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青春BLの金字塔、待望の文庫化!!
札幌が舞台ということで手に取ってみました。
北海道の大自然やご当地物・方言が出てくるわけではないけれど、東京出身の皇以外は北海道各地の出身で地名が出てきたり、函館や円山動物園にちょっと遊びに出かけたり、少し触れることはできました。
北海道の雰囲気も合わさって、子供ではないけど大人にもなりきれてない期間特有の大学生の青さが可愛くて楽しげで、危うさや子どもじみたとこ、めちゃくちゃにゆっくり焦れ焦れペースにやきもきしっぱなし!!
他者を寄せ付けず殻に閉じこもっている皇が隣に越してきた芦屋に自分から関わって、ゆっくりゆっくり友情を育んでいくのも、読んでいる方はそれ恋では!?特別感だだもれやん!!と感じるのに当人同士は特別なことは分かっちゃいるのに、特別だから、特別でいたいからの迷いや葛藤、気持ちを打ち消そうとしてすれ違い!!
実家でしんどい目にあった皇が芦屋を拠り所にしているのも、芦屋の彼女や親友にやきもち焼くのも、芦屋は全然分かってくれない!とぶちまけちゃうのも切なくて切なくて。伝わってる分かってくれてる、そうであって欲しいという身勝手さの中の真っすぐさにぎゅーとなる。
4巻あるので、ゆっくりペース?付き合ってからのお話も?どっちかなと思いながら読んでいましたが、1巻もそこそこ盛りだくさんなのに、気持ちの面はこんだけしか進まないとは~の前者パターンでした。だけど、それも楽しい。周りの友人たちの関り合いもふんだん、2人(特に皇)の成長の面も含めてうだうだぐるぐるしているのを青春だなって見守る物語でした。
1994年初版の作品の、文庫新装版。この頃の作品ってこれが普通だったのかわからないんだけど、まるまる1巻使って恋心の自覚と初めてのキスまで、ってなんだか贅沢な構成。
内容としては、主人公の気持ちがじっとりと重く、嫉妬に次ぐ嫉妬、悶々、ウジウジ、ぐるぐるの連続で、読んでいてだんだん辟易してくる。この性格が複雑な生い立ちにあるのは分かるが、青春ものというわりに、キラキラ楽しそうじゃないのがなあ…。とにかく女々しいし、気持ちを分かってもらえなくていきなりキレるし、面倒くさいワガママな女の子キャラを見てるみたい。ほのぼのでもあまあまでもなく、ただただしんどかった。みんなして受けの容姿をしょっちゅう称賛するのにもうんざりするし、あまりそれを強調されると、この後二人が結ばれても「まあ顔が綺麗だしね…」と思っちゃうのでモヤる。特に終盤の、女装するくだりは本当にいらんかった。初キスも女の子の姿だったし、なんかなー。
大学生というわりに、みんな子供っぽく思えるのは、性的に爛れた感じがないからだろうな。そこは好感が持てた。
唯一性の匂いがしたのは、芦谷が主人公の誕生日に女の子を紹介し、ホテルの部屋のキーを渡そうとしたところ。ちょっとこれはさすがに、女性を馬鹿にしすぎじゃないのか…。相手の女性は主人公をいいと言っただけで、まだ付き合ってもいないのに。なんかここだけ妙に生々しくて、この攻め気持ち悪いと思ってしまった。鈍感なのか無神経なのかわからんが、さすがにこれはないわ…。
とは言え札幌が舞台というのはなんだか新鮮で、古い作品なのにどこか目新しさを感じた。受けも攻めもあんまり好きじゃないけど、こういうお話もたまにはいいかな。
まったくもって、
実に、実に、じれったい、うじうじ、ジレジレもの。
1冊費やして、ようやく、これかぁ、、、
みたいな。
主人公、生い立ちだの色々あって、東京から札幌へ逃げてきているのですが、逃げてきた先の札幌でさえ、自分の気持ちから逃げて、一人、悲劇に浸ってる、ウジウジちゃんです。
対する芦谷は、優しさは鈍感な傲慢さと紙一重的な、天然人タラシ。
そんな二人が、お互いに一目惚れしたのに、男同士の恋愛なんてありえないだろうという自制の壁を乗り越えられず、友情の落とし穴にはまりこんで迷走しまくります。
この「僕が女だったら・・・」とウジウジしまくる主人公。
ある意味、これぞBLの醍醐味。
この延々と続きそうな堂々めぐり。
エチ突入無しのまま、いったいどこまで引っ張るのか、
なんだか、逆に新鮮です。
この本読んだら、絶対、続きが欲しくなる……! と思ったら案の定でした。
主人公の皇は、大学二年生。
複雑な家庭の事情から、今まで人と深く関わらずに過ごしてきた皇は、せめて大学の四年間だけでも自由を満喫しようと、札幌を進学先に選んだが、今までの生活からどうやったら毎日を有意義に過ごせるかどうかわからずにいた。
そんな皇の家の隣に越してきたのが、皇と同じ大学に通う2つ年上の芦谷。
今まで自ら人と関わりを持とうとしなかった皇が、どういう訳だか、芦谷に対しては自分から興味を持ち、あまつさえ、初対面なのに食事に誘う、という行動に出た。
それから、芦谷は皇の友人となり、皇の世界を開く鍵となった。
芦谷に引っ張られるようにして、次第に行動範囲が広がる皇。
そして次第に、芦谷に自分以外の交友関係があることが耐えられなくなってくる。
この気持ちがなんなのか、最初は理解できなかった皇だったが、それが「恋」であることを知る。
という話でした。
この話、続刊が有るので、この巻では皇が自分の気持ちをようやく「恋だ」と認めるところで終わってしまっています。
なので、とても中途半端!
はたして芦谷は皇のことをどう思っているのか、この先二人はどうなっていくのか……。
そういうところがまったくわからないのでうずうずして、早く続きがほしいー! ってなりました。
皇の気持ちが本当に丁寧に書かれているので、とても切なくなるくらいで、胸がぎゅっとしました。
読む時には、既刊を全て揃えてから読むことをお勧めします。
帯『最初にして最後、そして最上の恋。』
このシリーズ、タイトルだけは知っていたんですが未読だったんですよね。
なのでこの新装版は実に嬉しい!待ってましたーってばかりに読んでみました。
うん、ちょっと期待し過ぎてたのかもー。
普通には面白いけど、もっそい名作!!!っていう感じは正直しません。
ただ続きを読みたいと思わせるものはあったのでつかみはとりあえずOKなんじゃなかろうか。
皇[受]はもう芦谷[攻]に対して独占欲と恋心を抱いているけど、芦谷はもう付き合ってる彼女が居る訳でこの辺りがどう変化していくのかなというのは気になりますー。
普通には面白いけど、うわーー面白ぇええええって作品ではない気がしますな。
全部読み終えた後にじわじさくるタイプの作品かも。
「あたらしい日」は書き下ろしだそーです。