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レビュータイトルは竹宮惠子さんの解説より言葉を借りました。
仮に杉本さんの(非BL作品でもある)最新作「ファンタジウム」を
読んだ方が本作を読んでも然程違和感はもたれない筈です。
BL作品が含まれている事に一瞬の驚きを抱いたとしても。
それ程に作家としての基本方針の完成度が高い一冊です。
デビュー作「タイムマシンにお願い」としんがりとなる「夕凪」は
非BL作品ですがそれぞれに良い持ち味で興深い作品です。
「タイムマシンにお願い」のオチになんとなくタイムリーさを感じて
しまったのは評者だけでしょうか?
JUNEと言う枠組みを使って描かれた青春群像をお楽しみ下さい。
なお本書はあすかコミックスDXとなっておりますがA5サイズで
刊行されております。探索の際はご留意を。
ずっと好きな本。
もしかして初めて買ったBL漫画かもしれません。
あ、この当時だとBLという言葉はなく、JUNEもしくは耽美と云われていた頃でした。懐かしい。
画学生と文士志望の書生さん、二人のお話。
あと、同時収録の「枯野行」も好き。
このやり切れなさ、たまりません。
また読み返して、ああ、こういう受好きだよねえと自分の原点を見たような思いでございました。
明治書生ものがお好きな方には是非読んでいただきたい!
他の方のレビューを読み、試しに…と読んでみましたが、
杉本亜未先生ワールド、と言うのでしょうか。武骨な絵柄なれども、
伝統的なボーイズラブを彷彿とする、あえて濡れ場を見せないエロスに
圧倒されてしまいました…!
単純に男と男だからの関係というよりも、
時代背景があっての行き場のない情念のようなものを感じます。
時代物BLが好き、という方に是非読んでいただきたいです。
また、判型もA5と大判なので、読みやすいのでお勧めです。