ジミヘン」と言われているのに、何故か男には異様にモテまくるうえ「チン○さえついてれば誰でもいい」と節操なしの皆川(受け)。
いつも男との別れ話の尻拭いを幼馴染みの高森(攻め)にしてもらっている。
まぁほんと異様なくらいモテモテ。
それを、皆川は小さい頃にかけられた妖精の呪いのせいだ!と信じているんだけど、「魔性の男と呼ばれています」と「妖精ハンター×DT~四十歳童貞男の逆襲~」が読んでて頭をチラチラかすめまして、ああいうほのぼの&コミカル路線かなと思ってたのに、後半からのドシリアス展開が……。
ネタバレになりますが、読んでてなんなの?どーなの?!と思ったので書きます。
息子が同性愛者であることを苦にして、母親が無理心中(受けは直前で助かる)したとか、1mmも同じ母親として理解できないので、なんなんだろう……としか思えなくて。
同性愛者であることはそんなに罪深いことなんですかね?
それっていつの時代よ?と。
この作品が出版された2009年はBLを読んでいなかったので、2009年の空気みたいなのがわからないのだけど、今の感覚だとこの母親に対して違和感がありまくり。
しかも、この母親との確執がお話の根幹をなしているので、腑に落ちないままお話が終わってしまった……。
前半は面白かったのになー。
それにしても攻めの忍耐力がハンパないな!
電子書籍で読了。挿絵はありません(残念!)が、あとがきはあります。
あとがきによれば『オヤジ受け二作目』とのこと。
紙の本は2009年刊行ですので「中原さんでも二作目なのかぁ……オヤジ受けってまだ10年経っていないジャンルなんだなぁ」と感慨を深くしました。オヤジが愛でられるの、私は好きです。
幼い頃に『同性に言い寄られる魔法』を妖精にかけられた皆川は、異性には『ジミヘン(地味で変な奴の意。決してギターが神様なみに上手い訳ではない)』などというあだ名を付けられているのに、やたらめったら男性にもてまくっています。小さい頃からゲイの自覚もあるので、それを良いことに言い寄ってくる男性を喰い散らかし放題。そもそも、恋人としてではなくセフレとしてのお付き合いしかしないので、相手の名前もきちんと覚えていないゲスぶりです(ゲスゲスしたゲスではなく、ぼんやりしているので余りイヤな感じはしないのですが)。飽きてしまえばすぐ別れる。当然のごとく修羅場に発展しそうになるのですが、その度に幼馴染みの強面イケメン高森に助けてもらっています。
文句を言いつつ何度でも助けてくれる高森と、セフレについてはほとんど関心がないのに高森の嗜好はよく覚えている皆川。「この二人がくっついて終わるんだろうなぁ」と思っていたら、あれあれ?お話の中頃でもう、うまくいっちゃうんですよ。
ここからお話のトーンがガラリと変わります。
どうして皆川が、体をつなげても恋人を作らないのか、亡くなった母親の記憶がぼんやりとしかないのか、唯一血がつながっている叔母が彼を疎ましく思っているのか等々、今までぼんやりと提示されていた謎がバタバタと明らかになる驚愕の急展開が待っています。
すっとぼけて笑える所と、重くて哀しくて苦しい所が同時に書かれているお話ですが、私、こういうの好きなんです。だって、実際の人生って、両方が共存していると思うので。
最終版、ラブシーンにもつれ込むまでが、ちょっとだけ豪腕過ぎる帰来も感じましたが(中原さんが同じ題材で今書いたとしたら、もっとスマートにまとめたんじゃないかと思ったんですね)主人公を応援する『元セフレオヤジ集団』の描き方も含めて、やっぱり暖かい人情話だなぁと、ほっこりしたのでした。
エンタメ上手な中原一也先生。
本作も突拍子もない設定ながら、テンポよく笑いながら読み進める事ができます。
何しろ、冴えない・仕事に熱意無い・貞操観念無い、の38才・皆川が、子供の頃に「妖精に同性に言い寄られる魔法をかけられた」と信じきっており、チ○ポが付いてれば誰でも来るもの拒まず、名前も覚えずカラダだけの関係を持っている、という設定。
いつも男との別れ話の尻拭いをしてくれる幼馴染の高森とだけは寝ていなかったのだが……
ストーカー騒動を例によって助けてくれた高森にときめき、初めての恋心に目覚める皆川。
そんな皆川をみんなで応援してくれる歴代セフレ達。
面倒を見ていた高森も実はずっと皆川が好きで…となって2人は無事結ばれます。
……と、ここまではコメディタッチの笑えるお話なのですが、この後物語は急激にシリアス、暗いトーン、トラウマ絡みに変化していきます。
癌で死んだという母親の闘病をほとんど覚えてない事、周りの人は何か知っていて自分には隠そうとしている事、疑惑が膨らんでくる皆川。
少しづつ記憶を手繰り寄せる皆川だが、その真相は……。
切なくて、哀しくて、辛すぎる真実でした。
前半と後半で雰囲気の変わる話なので賛否あると思いますが、私はシリアスの後また前半の世界観に戻していくさすがの力量、中原先生さすが!と感じました。
イラストは小山田あみさん。冴えない地味オヤジという設定ですが、絵はイケメンすぎです。
冴えないおじさんが、妖精の呪いで男にモテモテ、というギャグっぽい設定で、前半はぐいぐい押していきます。
モテモテな皆川は、本当にだらしなくて、お仕事も適当(でも人情はある)、男も食い散らかして名前も知らないほど。いつも別れ話でもめると幼なじみの高森に彼氏のふりをして助けてもらっています。
ここまでだとよくあるストーリーなんですが、後半がシリアス。ひょっとして前編は中編として発表され、後で足したのかな?と思うほど。後半を書くときはシリアスなモードだったのかな?中原さん。
別のお話を読む感じになります。
結局高森と皆川の物語ですが、後半で明かされる皆川のトラウマを乗り越え、最後はハッピーエンド。
歴代の皆川の男が仲良くなって皆川のために一肌脱ぐとか、飲み会仲間になるとか、非現実的な設定でちょっと興ざめな部分がありました。
一つの作品としては雰囲気がちがいすぎで、ややまとまりがないですが、読み物としては中編2つとして面白かったです。