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表題作彼等

氷川享介
大学生
原岡凛一
高校生

あらすじ

東京で受験生としての日々を送る凛一。京都の大学でフットボール部の主力選手として活躍する享介。遠く離れていてもこの思いは伝わっているはず―そう信じていた凛一だったが、京都を訪れた折りに、享介の意外な姿を見てしまう…。絡み合う周囲の人々の思惑、行き違いやためらいをのりこえて、ゆっくりと心は結ばれていく。二度とない、ふたりの季節を描く、好評シリーズ第三弾。

作品情報

作品名
彼等
著者
長野まゆみ 
イラスト
長野まゆみ 
媒体
小説
出版社
集英社
レーベル
集英社文庫【非BL】
発売日
ISBN
9784087476200
4.1

(6)

(2)

萌々

(3)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
25
評価数
6
平均
4.1 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数1

重くて暗くて読むのがしんどい

シリーズ三冊目。思わぬ方向から暗く重い展開になり、凛一は氷川と音信不通だし、前半はずっとしんどい。後半もまた別の辛い話が出てきて、ついに別れ話も始まりそうだと思ったら、ちょっと意外な結末。すっきりはしないけど、まあ一つの結論ではあるのかな。

凛一と氷川は、氷川からたまに一方的に電話を掛けるだけの関係なのに、付き合ってることになってるのかな。氷川は特定の彼女がいるし、凛一が京都まで行かない限り会わないし、でも嫉妬はするらしい。かと思えば音信不通になってしまって、別れの気配だけを漂わせてハッキリしない。

作品の雰囲気がガラっと変わったのは、正午の異変がきっかけ。あんなに生意気だった正午が憔悴し、心が壊れてしまったようで見ていられない。そんな正午を引き受けた凛一も、ついには限界を迎えそうになる。で、そこで出てくるのが氷川。

氷川の出した結論は、表面上は最初に凛一を受け入れたときと変わらないと言えるかもしれない。笑って女と二股宣言、嫌なら去れの姿勢。でも確実に変わったところがあって、少なくとも男と先に進めないと悩むことはなくなった。

京都へ来いと誘う氷川は、今後どうやって二人と付き合っていくつもりなんだろう。氷川の彼女は承知していないだろうし、千尋に頼れなくなった凛一が耐えられるのかも不安。

いろんな人の重い過去が語られ、こちらの精神的ダメージも大きかったけど、とても面白かった。ちなみに何が起こったか分かる描写になってはいるが、性加害系は詳細までは描かれない(それ以外の胸糞描写は結構ある)。
次は最終巻、心して読みたい。

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