ボタンを押すと即立ち読みできます!
あなたの腕を恋しがる自分自身ごと、憎み続ける
いとう先生の歴史物といえばアラブ!と勝手に思っていたのですが、今作はトルコ帝国が舞台。
あまりみない舞台設定だと思うのですが、かなり面白かったです。
純粋無垢で優しかったはずの受けは攻めの裏切りにより復讐を誓う…というお話で、物語の最初から不穏な雰囲気から始まり、期待感が高まります。
なんかこう、攻めの気持ちも分からんでもないんですよね。受けがあまりに純粋で汚れを知らなくて人の愛情を信じ切ってて。だからちょっと(本編ではちょっとどころの騒ぎじゃないけど)痛い目見してやろうと。
攻めは気持ちの面が未発達で子供っぽくて、なんだか憎めないやつでした。攻めザマァ感もあまりなく、ただ受けと幸せになれよ…としみじみ思うと言うか。
あと他の方のレビューにもあるように、政変時の描写がすごく上手くて、本当にどうなるんだろうかとハラハラしてページを捲りました。さすがいとう先生。
いやぁ、いい俺様攻めでした!
・あらすじ
ある農村のはずれで身なりの良い男と出会った農民のユーニス(受け)。
その男は大オスマン帝国の皇帝・ファハル(攻め)だった。
ユーニスの無垢な性格を気に入り、地方滞在中の暇つぶしのために身分を明かさぬまま離宮に連れ帰ったファハル。
最初は、貧しい農民であるユーニスが自分の食べなれた食事に驚く様を見て楽しんでいたが、家族の話題になると立場が逆転してしまう。
高貴な身分ゆえに家族さえも信用できないと言ったファハルのことを、哀れみをたたえて見つめるユーニス。
それが悔しくて、ファハルはユーニスを傷つけるために、あえて偽りの愛情を囁き寵童としてトプカプ宮殿に召し抱える。
情に脆いユーニスが自分を愛した後、徹底的に傷つけて絶望を与えてやろうと思っていたのだ。
ファハルの企みは完璧に遂行され、無垢な愛情を裏切られたユーニスは5年の歳月を経て復讐のためにイスタンブールに戻って来た・・・。
・感想
この愛憎劇、かなり楽しめました。
愛してたから復讐のためにファハルを殺したいユーニスと、自分の本当の気持ちに気づかないままずっとユーニスを側において玩びたいと思っているファハル。
お互いがお互いにすごく執着しているんですよね。
そんな二人のHシーンがたくさんあるんですが、
お互いの感情が変わっていくにつれて、愛撫の仕方も変わってきます。
結構エロいので、その点も楽しめます。
復讐物ですが、ラストには物語が大きく動いて、ちゃんとハッピーエンドです。
ストーリーの面でも、恋愛ものとしての感情描写の面でも大好きなお話♪
この1冊でいとう由貴さんのお話が好きになりました☆
時代物や異国物があまり好きじゃない方には受けないと思うので、一応☆4つです。
ホントは☆5つつけたいところです♪
「5人の王」に似てるな、という印象でした。お話もそこはかとなく似ているんですけど、それよりも空気感が。受けの報われなさとか、一目ぼれとか、攻めのクールさとかですね。こちらの方がコンパクトにまとまっているので、読みやすかったです。
攻めは確かにひどいんですが、最後に出てくるように情に関する部分だけが子供のまま取り残されちゃった人、という感じで、私は特に気になりませんでした。それを一生懸命愛してあげる受けは、ほんとに菩薩のようで、読んでいるこっちまで癒されるような純粋な優しい子でした。
言い方は悪いけど、捨てる神あれば拾う神あり、とでも言いますか。拾う神(受け)に巡り合えてよかったね、と思えます。
想いが通じ合った後のぎこちなく子供っぽい攻めがギャップ萌えでした。
意外によかったのが、政変時の混乱描写です。アクション映画のようなスピード感・緊迫感・臨場感がよく出ていて、うまさを感じました。
