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飢えている。愛に飢えている――。
待ちに待った作家さんのコミックスなのでどうしても贔屓目になるが
それでも、これは傑作だ!!
webサイトでオリジナルまんがを公開している作家さんのデビュー作
ほとんど書き下ろし。
良かった。感動した。萌えた。
この作家さんに出会った時は、遙々アルクに出会った時のように衝撃的で、
見つけた自分を誉めてやりたい衝動に駆られた。
ハッキリ言って絵柄は不安定、個性が強すぎて読み手を選ぶだろう。
内容も痛い。暗くてどこまでも主人公に容赦ない。
もし癒しをBLに望むなら落胆するだろう。
それでも滲む人間味にどうしても惹かれずにいられないのだ。
オススメはあまりしたくない自分だけの宝物なのに、知ってることを自慢したい。
これからもずっと応援したい作家だ。
興奮気味でまともな感想が描けないが、生活の全てに置いて劣等感の塊のような自分には、
梶本レイカの漫画は救いのような漫画なのだ。
そのままでも生きていけると希望を与えてくれるのだ。
多くの人に読んで欲しいような…
読んで欲しくないような…(笑)
ゾクゾクしました!!
荒っぽい絵だけど、そこに含まれる深い悲しみがダイレクトに絵を通して、主人公の顔を通して叫びが伝わってきます!
もちろん、痛さもあるけれど、そこの根底にあるコンプレックスと叶えられない望みが胸を打ち、感動と悲しみで涙も誘われます。
この衝撃は、遥々アルクさんの作品や、スネッサンス吉田さんの作品を初めて見た時のものに近いです。
なので、絵自体はすごく好みが分かれそうですが、心を読むことが好きな人には絶対絶対勧めたい!!!
主人公がゲイであることなんて、ちっぽけな付属品。たまたまそうなっただけ、それよりも根底にある愛としがらみ、そんなモノの方がもっと重要で、そちらに目を奪われるのです。
アメリカ人で警官の父と、メキシコ人の母から生まれたジェイクは、父のような警官に、白人の警官になり認められることが、母に捨てられて父からも見放された彼の唯一の父への気持ちだったのに。
異常な程のファザコンの姿が痛々しく・・・
潜入先で上手く取り入ることができたミゲルも、その人種のコンプレックスを持っていると、同類の気持ちを持っていたのに。
あっと驚く、展開が用意され、どんどんと堕ちていく姿に胸が痛くなります。
「ミ・ディアブロ」~私の悪魔~
数々の悪魔がジェイクを苦しめます。
ミゲロとの愛の甘い時間も見せながら、それさえも悲しく、ジェイクは父・ヤク・セックスと依存しながら、依存しなければ生きていけない弱さがあまりに人間臭く、切なく、悲しい!
そのラストに希望の光をともしたことに、深い安堵をおぼえるのです。
自分的にはこの絵柄は好きです。
ヤマダサクラコさんの絵を殴り書き風にしたみたいな雰囲気ですが、全く苦になりません。
同人作品を加筆・修正したものということですので、このような自由な作品が出来上がったのかとは思いますが、次回作の『高3限定』もとても愉しみで待ち遠しいのです。
映画のようで、とても心に残る作品です。
あまりネタバレはしたくないので詳細は控えますが、とにかく衝撃と感動と萌えが詰まった作品でした。一読しただけでは理解しきれない箇所、敢えて曖昧にされている箇所もありますが、諸々の細かい疑問点を凌駕する勢いでジェイク、ミゲルの人生が迫ってきてとにかく圧倒されました。
ジェイク、ミゲルの生きる道は限りなく危険で痛々しく常に闇を孕んでいるのですが、
選択肢の限られた人生の中で精一杯誰かを愛して生きる様子が非常に熱く生命力に溢れていて、どんなに辛い展開でも彼らの人生を見届けたいという気持ちで最後まで読んでしまいました。
グロテスクなシーンや暴力的なシーンもありますが、こうした物語の吸引力の強さのため、また独特の絵柄のため(手足の細長いデフォルメされたような人物絵で、リアルより戯画性の強い感じです)、それほど恐怖や嫌悪感はありませんでした。
むしろ生死が隣り合わせの日常の中に、闇社会の深さや人間心理の複雑さを感じ、目を背けずに受け止めたいと感じました。
ひたすら寒々しく荒んだ展開にも関わらず情熱的、救いようのない展開のようで最後にはハッピーエンドと、物語の展開と一緒に読者の心も二転三点させてしまう引力のある作品だと思います。寒い日の夜に読み返したい。
個人的にダークすぎる描写が多いものは苦手なのですが、梶本さんの作品だと受け入れられます。
