こんな日々がずっと続くと想ってた……彼に会うまでは

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表題作蒼い鳥

派手で目立つ他クラスの同級生 森亜沙人
両親が不仲な高校3年生 藤谷登

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

空虚な友情と偽りの愛情……。そんな毎日に、諦めにも似た想いを抱いていた登は、バイト先に現れた同級生の亜沙人と次第に会話をかわすようになる。タイプは違うけれど、どこか似ている亜沙人に惹かれる登だったが、その出逢いは偶然ではなくて──。
(出版社より)

作品情報

作品名
蒼い鳥
著者
杏野朝水 
イラスト
陵クミコ 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
LUNA NOVELS
発売日
ISBN
9784896017632
2.5

(6)

(1)

萌々

(0)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
3
得点
12
評価数
6
平均
2.5 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数3

ガラスの十代

結構杏野さんのシリアスなちょっと暗い感じの展開は好きなタイプではあるのですが、どうにも彼らの抱える家庭の問題が自分の抱えた過去の現実とかぶって、やけに胸に痛く突き刺さるお話でした。
普通BLなんだかだと、高校三年生だと結構自立していて大人顔負けなんて設定が結構あるので、思ったより主人公たちが背伸びしてなくて、等身大の悩みを抱えて苦悩するまさに十代の姿であったのがほっとさせます。

両親が離婚秒読みの仮面夫婦であることに気が付き、知らないふりを装い、自分の居場所を作るために受験に励もうとしている高校三年の主人公・登。
かたや、父親はずっと不倫、母親はそれのせいで心も体も弱ってしまいそこから逃れるように誰それかまわず遊んだりする違うクラスの同級生・森。
登がバイト先の大学生に襲われかけたところを森が救ったのが縁で、彼の家に通うようになる登。
蓮っ葉な感じの森だけど、同じ家庭の悩みを共有していることを知り、分かり合えた二人だと思っていたのに、ある日突然手のひらを反すように森の態度が一変、
森を好きになっていた登の気持ちを踏みにじる態度に登は傷つくのですが、そこには登のしらなかった真実が・・・

森の復讐劇だったのですが、それは本人も思いもよらない想定外の結果を生んだことによる苦悩です。
本当に好きになってしまったのです。
しかし、相手は本来憎むべき相手、どうしたらいいかわからず暴虐な態度に出てしまう。
一見大人っぽくてかっこいいはずの森がとても子供でした。
小さいころから母親の苦しみを見て、聞いて育ってきたので、それを彼が背負うには彼はまだ若すぎるのです。

登も両親のことで悩んで苦しんでいます。
家に帰りたくない、だけど、、、しかし、彼のほうがその中で自分の道を早く見つけてなんとかしようとしている分、森より若干大人びた思考ができる人だったかもしれません。

彼らは両親のことでふつうに苦しむ子供=親の子供なんです。

森の葛藤が一番苦しいかな?
だけど、彼も両親のゴタゴタから解放されたかった、ある意味犠牲者だったと思います。
こうしたグルグルの中で登におぼえた愛情は、共感かもしれません。
彼の苦しみながらも癒しになる、そして前向きな姿勢が、彼の欲するものだったのかな?と思えました。
若干恋愛と呼ぶには、どうだろうな?共依存な関係も感じなくもないが、しかし彼らは十代。
きっとまだまだこれからだと思います。
ただの傷のなめあいじゃなくて。



3

苦手なネタでした・・

ちょっと暗めのお話ですね~。
悪くはない、お話だと思うのですが・・
私はダメでしたね~・・苦手な設定のお話でした・・切なくって辛いんだろうけど・・・
八つ当たり気味の復讐系は報われないので好きではないです・・
もっと違う方向に話を持っていってくれたらとっても素敵な作品になったのに・・と思ってしまいました・・


復讐って言っても、自分の事を好きにさせて、ボロボロにして捨ててやる~・・
って感じなんですが・・そして、そんな自分が相手を好きになって、苦しむ・・

なんか不幸の中をぐるぐるしていて、その中から生まれる愛って?何?って思ってしまうんです・・

今は無力で現状を受け入れる事しかできないけれど、二人が寄り添ってこれから、幸せになっていって欲しいですね~・・

1

わたしにはあわなかったです

ネタバレなしで書きたいと思います。

杏野さんの作品は、初読みです。
設定はよく見受けられるもので、ひねりもないのが残念でした。
同じような設定でも飽きずに読めたものもあったので。
ただ、イラストは美しく素敵です。

受けの登は真面目な高校三年生。
受験を控えた時期ですが、家庭環境の悩みを抱えています。

攻めの亜沙人は登の同級生。
クラスは別で派手な素行ですが、とあることで真面目な登と縁が出来ます。

両親の不和がふたりの共通点ですが、この設定も展開もどこかで?という感じです。
今たくさんBLが出ていますので仕方ないのかもとは思うのですが……

登と亜沙人の間には、信頼と呼べるものはなかったように思います。
お互いが依存しあって、よりかかる相手が欲しかっただけなようで。

好きな方には申し訳ないのですが、わたしにはまったく響くものがなく、次の作品に手を出すのを躊躇させられました。

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