2010年発刊の古い作品の電子化のせいか、手抜きがある。
目次が作成されていないし、メクリが重くて遅い。
純朴で奸計に弱い受のユーリスは、単純ですぐ騙される。
奸計に気付かない受が抱く私怨。
自分の孤独に気づかず、強がる攻。
ユーリスが、奸計に気付いた時点で、後が分かってしまうストーリー。
擬装暗愚の孤独な王と疑う事を知らない性奴隷の物語、閨シーンはやや多め。
騙したり騙されたり、その都度翻る二人の関係。
時代背景は、ヴェネツィアの連合艦隊がオスマン帝国艦隊を破った海戦「レパントの海戦」辺りじゃないかと思う。
---
●スルタン・ファハル・メフメド:ユーニスより二才年上。
大オスマンの皇帝。孤独な人。義弟に謀反を起こされた。
18才、身分を隠して散策中に見つけたユーニスを連れ去り、寵愛を続ける。
トランシルバニア遠征で、宰相の意見に従いユーニスを置いていく。
●ユーニス:
ブルサ近郊の貧農の子。両親は死亡。
16才、道を教えたファハルに、プルサ離宮に連れ去られる、
ファハルの孤独を癒したいと、家族を捨て、ファハルに純真を捧げる。
トプカプ宮に移動、ユーニスは初めてスルタンだと知る、寵愛は続く。
--
ファハルが遠征で勝利、その後、大きく流れが変わる。
ファハルの留守中、宰相はユーリスを軟禁。
ユーニス拉致の知らせを受けたファハル、「ユーリスは、捨て駒」助けない。
五年後、私怨を晴らすために帰国するが、
ユー二スの計画は呆気なく敗れ、依頼国からも斬り捨てられる。
--
●ファドマ:ファハルの母
コーカサス出身の元奴隷。物と金しか興味がない愚かな女性。
12才でファハルを即位させて以来、宰相と組んでいる。
●コルクド:大宰相 ・・ファハルは、大宰相に常に裏切られる。
政務の実権を握り、傀儡王のファハルを監視。
●ゼイネル:宮殿召使の長。ファハルより3才年上。
コルクドの配下ではない唯一。
●エメル皇子:ファハルの異母弟。幽閉中。
●ハリル:ユーニスの幼馴染 一つ年上。何度もユーニスを助ける。
5年の間に心身共に成長した受け様による復讐物語です。
最後はハッピーエンドなんですが。
ってかユーニスが達観して菩薩状態になります。
もうなんか子供を愛おしむような!
攻め様は最低(*`Д´)ノ!!!です。
幸せそうなユーニスの裏切られて絶望した表情を見たいがために村から連れてきて甘々演技で自分の傍に暫く置くのです。
演技派野郎です。
しかも皇帝(王子)なので振り回し加減が半端ないです。
ま、ある意味可哀想な人でもあるんですけどね。
愛され方も愛し方も分からない…幼少期に本来与えられるはずの家族の情がない状態で育ったのです。
…正直、そういうのって上流階級や王侯貴族階級ではよく見られる環境だとは思いますが←
でもだからこそ、幸せそうな愛情に溢れたユーニスに苛々したんでしょうね。
とはいえ正直もっと痛い目にあえば良いのに!とも思うのです。
実際痛い目にあったのはファハルにうっかり斬られたユーニスだし!
いや、精神的には堪えたんだろうけどさ…。
でも愛撫のやり方が気持ちの変化に伴って変わってくるのはいいΣd(・ω・d)!!!
5年前の玩具としてしか思ってなかった頃は自分からは殆どしません。
ユーニスに奉仕させることが多かったのです。
でも再会して…ハリルと関係を持っていないと知ってからは…!
しまいには後孔を舐めるのが好きだからもっと舐めたいとか言い出す始末(。-∀-)ニヤニヤ
ってかユーニス抱えないと熟睡出来ないって…もうその時点で特別って気付けよ!Σヾ(>ω<=)とか思ったよ。
そしてそしてユーニスの幼馴染みのハリルが不憫過ぎてどうしよう。
ユーニス大好きでユーニスのためにめちゃくちゃ頑張ってるのに報われないわー。
ハリルにも誰か相手をお願いします(。-人-。)