決して、スッとなじむように自然に許容できるわけありません。心ではなくキャラクターの体が痛々しくて目を背けそうになるのですが、それを上回るほどストーリーに強烈に惹かれるんです。だから、読み進められる。(もしかすると、高3限定を先に読んで、そうしてこちらの作品を拝見したから耐性がついていたのかもしれません。そこは否めない)
時系列がストーリー中でも交錯します。あの頃の思い出や今のこの現実やそもそもの発端やそこから更に時を経て…などなど。
すごく入り組んだお話なのですが、それでも【読んでしまう】んです。わけが分からなくなると、ストーリーを理解することを途中で投げてしまうこともありますが、梶本さんの漫画にはそれがない。確かに『これはいつの話だ…?』と思うときもありますが、気がつけば理解している、というか…。
この【ミ・ディアブロ】はそれぞれがそれぞれの経歴があるので、甘いときを過ごしている様子ならいつ、ジェイク(ホセ)の目が死んでいるときはいつ、ふたりが共に居なければいつ、などと明確に関係性がわかれていることもいいのだと思います。
そしてこのジェイクの目が死んでいる、完全にジャンキーとなっているときが胸が痛いんです。すごくつらい。
父親に対する強烈なコンプレックス、自らに半分流れるメヒカーナの血に対するコンプレックス。ミゲル(クリス)と混じりあいながらも結局刑事に昇格もできず、父親からはとうに突き放され、ほんの1年で強烈に歪んでいったジェイク。心のよりどころとして薬物の誘惑に勝てなくなったジェイク…。
どうしてこうなってしまった、なんともできなかったのか。
そもそもクリスもミゲルを演じていた、だからクリスもまた偽物であった、ということが分かったときにドキっとしました。確かに直前で『若者め…』って入っていて、あれ?ミゲルって若いんじゃなかったけ?と困惑してからの回想だったので伏線だったのか!とため息。
マイ・ファニー・バレンタインでクリスが嘘に気がついてもらおうとしますね。あの辺りでも胸がえぐられました。ホセ、ミゲル、それぞれとしてでなく、この頃にはとっくにジェイクとクリスの恋愛だったのですよね。のめり込みすぎてはならないけれど、一度惹かれあいもうどうしようもなくなっていったことを考えれば考えるほど、つらくなりました。
ジャンキーになってギスギスに痩せたジェイクが着る、クリスのセーター。ほつれたお古、タオルみたいで好きだといったそれ。
『君にもらった人生だ』と、言ったクリスの顔。別れになるだろう雪を見て『アディオス・ミ・ヴィーダ』の言葉。
後半の流れはとにかく心が追いつかなくて、もう気になるけれどこのページもちゃんと読みたいと悶々としました。
ジェイクがずっと倒したかった、過去の自分、自分が生み出した悪魔、ミ・ディアブロ 私の悪魔、最後に斃すことができて…ホッとしました。終始ジェイクにはディアブロが付いて回って、ずっと苦しかったのですもの。
ふたりがしあわせになれてよかった。クリスがとてもジェイクを愛していることが伝わってきました。ところどころに織り交ぜられるスペイン語がいっそう情熱的に彩っていたと思います。
カバー下での就職のやりとりも見ることができてよかった。
ページをめくるたび、これ以上つらくならないでくれと思いながらもだからといって読むのをやめることもできない、のめり込む世界でした。
クセのある絵だとは思うのです。そして痛々しい描写を避けることなく描かれます。だから避ける方もいらっしゃるはず。
でも、個人的にはぜひとも読んでもらいたい作品です。
見たあとのような充足感。
確かに、絵はアクが強いし、ストーリーはハード。
でも、この個性的な絵で、さまざまなアングルから描かれている人物の骨格は、実に破綻なく正確だし(私の好きな肩胛骨も!)
二転三転する、二重三重の騙し合いは読んでいてゾクゾクする。
このどんどん転がっていくお話って、スペイン語系かなんかの長時間映画をどっぷり見た時みたいな高揚感、充足感。
最後がちゃんとハッピーエンドな所も、満足感に繋がっていると思う。
この本を今まで読み逃していたなんて、実にもったいなかった。
茶鬼
のこのこさま
コメントありがとうございました。
わかります!自分もボタン連打したくなるときあります!!
本当に気に入ったものは隠しておきたいような、皆に知らせたいような、複雑ですよね~。
自分だけがわかればいいや、って思ったりもするのですが、この本が売れればもっとこの作家さんの作品を目にすることができるし、と応援のレビュです(恐縮)
レビューって難しいですよね、、つい解説になってしまって。
この作家さん、大注目です。
次の作品も楽しみですね♪